「誰かのための前に自分のため」料理の本質を教えてくれたリュウジの本気(マジ)台所
あの人の台所連載「あの人の台所」は、「食」の分野で活躍する人をフォーカスしてフカボリしていく企画。「食」に対する考え方や生活を彩るヒントになるレシピからアイテムまで、さまざまな角度からゲストの魅力にアプローチします。
記念すべき第1回のゲストは、簡単・爆速レシピが大人気! 紹介する料理をすべてバズらせてしまう料理のおにいさん、料理研究家のリュウジさんです。
みんな献立に縛られすぎ。満足できる一皿があればいい
Ameba編集部
毎日の献立を考えるのが苦痛…という主婦やママの声をよく聞きます。献立問題を克服する方法はありますか?
リュウジさん
そもそも「献立を考える」ということがよくわからない。僕の家は基本的にごはんと一品だけだったから。
あれこれ作ろうとせず、ごはんと一品だけで十分で一汁三菜っていらないと思うんです。バランスよく食べることはもちろん大切ですけど、それより一皿で満足できるレパートリーを増やしていくほうがいいんじゃないかな。あれこれ揃った献立なんて“呪い”みたいなものですよ。
Ameba編集部
呪い…
リュウジさん
主菜はこれ、副菜はこれとこれ、汁物はこれってみなさん縛られすぎです。食材でも何をどれに合わせようかって考えすぎると料理が苦痛になりますよね。一品一品を楽しめばいいと思うんです。
Ameba編集部
と言いますと?
リュウジさん
献立を考えて、それを全部揃えて「さあ食べましょう」って大変じゃないですか? 一品作って食べ終わったら次食べたいものを食べられる量だけ作って食べる、みたいなコース形式のほうが料理を残されることもないし食べるのも楽しくなりますよ。
Ameba編集部
すごく合理的です。
リュウジさん
日本って食が豊かなのはいいんですけど、ややこしいというか…きっちりしすぎなんです。最初は野菜系、次はお肉、みたいに一皿ずつ楽しむコース形式でもいいですし、アジア料理みたいにメシにおかずとか汁物がドバっとかかってるものでもいい。
Ameba編集部
リュウジさんのスタイルですと、献立で悩むことはなさそうですね。
リュウジさん
献立どうしよう? って誰のために悩むんですか?
Ameba編集部
やはりご家族のためかと。
リュウジさん
家族のためか〜。僕は食卓において一番えらいのは「作り手」と考えています。その一番えらい人が「これでいい」と言うなら家族は食べるしかないんです。
Ameba編集部
せっかく作ったのに子どもが食べてくれない、旦那さんが文句を言う、みたいな話もよく聞きます。
リュウジさん
各家庭でのパワーバランスはあると思いますが、食べてくれない・文句を言うような家族は食べなくていい、くらいの強い気持ちを「作り手」は持つべきです。
家事は仕事と同等って言われますけど、ぜんぜん同等ではなくむしろ不公平です。特に料理って正解を決めているのは「食う側」なんです。
Ameba編集部
たしかに食べてくれない、文句を言う、のは「食う側」です。
リュウジさん
作ってもないのに正解を指定したり決めたりするのって、めちゃくちゃフェアじゃない。家で料理を作っている人は外で仕事をしてる人の仕事に口出ししないですよね? なのに、あたかも外で仕事してるほうがえらいみたいに、料理に口出しするのっておかしいでしょ。
リュウジさん
女性も仕事をして家計を支えるようにはなってきましたけど、それが男性であろうが女性であろうが、僕が/私が稼いできてるんだから、僕が/私が満足するような料理を作りなさいだなんて、言ったり態度に出したりしちゃいけないですよ。
Ameba編集部
おっしゃるとおりです。
リュウジさん
男性・女性ではなく、外で仕事をする人・家事をする人、家事の中でも料理をする人・料理をしない人としてフェアに見てほしいですね。その上で、お互いの「仕事」をどれだけの量をやっているかをフラットに見るべきです。
Ameba編集部
お互いを尊重し合う第一歩として、お互いの「仕事量」を把握することは大切です。
リュウジさん
