春シーズンも中盤に突入し、ようやく北米の閑散期に終止符が打たれたといっても過言ではないだろう。先週末(4月4日から4月6日)の北米興収ランキングは、昨年11月のサンクスギビング週末以来5ヶ月ぶりに全体の総興収が2億ドルを突破。その立役者となったのは、他でもない『マインクラフト/ザ・ムービー』(4月25日日本公開)だ。
【写真を見る】全世界で愛される“マイクラ”の世界がスクリーンに!メガホンをとったのは、あのカルト的コメディ映画の監督
4263館で公開され、初日から3日間のオープニング興収は1億6275万ドル。これは『バービー』(23)を上回り北米のオープニング興収ランキングで歴代21位となる特大ヒットスタート。打ち立てた記録はそれだけではない。まず非フランチャイズ作品としては『ライオン・キング』(19)と『美女と野獣』(17)のディズニーのメガヒット実写作品に次ぐ歴代3位。
さらに4月公開作品としては、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)と『アベンジャーズ/エンドゲーム』(18)に次ぐ3位であり、ワーナー・ブラザース配給作品としても歴代3位。ゲーム原作の映画としては『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23)を上回る歴代1位。アドベンチャー映画としてもコメディ映画としても歴代1位という、とんでもないオープニング成績を叩きだした。
いまや学習用の教材としても全世界で用いられている世界的人気ゲームを、『ナポレオン・ダイナマイト』(04)や『ナチョ・リブレ 覆面の神様』(06)のようなコメディ作品からアカデミー賞短編アニメ賞の候補にもなった『Ninety-Five Senses』(23)のようなアニメーションまで手掛けるジャレッド・ヘス監督が実写映画化した本作。
「アクアマン」で知られるジェイソン・モモアをはじめとした4人の登場人物が、あらゆるものが“四角い”マインクラフトの世界へと転送され、ジャック・ブラック演じる先住転送民のスティーブと出会い大冒険を繰り広げていく。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価の割合は46%と低めではあるが、観客からのそれは88%。ブロックバスター映画であることを考えれば、なんら問題のない数字といえよう。
とりわけ注目すべきは、スティーブ役のジャック・ブラックだ。近年も「ジュマンジ」シリーズが大成功を収めているように、主演でも助演でも声優でも、ハリウッドのコメディ作品には欠かせない存在となっているブラック。本作の成功によって、メインロールを務めた作品の通算興収(北米限定)は30億ドル突破が目前。これは現役俳優では第30位であり、上位のうち19人がMCU作品の出演俳優なので、それらを除けば第11位となる。
これで同ランキングにおいてアダム・サンドラーやベン・スティラー、ウィル・フェレルを上回り、現50歳代のコメディスターのトップに立ったブラックは、あのジム・キャリー(キャリア通算興収31億5000万ドル)をも完全に射程圏内に収めている。また、『マインクラフト/ザ・ムービー』が全世界であと2億ドル弱を稼ぎだせば、カメオ出演まで含めた全出演作の全世界通算興収が100億ドルの大台に到達する。いまの勢いからして、それはもう確実ではないだろうか。
すでに4月10日の木曜日の段階で北米累計興収は2億ドルを突破し、2025年公開作のナンバーワンに躍りでた『マインクラフト/ザ・ムービー』。全世界興収もすでに3億5000万ドルを突破。ここからどこまで数字を伸ばしていけるのか、大いに注目しておきたい一本だ。
文/久保田 和馬
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