4月25日(金) 19:40
SNS型ロマンス詐欺は、SNSやマッチングアプリなどで出会った者と、実際に会わずにやりとりを続ける中で、恋愛感情や親近感を抱いてしまい、その感情を利用されて金銭等をだまし取られてしまう詐欺のことです。
例えば、「結婚のために資金が必要」などと恋愛感情を利用した言葉を用い、暗号資産の購入や架空の投資を勧め、お金を振り込ませようとする手法が代表的です。
上記手法の場合、最初の要求金額は高くないかもしれませんが、うまく利益が出たように見せかけてくるため、「追加投資をしたい」という気持ちにさせてくるため要注意です。利益は実際には虚偽であり、繰り返し金銭等をだまし取られていきます。
警察庁の調査によると、男性は50~60歳代、女性は40~50歳代の被害が共に半数を超えているようです。被害者の男女比では、男性が63%、女性が37%で、男性のほうが被害に会いやすい傾向があるようです。
また、当初接触ツールの大半は、マッチングアプリ、フェイスブック、インスタグラムとなっており、被害時の連絡ツールの94.1%がLINEという結果でした。比較的他人とつながりやすいツールから接触し、より親密性を感じやすいLINEへ以降する流れのようです。
警察庁が公表している実際の事例によると、合計被害額が1億5000万円になったケースもあるようです。被害者は男性で、マッチングアプリを通じて知り合った為替アナリストを自称する女性から「恋人になって一緒に暮らすためのお金を稼ぎたい」とFX投資を勧められ、指定口座に現金を振り込み、約1億5000万円をだまし取られたようです。
日常的にSNSをはじめとしたツールを利用している20代、30代の人と、50代、60代の人を比較すると、やはり50代、60代の人のほうがツール利用に不慣れなことが多いです。インターネットを通じて「実際にあったことのない不特定多数の人とチャットを行うこと」への危険性を、世間話の中でもよいのでさりげなく日常的に話すようにしましょう。
また、ロマンス詐欺に関わらず、金融機関での振込限度額設定を行うことで一定の対策は可能です。ご両親にぜひすすめてみてください。
本記事ではSNS型ロマンス詐欺について紹介しました。恋愛感情や親近感を巧みに利用したこの詐欺は、男性は50~60歳代、女性は40~50歳代の被害が共に半数を超えています。ご両親が被害に遭わないよう、さりげなく注意喚起してもよいでしょう。
また、日頃から身に起こったことを気軽に話せる関係づくりができていれば、多くの詐欺被害の防止につながる可能性が高くなります。子どもから積極的に親に連絡を取るようにするとよいですね。
警察庁 SOS47 特殊詐欺対策ページ SNS型ロマンス詐欺
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート
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