そうですね。それでも料理に関しては「しない人」があれこれ言う場合は、料理をやらせるのが一番です。食卓に並んだ一皿一皿に、どういう工程があって、どれだけの時間と費用がかかって、どういうふうにこの味付けになっているのか、「しない人」「食う側」は知って理解を深める必要があるからです。そこを理解していれば、家庭で出された食事に文句を言えないはずなんです。
Ameba編集部
めちゃくちゃ大事なことですね。
リュウジさん
「しない人」「食う側」の料理への理解が深まらないと、「作り手」との溝は埋まらないですし、「作り手」の不満も解消されません。
Ameba編集部
料理をしない人でも作れそうなレシピを提案してくれるリュウジさんの動画は、まさにその溝を埋めるきっかけになりそうですね。キャッチーで楽しくて「自分もできそう」と思わせてくれる一方で、どんなに簡単でも工程がしっかり説明されています。
リュウジさん
僕の動画は料理しない人も見てくださいって言っています。そのためにどういう手順で、どれくらいの時間でできるのか、どんなに簡単なレシピであっても美味しく食べるための手間も含めてすべての料理で説明していますから。
Ameba編集部
「究極の煮干し水そうめん」を見て、それをすごく感じました。そうめんにも種類があることや、美味しい出汁を取るために煮干しの頭とはらわたを取るとか、そうめんは氷水でしっかり締めるとか。
リュウジさん
煮干しはそのまま使っていいんだけど、どうせならえぐみなくスッキリ美味しい出汁で食べてほしいからね。
本当に忙しいときは僕の動画を見ないで
Ameba編集部
忙しいとき、時間がないときにおすすめのレシピを教えてください。
リュウジさん
本当に忙しいときは惣菜を買ってくる、でもいいと思います。手を抜くことは悪いことではないし、罪悪感を覚えることではないです。
Ameba編集部
食卓にお惣菜やレトルトを出すことに抵抗感がある方も多そうですが…
リュウジさん
抵抗感とか罪悪感って、家族に対して?
Ameba編集部
そうだと思います。
リュウジさん
そう感じるってことは、自分のために料理をしていないんじゃないかな。誰かのために料理することは立派なことですけど、まずは自分が食べたいものを作る、これが料理の最大のモチベーションです。
リュウジさん
自分が美味しいものを食べたいと思ったときは作ればいいし、忙しくて料理作る時間もないときは動画を見る時間もないでしょ? そんなときは僕の動画は見ないでください。僕はカレーやパスタソースも開発してるから、そういうのに頼ってください。
リュウジさん
レストランとちがって家庭料理は対価が得られない。それなのに、疲れてて時間がなくても無理に料理しなきゃって気にさせられるなんてフェアじゃないですよ。
Ameba編集部
ほんとにそう…
リュウジさん
ただ、外食や惣菜が続くと飽きますよね?
Ameba編集部
飽きます。
リュウジさん
僕も外食は好きだけど、1回行くとしばらくはいいかなって気になります。プロが作るんだから美味しいけれど、毎日だと飽きるんです。なぜかわかりますか?
Ameba編集部
わ、わかりません…
リュウジさん
外食も惣菜もレトルトも、安定して同じ味を出さないといけなくて、味がブレないから。家庭料理は味のブレがあるから飽きないんです。
Ameba編集部
味のブレ?
リュウジさん
家庭料理って、自分のコンディションや気候によって食材や味をコントロールできるじゃないですか。今日は暑くて汗いっぱいかいたからちょっと塩気を強めにしようかなとか。
そういうブレも含めて、僕は家庭で作る料理が世界一だと思ってます。星いくつだとかのレストランの方が美味いって錯覚してる方も多いけど、やっぱり家庭料理にまさるものはないです。
リュウジさん
家庭料理って無限大なんですよ。和食の煮物だけじゃなくて、カレーにパスタに親子丼に餃子、和洋中なんでもあるじゃないですか。元々は飲食店でしか食べられなかったものが家庭料理としてすっかり定着していますよね。なぜだと思いますか?
