4月23日(水) 14:30
児童手当は、0歳から18歳(高校卒業年齢)までの子どもを対象に支給される国の制度です。支給額は、以下の通りです。
3歳未満:月1万5000円
3歳~高校生年代まで:月1万円
※第3子以降は3万円
総支給額の例としては、第1子の場合、およそ216万円(3歳未満の36ヶ月に1万5000円、3歳以上の180ヶ月に1万円)となります。一方、第3子以降は18年間ずっと月3万円支給されるため、約648万円に達します。
しかしながら、文部科学省の「子供の学習費調査」や一般的な報道によれば、幼稚園から大学までの子ども1人あたりの教育費は、すべて公立に通った場合でも約773万円、私立の場合は約2500万円にのぼるとされています。
特に大学進学費用は年間約250万円かかることもあり、児童手当だけでは教育費の大部分をまかなうことは難しいのが現状です。
児童手当だけでは将来の教育費に不安を感じるのは、多くの家庭に共通する悩みです。では、実際に他の家庭はどのようにして教育資金を準備しているのでしょうか。ここでは、一般的によく使われている方法を紹介します。
1. 先取り貯蓄の習慣
多くの家庭で実践しているのが、毎月一定額を「教育費用」として別に貯めていく方法です。
児童手当をそのまま貯金するだけで約200万円の準備が可能で、さらに月1〜2万円を教育資金として積み立てることで、高校や大学入学時の出費に備えることができます。
自動積立定期預金や財形貯蓄を活用し、無理なく貯蓄を習慣化する家庭が多いです。先取り貯蓄は、収入があった時点で貯金を確保しておくため、無理なく習慣化しやすい方法です。
2. 学資保険の活用
多くの家庭が加入しているのが、「学資保険」です。これは、決まった期間保険料を支払い、満期時にまとまったお金が受け取れる保険で、教育資金の確保に特化しています。
保障も兼ねており、親に万一のことがあった場合にも備えられる点も選ばれる理由の一つです。ただし、契約途中で解約すると元本割れのリスクがあるため、満期まで継続することが重要です。
3. NISAなどの資産運用
NISAなどの非課税投資制度を利用して、長期的に資産形成を目指す家庭も増えています。毎月数千~3万円程度の積立投資を行うことで、時間をかけて資産を増やすことが期待できます。ただし、元本割れのリスクがあるため、学資保険や預貯金と組み合わせてリスク分散を図るのも一つの方法です。
4. 奨学金制度の活用
教育費の不足分を補うために、奨学金制度を利用する家庭も少なくありません。日本学生支援機構(JASSO)をはじめ、大学や地方自治体が独自の奨学金制度を提供しています。ただし、奨学金は返済義務があるため、利用前にしっかりと理解しておくことが大切です。
5. 教育ローンの利用
どうしてもまとまった資金が必要なときには、教育ローンを活用する家庭もあります。国の教育ローン(日本政策金融公庫)や民間銀行の教育ローンを利用すれば、入学金や授業料に充てる資金を一時的に確保できます。金利や返済条件をよく比較したうえで、検討することが大切です。
子ども2人の教育費を児童手当だけでまかなうのは現実的ではありませんが、多くの家庭で同じように悩み、さまざまな工夫をしながら備えています。先取り貯蓄や学資保険、資産運用、奨学金、教育ローンといった方法を組み合わせることで、教育費の不安を軽減することが可能です。
大切なのは、早めに計画を立てて、小さな金額からでも対策をすることです。教育は将来への大きな投資ですから、できる範囲で無理なく準備を進めることで、子どもたちの夢を安心して支えることができるはずです。今の生活を大切にしながら、将来に向けて少しずつ備えていきましょう。
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
文部科学省 子供の学習費調査
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 奨学金制度の種類と概要
日本政策金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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