人工授精を4回トライするも…あらぽん嫁が振り返る「妊活」と「不妊治療」

13年のお付き合いを経て、2017年に結婚。2020年には第1子となる“ベビぽん”が生まれた「ANZEN漫才」のあらぽんさん。Ameba Newsでは、妊活中に発覚した子宮筋腫や不妊治療をブログに綴る妻のよめぽんさんにインタビューを実施。

前編では、妊活をブログに綴る理由やこれまでの不妊治療ヒストリーを紹介しましたが、後編では、「不妊治療中は夫婦仲がピリついた時期もあった」など、当時のエピソードをさらに詳しく伺いました。

【画像】よめぽん妊活ヒストリー
  1. 「もしかして、できにくい?」夫婦で妊活を意識した日
  2. わずかな希望を抱えて行った病院で、子宮筋腫が発覚
  3. “妊活お休み期間”を経てトライした人工授精
  4. 夫婦仲がピリついた時期も……!?

「もしかして、できにくい?」夫婦で妊活を意識した日

あらぽんとは付き合って13年、私が30歳のときに結婚したんです。妊活を意識するようになったのは、結婚して1年くらい経った頃、保険の見直しを考えたタイミングで、保険会社の担当の女性から「13年付き合っていて妊娠しないなら、不妊治療も適応される保険も検討しましょうか?」と言われて。

そこで初めて「もしかして、自分達ってできにくいのかな?」と意識しました。

【画像】あらぽんさん結婚式

——そこから、どのように妊活をスタートされたのでしょうか?

妊活を意識してからは、基礎体温を測ったり、体を冷やさないように気をつけたり、排卵検査薬を使ってみたり……。まずが自分でできることからはじめました。

でも、最初は不妊治療のクリニックに行くことを全く考えていなかったんです。

【画像】よめぽんさん妊活の記録

クリニックに行くことにしたのは、しばらく生理が来ない日が続いたのがきっかけでした。「もしかして、妊娠したかも?」って、期待しちゃうじゃないですか。ただ、妊娠検査薬を何回試してみても、陰性で………。

婦人科にあまりいい思い出がなくて、行くことに抵抗があったんですが、私の身体を心配したあらぽんが「ちゃんと婦人科に行こう」って説得してくれたんです。

「せっかくなら不妊治療もできるところにしたらどう?」ということで、初めてクリニックを受診しました。

わずかな希望を抱えて行った病院で、子宮筋腫が発覚

妊娠検査薬では陰性だったけど、「もしかしたら……!」とわずかな希望を抱いて病院に行ったら、実は子宮筋腫でしたっていう。

生理が遅れた原因も子宮筋腫だったことがわかって、妊活はマイナスからのスタートになりました。

【画像】当時先生が書いてくれたメモ

当時、先生があらぽんさんに説明するために書いてくれたというメモ

——まさに妊活を始めたタイミングでの子宮筋腫の発覚、胸が痛いです……。

とにかく泣きましたね。クリニックから泣きながら帰って、あらぽんの前でも泣いて。自分が情けなくて、かなり落ち込みました。

それに、病気が判明した後もすぐ手術とはいかなくて。というのも、最初のクリニックで紹介してもらった大きな病院の先生に「子宮筋腫は取らなくても妊娠できるから、取らない選択肢もあるよ」と言われて、悩んでいた期間があって。

【画像】よめぽんさんの習字で書いた「前向」の文字

結局、あらぽんともよく話し合って、最終的には手術で腫瘍を取ることに決めました。

——子宮筋腫の手術やその後の妊活について、あらぽんさんとはどんな話し合いをしたのでしょうか?

あらぽんは「俺はふたりでいられればそれでいいよ。今はとにかく病気を治して、妊活はそれから再開しよう」と言ってくれたんです。それを聞いて、まずは治療に専念しようと思えました。

【画像】あらぽんさん、よめぽんさんの旅行の写真

手術が終わった後は、半年ほど妊活をお休みしなきゃいけなくて。

すぐに妊活できない悔しさはありましたが、あらぽんが「つらい手術を終えたんだから、お互い健康になってたのしいことをしよう!」と言ってくれて、気持ちがラクになりました。

おかげで妊活をお休みしていた半年間は、一緒に旅行に行くなどしてゆっくり過ごせました。

——あらぽんさんのやさしさが伝わってきます。

私は、つらいことがあると家に閉じこもりがちな性格なのですが、その頃はあらぽんがよく散歩に誘ってくれて。それが、いい息抜きになりました。

ふたりで近所を歩きながら話すなかで、気持ちを落ち着かせられたというか。それには助けられましたね。ふたりで夜に散歩していたときのことは、今でもよく覚えています。

【画像】散歩中のあらぽんさん、よめぽんさん

“妊活お休み期間”を経てトライした人工授精

——手術後、タイミング療法から人工授精にステップアップしたのには、何か心境の変化があったのでしょうか?