Ameba編集部
わ、わかりません…(2回目)
リュウジさん
美味しいからです。飲食店が提供する味が美味しすぎて、家庭でも食べたいというニーズが高まったから家庭でも再現できるよう開発の動きが加速したり、調味料や食材が手に入れやすくなったり、食品や流通業界全体が進化しました。
その結果、家庭料理は飲食店の美味しいものの集合体になったんです。だから、家庭料理が世界一なんです。
Ameba編集部
はーーーなるほど! 家庭料理最強ですね。
リュウジさん
そうですよ。ただ、僕は料理において“一番”は意味がないとも思っています。一番好きな料理であっても、そればかりを続けると飽きもくるしほかのものを食べたくもなる。
家庭料理は世界一だけど、2番目、3番目、それこそ15番目に美味しいものを求めて外食もしたくなれば、カップラーメンも食いたくなる。体調や気分によってその日に美味しいと感じるものの順番って変わる。人間の味覚ってそういうものですよ。
Ameba編集部
家庭での作り手には、その日食べたい、美味しいと思った料理を自信を持って出してほしいということにもつながりますね。
リュウジさん
そういうことです。作り手が何を食べたいか迷うことだってもちろんあります。そいうときは、過去に作って美味しかったものや家族に好評だったものを作ってみるのもありです。
子どもの食悩みを救う?リュウジの虚無レシピ
Ameba編集部
好き嫌いが多かったり偏食だったり、子どもの食に悩むママさんも多いみたいです。何かよいはたらきかけはありますか?
リュウジさん
うーん。もしピーマンが嫌いなら無理やり食べさせなくていいと思います。こんなに食材があふれているんだから、ピーマン以外から同じ栄養素のものを食べさせればいいわけだし。ただ、あまりに偏食だと食事の楽しみが減っちゃって損するだろうな〜
Ameba編集部
なるべく早い段階で、好き嫌いなく食べられるようになってもらうにはどうすればいいでしょうか?
リュウジさん
一番の克服方法は自分で料理させることです。小学生くらいからやらせた方がいいですね。いろんな食材に触れて、味を知るためには料理が一番。手順もそうだけど、こういう味付けをすれば食べられるとか、自分で発見させることがとても大事です。
Ameba編集部
リュウジさんの料理は、お子さんがチャレンジできそうなものも多いですよね。
リュウジさん
僕の動画は酒飲みながら作ってるから教育上よくないかもだけど(笑)。「この人は大人の飲み物を飲んでるけど、こうなっちゃダメよ」とか言い聞かせながら、料理の部分だけ参考しにしてもらえるといいかな。
Ameba編集部
もうすぐ夏休みですし、小学生の料理チャレンジにおすすめ動画を教えてください。
リュウジさん
包丁を使わない料理も結構アップしてるから、そこらへんがいいかも。虚無シリーズとか。
リュウジさん
ぶっちゃけインスタントラーメンでも、子どもにとってはれっきとした料理なんですよ。僕も子どものころは「サッポロ一番」をよく自分で作っていましたし。
でもまぁ、最近は子ども用の包丁もあるくらいだから、小学生から包丁を使わせていいと思うんですよね。
Ameba編集部
刃物や火は危ないとかではなく…
リュウジさん
学校の体育とか運動クラブだって多少の危険は伴うじゃないですか。でも楽しいし、上手くなりたいから子どもたちはがんばるわけでしょ? しかも、練習するだけじゃなくて、練習後は道具やグラウンドの整備までするじゃないですか。
料理も同じです。工程を学びながら作って自分で作ったものを食べて終わり、ではなく、片付けまでしっかりやって終了なので。
Ameba編集部
たしかに!
リュウジさん
しかも、自立したとき、社会に出たときに一番「やっててよかった」とまず実感できるお役立ちスキルは料理ですよ。
まずは自分で料理させること、それがむずかしければ料理の手伝いをさせることが食への興味につながり、好き嫌いや偏食克服の第一歩になると思います。
リュウジの愛用品(ツール編)
Ameba編集部
ここからはリュウジさんの愛用品についてうかがいます。リュウジさんが普段使いして「これは手放せない」という究極のキッチンツールを知りたいです。
リュウジさん
僕はツールにそんなに頼らないんですよね〜
Ameba編集部
質問しておきながらアレですけど、動画で使われているツールはどれも一般的というか、ときにはビニール袋で済ませたりしてますもんね。
リュウジさん
とはいえ僕も料理研究家なので、ツールが商売道具なので使い勝手にはいろいろ思うところがあって。最近では、自分が本当に使いたいものは探すより「作ろう」って発想になります。
Ameba編集部
お!
