年収700万円の妻47歳を“支えるほうがトク”と、平日の家事・育児をほぼ全部する夫450万円の51歳「係長への昇進は断りました」

年収700万円の妻47歳を“支えるほうがトク”と、平日の家事・育児をほぼ全部する夫450万円の51歳「係長への昇進は断りました」

2月3日(月) 6:45

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共働き夫婦が約7割を占める現代において「稼ぐ妻」が世帯年収を押し上げ、存在感を増している。これを戦略的に捉え、「妻の稼ぎを伸ばす」ことで世帯年収を倍増させている者たちがいる。彼らに共通するものは何なのか。新時代の夫婦の戦略を解明していく! 夫の1.5倍以上も妻が稼げるワケ 夫(51歳):年収450万円 妻(47歳):年収700万円 妻の稼ぎを伸ばすことで世帯年収を激増させる。そんな新しい夫婦像を採用する人たちが増え始めている。機械メーカーに勤め、地方公務員の妻と2人の子供と暮らす谷岡敏夫さん(仮名・51歳)もそのひとりだ。年収450万円の敏夫さんに対し、市役所で係長として働く妻は年収700万円で、夫の1.5倍以上も稼いでいるが、それが叶うのは敏夫さんが“稼げる妻”を戦略的に支えているからだ。 「部下のいない名ばかり主任でヒラ同然の私と違い、順調に昇進を重ねる妻のほうが将来性も伸び代も高いですから。5年前の春だったかな。妻が激務で有名な財務課に異動になったのをきっかけに、平日の家事・育児は任せてほしいと私から持ちかけました。PTAや三者面談といった子供の学校行事も、半休や有休を活用しながら参加しています」 敏夫さんの一日は朝6時に始まる。起床後は朝食の準備と洗濯、17時すぎに帰宅したら掃除に夕食の準備など、敏夫さんが家事・育児全般を担う。そんな彼にも昇進のチャンスがなかったわけではない。 「数年前に係長への昇進の声がかかりましたが、残業や出張が激増するのに年収ベースで約20万円アップしか望めない。妻の家事負担が増えて世帯年収が減る恐れがあったので断りました。妻から『仕事に専念できるから、キャリアアップが叶っている』と言ってもらえているので、私自身はもう出世は望んでいません」 夫より稼げる妻の割合は… 谷岡夫妻のような共働きの形について、「家庭の事情で性のキャリアを途切れさせない社会の流れ、時代は確かに追い風となっている」とは、“家族の幸せ”を経済学的な観点から研究する経済学者の山口慎太郎氏だ。 この言葉通り、自分より年収が高い妻を持つ500人にアンケートを実施し、Q2「妻の年収増をバックアップする理由は?」でも、夫より稼げる環境にいる妻が54.8%を占めている点が明らかになった。こうした現象は大企業ほど顕著だ。 自分より年収が高い妻を持つ夫の共通点とは!? 「大黒柱妻」の年収アップに貢献すべく、家事・育児に限らず、時には直接“妻の仕事をサポート”する夫も!? 年収上妻の 57.4% が 年収600万円 以上 そのうち 35.2% が 年収1000万円 以上 Q1.妻の年収が上がった理由は? 昇進・昇給49% 高い専門性17% 転職した12% 資格を取得した8% 起業した4% 副業・複業2% その他8% 「女性の大学への進学率が高まり、働かないと損という意識が醸成されたのと、女性の管理職の割合や就業率を高めたい企業のニーズとが合致した」(山口氏) Q2.妻の年収増をバックアップする理由は? 将来性がある30.4% 昇進・昇給が早い24.4% 自分に余裕が欲しかった11.0% 自分に昇進する気がなかった10.0% キャリアアップの希望がある9.4% 家計のため8.0% その他6.8% 「妻の仕事の将来性の高さ」や「昇進・昇給が早かった」が半数以上を占めた。「女性活躍推進という社会の波に乗り、世帯年収を上げていこうと考える戦略的な夫婦も増えています」(働き方評論家・常見陽平氏) Q3.妻の年収アップに何で貢献していますか? (複数回答可) 家事65.6% 子育て37.2% 妻の仕事のサポート13.5% <妻の仕事のサポートの内訳> 営業3.4% マネジメント2.5% 仕事を紹介2.2% 雑務処理5.4% 「手を取り合って家庭を育むという世界観が共有され、夫も積極的に取り組める」と常見氏が指摘する通り、家事・子育ての面で貢献している夫は多いが、「妻の仕事のサポート」と直接的に貢献している夫も約1割に Q4.家事分担の割合は? 最も多いのは「夫5:妻5」が23% 「収入の多寡で決めると、夫婦関係に亀裂が入る恐れも」(常見氏) ※アンケートは、SPA!が「自分より妻の年収のほうが高い」30~59歳の既婚男性500人を対象にインターネット調査を実施(期間は'24年7月25~30日) 【経済学者 山口慎太郎氏】 「家族の経済学」と「労働経済学」を専門とする東京大学経済学部教授。著書に『「家族の幸せ」の経済学』(光文社新書)など 【働き方評論家 常見陽平氏】 労働社会学を専攻とする千葉商科大学国際教養学部准教授。多様な視点で働き方事情を分析する人材コンサルタントとしても活躍する 取材・文/週刊SPA!編集部 【関連記事】 ・ 「僕なんかより将来性は高い」妻の住む東京に大阪本社から異動した夫。“妻の大黒柱化”で世帯年収2000万円超えも目前に ・ 年収1000万円を捨てて岐阜県に移住した45歳男性。年収は800万円減でも「たまらなく幸せ」な生活 ・ 「5人の妻と共同生活」“勝手に一夫多妻”を実践する42歳男性の価値観「『養ってください』というDMが、月に何十件も…」 ・ 月収30万円以上なのに、3年間ネットカフェを転々とし続ける58歳男性。風呂にも半年入らず…“ゴミ屋敷”さながらの部屋で生活する理由 ・ 八丈島に移住した“女性プロ雀士”に聞くリアルな住み心地。物価は「東京本土のスーパーよりも全部高い」

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