4月14日(月) 21:00
最近では都市部だけでなく、郊外でもコインランドリーが次々とオープンしています。背景にはいくつかの理由があります。
まず、共働き世帯の増加です。忙しくて平日に洗濯物を干す時間がない家庭では、乾燥機が使えるコインランドリーは非常に便利です。また、花粉症対策や黄砂・PM2.5の影響で、外干しを避けたい人も多く、年々需要が増加しています。
さらに、郊外は土地が広く駐車場を確保しやすいため、車で利用できる利便性の高い店舗が作りやすいというメリットがあります。こうした理由から、郊外での出店が加速しているといえるでしょう。
一般的な20坪ほどの店舗であれば、月間売上は60万〜80万円程度といわれています。ただし、これは立地や季節によって変動します。梅雨時や冬は利用者が増えるため、売上が伸びやすくなります。
コインランドリーの収益の多くは乾燥機から生まれます。洗濯よりも回転が早く単価が高いため、乾燥機を多めに設置している店舗も少なくありません。また、無人経営が可能なため、人件費がほとんどかからないという点も利益率を高くするポイントです。
とはいえ、初期投資額は店舗規模や立地条件によって異なりますが、機器購入費や工事費などを含めて2000〜3000万円程度必要になることがあります。この初期費用を数年で回収できるかどうかが、成功の分かれ目となるでしょう。
コインランドリーの経営で気になるのがランニングコストです。主に以下のようなコストがかかります。
・光熱費:月10万〜20万円程度
・賃料(テナントの場合):郊外では月5万〜15万円が目安
・メンテナンス費用や消耗品:月2万〜3万円程度
光熱費の内訳はガス代が10万〜15万円、電気代が4万〜5万円、水道代が1万〜2万円です。特に乾燥機のガス代が大きく、冬季は光熱費が高騰しやすいです。
しかし、近年は省エネ性能に優れた機器も増えており、効率的な運営がしやすくなっています。また、時間帯別電力契約の活用や、ガス会社との交渉でコストを抑えることも可能です。
ランニングコストをきちんと管理できれば、安定した黒字運営も夢ではありません。
郊外でもコインランドリーが増えているのは、ニーズの高まりと運営の手間が少ないという利点があるからです。水道代や電気代などのコストは確かにかかりますが、無人経営による人件費削減や乾燥機による高回転収益で十分にカバーできる場合もあります。
初期投資は大きいものの、土地や建物をすでに保有している人にとっては有利なビジネスモデルです。また、副業として安定収益を狙いたい人や、将来的な資産運用を考える人にもおすすめです。
始める前には、立地の選定やライバル店の調査、詳細な収支シミュレーションを行うことが不可欠です。信頼できる業者や専門家と連携しながら、現実的な経営計画を立てることで、成功の確率はぐっと高まるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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