リュウジさん
僕、生涯でまな板を何度も買い替えてるんですよ。白や木調だと色の濃い食材が色移りするからニトリの黒いまな板を使ってたけど、使う回数が多くてすぐ削れてくるから。その度に漂白するのも面倒だし買い替えるのも経済的じゃないから、いっそ自分が納得いく一生モノを作ろうかなと思っていて。
それでいま、このまな板を試作品で作ってるところ。ゴム製でキズもつかないし、吊るしておくだけで乾かしやすくて収納もラクなこんなやつ。
Ameba編集部
実際に使っている感はあるのに、まな板特有の傷がまったく目立たないですね!
リュウジさん
だから素材はゴムにしたの。撮影のたびに削れて、みすぼらしくなったまな板が映り込んでるのっていやじゃん。だから、キズが目立たなくてしっかりした厚みがありつつ重たくない素材にこだわったわけ。
動画を撮ってても黒い食材はあまりないから、食材が映えるという意味でもまな板は断然黒がいいんですよ。
Ameba編集部
なるほど! これはいつ発売予定ですか?
リュウジさん
年内には出したいね〜。早くて秋くらい。家族の人数やキッチンの広さによって選べるようにMとLの2サイズ展開を予定しています。
Ameba編集部
おお〜〜〜。うち、キッチンが激狭なので絶妙なサイズのこれ(Mサイズ予定)はすごくありがたいです!
リュウジさん
満足して長く使ってもらいたくてコスト度外視のいいものになってるんで、ぜひ試してみてほしいですね。毎日料理をしている人はわかると思うけど、まな板の手入れって本当に面倒。このまな板はそういう面倒から解放されるから! 食洗機でも洗えるようにもしてあるし。
Ameba編集部
ありがたすぎます。
リュウジさん
僕の経験則に基づいて、毎日の調理がラクになって楽しくなるツールはこれからもどんどん作っていきたいんですけど、本当に納得いくものはそんなにポンポン出てこないんですよね。
Ameba編集部
そんななかでも、今後のオリジナルツールのヒントになるようなものってありますか?
リュウジさん
最近だとこれかなぁ
リュウジさん
使用原理はトングなんだけど、ピンセットや菜箸のような細かい作業もできて便利なんだよね。粉をまぶす〜揚げるまでの全工程に使えるから、揚げ物にすごく便利。
あと、一口大の肉をフライパンで焼くときひっくり返すのもラクだしね。一定の力でずっと作業ができて菜箸を使うよりも指の負担が少ないし。
Ameba編集部
箸使いってわりと疲れますよね。
リュウジさん
そうそう。僕も箸使いあまり上手くないから余計にね(笑)。あと、まな板と同じく作りたいと思って試作中なのは計量スプーン。
Ameba編集部
見たことない形状ですね。
リュウジさん
試作品だからここに溶接の跡が残ってるんだけど、計量スプーンもね〜「これぞ」って使い勝手のがなかなかなくて、じゃあ自分で作っちゃおうと思ったの。計量スプーンって、量ごとに大きさがちがうスプーンがジャラジャラついてるのが主流で、あれってめちゃくちゃ洗いづらいでしょ?
