舞台演出家の蜷川幸雄さんが12日。肺炎による多臓器不全のため亡くなった。80歳だった。5月25日にはシェイクスピア作品・『尺には尺を』の初日が控えていた中での逝去となった。蜷川さんに対しては、多くの人が追悼を述べている。
蜷川さんの娘で写真家の蜷川実花氏は、
「今日、父が逝ってしまいました。
最期まで闘い続けたかっこいい父でした。
父の娘でいられたことを誇りに思います」
と述べた。片岡愛之助(44)は、ブログで、
「お芝居観に伺って、良くお話しさせて頂きましたね、
悲しすぎです。
頂いたお話し実現出来なくて非常に残念でした。
天国でも素敵なお芝居つくって下さい」
と述べた。また、蜷川氏といえば、灰皿が飛んでくるとも言われるほどの熱血指導が有名だったが、これを懐かしがるのが女優・大和田美帆(32)だ。病床へ会いに行けなかったことを後悔しつつも、蜷川さんの厳しい指導をこう振り返る。
『「死ね!ばか!やめちまえ!」
稽古でそう怒鳴られるたびに
「やめたくない。芝居しかない」と自分がどれほど演劇が好きなのか気づかせてもらいました。
「おまえの代わりなんて沢山いるんだよ!」
そう言われるたびに
「私にしかできないことをしなくては」と、一層稽古に没頭することができました。
稽古中に「帰れ!!」と言われ
鼻水垂らしながら
「帰りません!!」と叫んだあのときの
情熱、想い、悔しさ、勢い、未熟さ、、、
全て蜷川さんが生み出してくれたもの」
こうした蜷川さんの言葉は優しいものだとしたうえで、有難く、これからも「やめちまえ」の声を胸に精進すると誓った。大和田は蜷川さん演出の舞台『ガラスの仮面』(2008年)で主人公・北島マヤを演じた。そして、当時の写真も公開し、蜷川さんを偲んだ。
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