「日本の年金」は悪く言われてるけど、世界的には超優秀!? 海外の“保険料率”はどうなってる?「アメリカ・英国・ドイツ・フランス・スウェーデン」と比較

「日本の年金」は悪く言われてるけど、世界的には超優秀!? 海外の“保険料率”はどうなってる?「アメリカ・英国・ドイツ・フランス・スウェーデン」と比較

4月15日(火) 20:00

日本の年金制度は、その高い保険料率や急速に進行する少子高齢化もあって悲観する人もいるなど、悪く言われることが多いです。しかし、ほかの先進国と比較するとどうなのでしょうか? 本記事では厚生労働省の資料をもとに、日本の年金制度と世界のほかの国(アメリカ、英国、ドイツ、フランス、スウェーデン)の年金制度を比較・紹介・解説します。

年金の制度体系と加入者は?

日本の公的年金は、20歳以上60歳未満の人が加入する国民年金と、会社員や公務員の人が加入する厚生年金の、2階建ての制度となっており、国民年金の被保険者は全居住者となっています。
 
アメリカ、英国、ドイツ、フランス、スウェーデンの5ヶ国の中では、日本と同様の2階建て年金制度はフランスとスウェーデンのみであり、日本以外は無業者も含めた国民皆年金とはなっていません。
 

一番気になる? 年金保険料率と支給開始年齢は?

日本の厚生年金保険料率は18.3%(労使折半)、国民年金の保険料は月額1万7510円(2025年度)です。各国の保険料率は以下の通りです。
 

・アメリカ :12.4%(労使折半)
・英国 :25.8%(本人12.0%、事業主13.8%)
・ドイツ :18.6%(労使折半)
・フランス :17.87%(本人7.30%、事業主10.57%)
・スウェーデン :17.21%(本人7.0%、事業主10.21%)

 
英国の保険料は失業給付などの年金以外の用途にも使用されており、所得に応じて保険料率が異なる場合があります。フランスも所得に応じて保険料率が異なる場合があります。
 
日本は、ドイツと同じような保険料水準です。また、フランスや英国、スウェーデンは労使折半ではなく、事業主のほうが保険料率は高くなっています。日本の年金の支給開始年齢は65歳です(生年月日に応じて65歳前から受給できる特別支給の厚生年金あり)。
 
各国の支給開始年齢はどうなっているのでしょうか?
 

・アメリカ :66歳6ヶ月(2027年までに67歳に引き上げ予定)
・英国: 66歳(2028年までに67歳、2046年までに68歳に引き上げ予定)
・ドイツ :66歳2ヶ月(2029年までに67歳に引き上げ予定)
・フランス :62歳6ヶ月(2030年までに64歳に引き上げ予定)※満額拠出期間(約42~43年)を満たさない場合は67歳
・スウェーデン :63歳以降に本人が選択(2026年までに64歳に引き上げ予定)※無・低年金者向けの保障年金は66歳(2026年までに67歳に引き上げ予定)

 
多くの国で支給開始年齢が65歳以上となっており、さらに引き上げ予定があります。
 
年金の受給権が発生する最低加入期間は、日本、アメリカ、英国が10年で、ドイツが5年、フランスとスウェーデンはなしとなっています。
 

積立方式にしている国はあるの?

今回紹介した国は全て賦課方式を採っており、スウェーデンの割増部分であるプレミアム年金のみ積立方式となっています。
 
積立方式は、年金給付を保険料と積立金からの運用収入により賄う仕組みであり、保険料は実質的な利回りに依存します。賃金や物価の上昇が想定以上だと年金額が不足しますし、インフレなどを考慮した将来の給付額に合わせた保険料となるので、保険料は賦課方式よりも高くなる可能性もあります。
 

まとめ

日本の年金制度と世界の年金制度と比較すると、日本以外の国も賦課方式を導入しており、保険料率に大きな差はありませんが、今回取り上げた国の中で、本人負担率は英国、ドイツに次いで高くなっています。
 
年金制度の優劣を比較するのは難しいですが、支給開始年齢は日本より高い国のほうが多く、日本の年金は無業者を含めた全居住者が年金を受給できるという特徴があります。
 

出典

厚生労働省 海外の年金制度 主要国の年金制度の国際比較
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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