Ameba編集部
洗いづらいし使いづらいです。
リュウジさん
サッと計量したいときもジャマくさいし。1本で大さじ小さじを計れるのを使ってるんだけど、それだと大さじ小さじを同時に軽量できない。だったら、平台に置いたまま安定して同時計量できるツールにしちゃえ! と思って、持ち手をアーチ状にして平台に置けるようなバランスにしてみたわけ。
大さじ半分、小さじ半分もこれ一本で使えるようメモリも入ってる。金型から作らないといけないからなかなか大変だけど、これも納得いく仕上がりになったら発売するつもりです。
Ameba編集部
リュウジさん、料理研究家の域を超えて発明家でもありますね。
リュウジさん
料理を突き詰めようとすると、どうしてもそうなるのかな(笑)。これも結構便利だよ。
リュウジさん
僕が以前、介護の仕事をしていたときに便利だなと思ったシリコン製のスプーン。耐熱性もあるからちょっとした炒め物や、マヨネーズのような粘度の高い調味料を使った合わせダレを混ぜたりかき出したりするのにすごく便利。
リュウジさん
洗いやすくて手入れもしやすいし。小さいサイズだと、離乳食を混ぜてそのまま赤ちゃんにも使えるから、育児中のママにもおすすめできるかな。
Ameba編集部
いいですね!
リュウジさん
瓶詰め調味料を最後までかき出せるから、調味料の使い切りにもいいですよ。あとは包丁ね。
Ameba編集部
リュウジさんの包丁…! 気になります。
リュウジさん
実はね〜いいのが見つかったんですよ!
リュウジさん
鮮度が落ちて柔らかくなったトマトもこんなに薄くスライスできちゃうくらい切れ味も抜群なのに、軽くて持ちやすいから女性も使いやすいと思います。これは知り合いの業者さんに紹介してもらったものだけど、ゆくゆくはグリップにもこだわってリュウジ特製の包丁を作りたいと思っています。
Ameba編集部
リュウジさんの特製包丁だなんて、みんなが欲しいやつ!
リュウジさん
楽しみにしててください。まな板もそうだけど、毎日使っても疲れない、手入れが面倒じゃない、でも一生モノとして使えるほどの耐久性にはこだわりつつ、なおかつ値段もリーズナブルってところは譲れないですね。儲けよりもみんなが料理を楽しいって思ってくれることの方が僕にとって優先度は高いから。
Ameba編集部
リュウジさんって本当に“家庭料理の伝道師”ですね。
リュウジさん
自炊人口を増やすのが僕のミッションなので(笑)
リュウジの愛用品(食品編)
Ameba編集部
調理ツールの開発がまさかここまで進んでいたとは驚きでしたが、最近のリュウジさんといえば、食品開発も積極的にされています。売れすぎて話題になってましたよね?
リュウジさん
あ〜本気シリーズね。
Ameba編集部
この前「だし漬け枝豆」の動画でも使っていた「鰹粉」が欲しくて注文しようとしたら、完売してました…
リュウジさん
あ〜ごめんなさい。僕が納得した本物の鰹節しか使ってないから、週に生産できる数に限りがあるんですよね。今日(※取材時は6月下旬)再販されてるから買えますよ。
リュウジさん
1袋100gで1080円だから高いと感じるかもだけど、粗節と本枯れ節の鰹節100%という品質前提で、スーパーで買うちょっといい鰹節(30gでだいたい300円)と比べたらぜんぜん高くない。
リュウジさん
むしろ香りと品質は格段に上だと思ってるんだよね。みんなに鰹出汁の美味しさを手軽に味わってもらうために、利益度外視で作ったから。いままで、鰹節をレンチンして粉末にして…という手間を考えるとぜんぜん高くなくてむしろ高コスパだと思います。
Ameba編集部
面倒で避けていた鰹出汁料理もめっちゃラクにチャレンジできますね。
リュウジさん
そうなんだよねー。でも素材にこだわりすぎてるから、週に1200パックが限度であまり大量生産できなくて…。それでもみんなにずっと使って欲しいから、完売してもすぐ再販できるような努力はしています。
Ameba編集部
リュウジさんのユーザーファーストの気遣いや、工場の方々の努力が本当にありがたいです。
リュウジさん
僕は料理が好きだけど、だからそこ自分だけじゃなくみんなが楽しく料理ができて、幸せと感じられる環境を作りたいと思っています。そのためには、僕が本気を出して開発した商品を届けることも使命だと感じています。
Ameba編集部
リュウジさんにしかできないことです。
リュウジさん
元々料理人になりたかったから、本気モード全開でディテールにこだわっちゃうんだと思います。あと! いままさに完成して、発売間近の商品があるんですよ。
Ameba編集部
え〜〜〜。そんなタイミングで取材できて奇跡!
