4月13日(日) 20:10
個人が自分で消費するための買い物であっても、課税対象額が一定以上になると関税が課せられます。海外から日本へ商品を送る場合は、輸入品として日本の税関で審査されるためです。
個人が自分で使用する目的で商品を輸入する場合、関税の計算は以下の式が使われます。
海外小売価格×60%×関税率=関税額
海外小売価格×60%で算出される金額は、課税価格と呼ばれます。関税率は、購入した商品の種類(洋服、靴、バッグなど)や素材によって異なります。
また、一般貨物または郵便小包を利用した場合で、課税価格が20万円以下の場合は、一般の関税率とは別に定められた簡易税率が適用されます。
原則として個人使用目的で輸入される商品の課税価格が1万円以下の場合、関税や消費税が免税(非課税)となります。
今回のケースでは、洋服代2万円×60%=1万2000円だったため関税がかかりました。
図表1の少額輸入貨物に対する簡易税率表で確認すると、衣類および衣類附属品の簡易税率は10%となっています。そのため、1万2000円×10%=1200円の関税がかかるというわけです。
※課税価格×簡易税率の単純計算。実際の関税額は異なる場合があります。また、追加で消費税を徴収される可能性があります。
図表1
・旅行用具、ハンドバッグなどの革製品
・ニット製衣類
・履物
これらの商品には、少額輸入貨物に対する簡易税率表は適用されません。
もし税関で商業輸入(転売目的)と判断されると、個人用の優遇計算(海外小売価格60%×関税率)は適用されません。代わりに、(海外小売価格+送料+保険料)×関税率 という関税計算式が使われます。
つまり、個人輸入よりも税金が高額になる可能性が高いのです。
個人輸入と商業輸入の明確な区分は法令上定められていませんが、税関が判断する際には以下のポイントが考慮されることが多いようです。
・配送先が自宅になっているか?(会社宛てや他人名義だと、転売や営業目的と疑われやすい)
・同じ商品を大量に買っていないか?
これらの点に注意することで、個人輸入が商業輸入と見なされるリスクを減らすことができるでしょう。
個人輸入の関税のポイントをまとめました。
・個人使用でも(海外小売価格×60%)が1万円を超えると関税がかかる
・革製品や靴、ニット製品は1万円以下でも関税がかかる場合がある
・転売目的と判断されると商業輸入扱いになり、関税額が高くなる
「海外のECサイトならお得!」と思って大量に買い込むと、予期していなかった関税を支払うことになる場合があります。個人輸入か、商業輸入かで扱いが変わる点も踏まえ、適切な量や金額を考えながら海外ショッピングを楽しみましょう。
財務省関税局 少額輸入貨物の簡易課税
財務省関税局 輸入統計品目表(実行関税率表)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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