妊活をお休みしていたときは、何もできないもどかしさがあったので、途中からはカウントダウンのような感覚だったんです。妊活を再開できるのが12月からだったので、11月には「そろそろだ」という気持ちになって。

だから、12月にクリニックの先生に人工授精を提案してもらったときには、ふたりとも「せっかくならトライしてみよう」「(妊活できるまで)これだけ待ったんだから、早い方を選ぼうか」と。それで、人工授精にトライすることに決めました。

【画像】あらぽんさん、よめぽんさんツーショット

——人工授精にステップアップすることに、不安はありましたか?

私たちの場合は、「これからは本格的に不妊治療をはじめるんだ!」というよりも「自分たちだけじゃ難しいなら、助けてもらおうか」くらいの感覚で。ふたりとも同じ気持ちだったので、話し合いもスムーズでした。

それに、クリニックの先生が「人工授精は、重たいものって考えなくていいよ」「タイミングを手助けしてもらうだけで、自然妊娠と同じと考えていいんだよ」って言ってくれたのも大きかったですね。

——不妊治療は女性の負担が大きくなりがちと聞きます。実際に人工授精にチャレンジしてみて、いかがでしたか。

もちろんあらぽんも大変だったと思いますが、やっぱり女性の負担が大きいというのはある気がします。

不妊治療も種類によっては痛みがあるし、人工授精やその前の検査のタイミングが「この日」と決まっちゃうので、仕事の都合もつけなきゃいけないし……。

でも、不妊治療をするなかで、妊活に対する周囲の理解は深まってきているのかな、という印象はありました。

【画像】ひょうたんをもつあらぽんさん

——よめぽんさん自身、不妊治療について周囲に打ち明けることはあったのでしょうか?

私の場合は、職場の人に「不妊治療をするので、この日は休ませてください」ってハッキリ言ったんです。やっぱり、本当のことを隠すために嘘をついて仕事を休むのはどうしてもできなくて。

——そうだったんですね。妊活や不妊治療について打ち明けてみて、職場の反応はどうでしたか?

最初は驚かれたんですけど、「頑張ってこい!」って背中を押してくれました。

「理解してもらえなかったら仕方ない!」くらいの気持ちだったんですが、話してよかったなと思いました。

最近は、妊活や不妊治療について発信してくれる人も増えてるし、ニュースなどで話題に触れる機会もあるので、昔よりは理解してもらいやすいように思います。

夫婦仲がピリついた時期も……!?

——不妊治療中は、夫婦仲が悪くなった時期もあったそうですが……。

普段からちょこちょこ喧嘩はしてたし、すごく喧嘩が増えたとかはないんですけど、やっぱりピリピリはしてましたね。

【画像】あらぽんさんとよめぽんさんのツーショット

特に人工授精は、ふたりとも仕事を休んで取り組んでいたのもあるし、早く進めたい気持ちもある。それに「タイミングに合わせて体調を万全に整えなきゃ」という焦りもあって余計に。あとは、お金の負担も大きかったと思います。

人工授精には4回トライしたのですが、「今回もダメでした」と結果が出るたびに「あのとき、こうしてたからじゃん!」「もっと、こうしてたらよかったんだよ!」って……(笑)。お互い、つい相手の粗探しをしてしまうので、雰囲気は良くなかったです。

——夫婦仲がピリピリしていた時期は、どう乗り越えたのでしょうか?

私たちの場合ですけど、3日間、食べる時間と食べていいものを制限する「プチ断食」に挑戦したんです。食べることが大好きなふたりが、一緒に食べるのを我慢して乗り越えるっていう(笑)。

一緒に何かに挑戦してクリアするという一体感は、人工授精を乗り越えるうえで大事だったと思います。

4回の人工授精を終えて、緊急事態宣言が出たタイミングだったので、病院に行くのを自粛していたら、自然妊娠がわかったんです。

【画像】お散歩中のあらぽんさんとよめぽんさん

あらぽんにサプライズで報告したらすごく驚いて、喜んでくれました。

——今回、妊活期間を振り返って、あらぽんさんに伝えたいことはありますか?

タイミングさえ合えばクリニックに一緒に行ってくれたり、周りの先輩パパを通して妊活情報を集めてきてくれたり、今振り返ってみるとすごく協力的でした。

あとは、散歩に連れ出してくれたのもそうですけど、ご褒美をつくってくれたというか。

クリニックに行くのがたのしいと思えるように「クリニックに行ったら、帰りは絶対に中華食べよう!」などと、言ってくれたのが記憶に残っています。だから、クリニックに行った帰り道はいつもご褒美で外食してました(笑)。

妊活を通して、あらぽんはこれまで以上にやさしくなったと思います。

サポートしてくれて、おかげでベビぽんを迎えることができて、ありがとうという気持ちですね。

【画像】べびぽんとあそぶあらぽんさん

取材・文市川茜

編集AmebaNews編集部

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