女優の髙石あかりが12日、初主演映画『ゴーストキラー』(11日より全国公開中)の公開記念舞台挨拶に登壇した。新宿バルト9で開催されたこのイベントには、共演の黒羽麻璃央、井上想良、東野絢香、三元雅芸、園村健介監督も参加し、満員の観客と時間を共有した。
『ゴーストキラー』は、殺し屋の霊・工藤に憑りつかれた女子大生・ふみかが、その戦闘能力を借りて戦うアクション映画だ。ハリウッドでのリメイクが決定し、公開前から世界的な注目を集めている。髙石さんはふみかと工藤の二役を演じ分け、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズで磨いたアクションスキルをさらに進化させた。ドラマ『御上先生』(2025年/TBS)、『アポロの歌』(2025年/MBS)に出演し、2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』でヒロインを務めることが決定している髙石さんにとって、本作は女優としての飛躍を刻む一作となった。
舞台挨拶で髙石さんは、「本当に多くの挑戦や壁を与えてくれた作品でした。乗り越えられたかどうかはみなさんの評価にかかっていますが、私にとって激動の毎日でした。この経験は今後の俳優人生でとても大切になると思います」と語った。彼女の声には、プレッシャーと向き合った日々の重みと、それを乗り越えた達成感が込められていた。
髙石さんの撮影中のエピソードで特に印象的だったのは、バーでのアクションシーンだ。「頭がパンクして動けなくなった。休憩中も涙が止まらなくなって。悔しいとかじゃなく、自分の限界だったんだと思います」と振り返った彼女だが、その先をこう続けた。「でも、この座組が一歩前に進ませてくれた。みなさんがいたから乗り越えられた」と。共演者やスタッフとの絆が、彼女を限界の先へと導いたのだ。このシーンは、髙石さんが「ぜひ注目してほしい」と語るほどの力作で、彼女のアクションと感情が融合した瞬間がスクリーンに刻まれている。
園村監督は髙石さんについて、「17歳の頃から一緒に仕事をしてきたが、最初から大人っぽく、面白いお芝居をする女優」と絶賛。髙石さんは照れ笑いを浮かべながら、「10代の頃から園村さんが私のアクションのベースを作ってくれた。こんな贅沢な環境で続けられるのは本当に幸せ」と応じた。彼女のアクションの礎は、園村監督との長年の信頼関係にある。「私の動きは園村さんから始まったと言ってもいい」と語る髙石さんの言葉に、監督も「彼女でなければこの映画は成立しなかった」と頷いた。
共演者たちも、髙石さんの存在感を称えた。三元雅芸さんは、自身のアクションシーンの怪我のエピソードを明かした際、「髙石さんが近くで気づかず応援してくれて、その純粋さが現場を明るくした」と笑顔で語った。三元さんは予告編のシーンでリハーサル中にあばら骨を折りながら撮影を続けたといい、髙石さんは「そんな状態で演じていたなんて知らなくて、衝撃だった」と驚きを隠さなかった。「終わった後に聞いて、信じられなかった。近くにいたのに気づかなかった自分が悔しくて。でも、三元さんの演技に一切それを感じさせなかったのがすごい」と語る彼女の言葉には、共演者へのリスペクトが溢れていた。
作品にちなみ、「どんな幽霊に憑りつかれたい?」という質問では、髙石さんが「おばあちゃんの幽霊なら、いつも体を気遣ってくれそう」とほっこりした回答で会場を和ませた。ほかのキャストが「頭のいい博士」(東野)や「台本の読み合わせに付き合う幽霊」(井上)とユニークなアイデアを出す中、髙石さんは「でも、博士もいいかも!カンニングできそう」と東野さんの案に便乗し、笑いを広げた。彼女の自然体な反応に、キャスト陣も「結局、甘やかしてくれる人がいいよね」と突っ込み、和気あいあいとした空気が生まれた。
イベントの最後、髙石さんは、ハッシュタグ「#ふみか塩かけちゃえ」を紹介し、「お客様と一緒に決めたこのハッシュタグ、個人的にドハマりでした!」と笑顔で語った。「作品を見て何か感じたら、#ゴーストキラーと一緒に投稿してほしい」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
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