リュウジさん
これなんですけど。
リュウジさん
万能調味料です。これね、ヤバいっす。アウトドアスパイス系の万能調味料って有名なのもたくさんあるけど、僕はこの「マジスパ」に相当自信があります。ちょっと舐めてみますか?
Ameba編集部
うわ…これ、ごはんにふりかけるだけで何杯もいける…
リュウジさん
僕のおすすめは豚バラエッグです。豚バラを焼いて卵を落として「マジスパ」を好きなだけかけるんです。「マジスパ」は赤シソを加えているから、爽やかさが鼻からふっと抜ける。それが美味さを引き立てるんですよ!
Ameba編集部
たしかに、 鼻から抜ける爽やかさがあります。
リュウジさん
だから、肉にはもちろんだけどドレッシングに使えば生野菜も最高に美味くなります。ちょっと作ってみますね。ドレッシングといっても、コンビニとかスーパーに売ってる生野菜パックにオリーブオイルとお酢と「マジスパ」を直接ぶっかけて混ぜるだけなんだけど(笑)
Ameba編集部
美味しい…(感動)。食べたことないです、こんなサラダ。
リュウジさん
どんな食材にも合う生涯の相棒的な調味料や、毎日の料理に使える出汁など、僕が最高に美味いと感じる味を家庭でもどんどん好きなように使ってもらえる商品も、少しずつ出していきたいと思っているわけです。
Ameba編集部
ありがたいです。ふりかけるだけ、つけるだけで簡単に美味しい料理ができて私たちがラクができる分、リュウジさんや工場の方々がものすごい努力をされていることがわかって、商品を使うありがたさをすごく感じます。
リュウジさん
それも僕のミッションだと思っていますから。実はあともうひとつあって…
僕、タバスコがすごく好きで、好きすぎて自宅で作っちゃったんだよね。それで納得いくレシピができたから、工場で再現できないかな?っていま試作を重ねているところなんです。本気(マジ)で作った「マジスコ」です。
リュウジさん
でもね〜これがなかなか再現できなんですよ。市販できるものにするためは、越えなきゃいけないハードルも多くてかれこれ10回は試作を繰り返してる。
Ameba編集部
ものすごい執念と努力ですね。
リュウジさん
僕が完璧だと思った味を完全に再現し、かつ量産できるためには何十回でもやり直しますよ。だって、量を担保できないとユーザーをがっかりさせちゃうじゃない? 一度買ったら次も絶対買ってくれるという自信もあるし。
Ameba編集部
味が気になります。
リュウジさん
味見してみますか?
Ameba編集部
!? 私が知ってるペッパーソースじゃないです。野菜の旨み? みたいなものを感じて、表現が正しいかわからないですが生ドレッシングっぽいです。
リュウジさん
そうなんです。人参・玉ねぎ・ニンニクを入れてるんです。かなり中毒性があるから、一度「マジスコ」を体験したらほかのペッパーソースに戻れないと思います。だから、ある程度のリピーターを見越して最初から量産体制を取りたいんです。
Ameba編集部
味の再現性と生産ラインで妥協できない最大の理由はユーザー満足度なんですね。
リュウジさん
逆に他の理由あります? それ以外ないですよ(笑)
独特の世界観とワードセンスで料理研究家の枠をぶっ壊し、唯一無二のコンテンツで勝負し続けて「リュウジ」という唯一無二のメディアを確立したリュウジさん。メディアとして無限大のレシピを提供するだけでなく、利益度外視で自分のこだわりとユーザー満足度に向き合う姿と言葉には、真の料理人の気概を感じました。
しかも単なる料理人ではなく、カテゴリー「リュウジ」という、家庭料理を本当の意味で家庭に定着させてくれる身近さで料理の楽しさを教えてくれて、家庭で再現するための商品まで開発してくれる。どんなに有名になっても、世間的にはスゴイ人になっても、変わらず「料理好きの普通のおにいさん」であり続けるリュウジさんは、とんでもなく「本気(マジ)の料理人」でした。
リュウジさんのことがますます好きになった、 リュウジさんのレシピや商品が気になる、という方はSNSやオリジナル商品をぜひチェックしてみてください!