『Page30』初日舞台挨拶より
4月12日(土) 3:40
4月11日に映画『Page30』の公開初日舞台挨拶が行われ、堤幸彦監督、中村正人(DREAMS COME TRUE)、唐田えりか、林田麻里、広山詞葉、MAAKIIIが登壇した。
本作は、原案・監督を映画『20世紀少年』『ファーストラヴ』などで知られる堤幸彦が務め、エグゼクティブプロデューサーと音楽を中村正人、同じく音楽を世界的ジャズピアニストの上原ひろみが担当するほか、劇団マカリスター・主宰の井上テテ、劇中に登場する演劇台本を、劇団「□字ック」主宰の山田佳奈が手掛けるなど、各界のクリエイター陣が集結。また「メイン上映館」となる、“超異例” のプロジェクトとして完成したばかりの「渋谷 ドリカム シアター supportedby Page30」のこけら落とし公演にもなっている。
完成したばかりの「渋谷 ドリカム シアター」に初めて観客が迎え入れられ、人工芝の敷き詰められたシアター内で『Page30』の上映がスタート。そして上映が終了すると、シアターテントの外にまで響く大きな熱い拍手が巻き起こった。そんな熱気冷めやらぬまま、ステージに堤幸彦監督、中村正人エグゼクティブプロデューサー、クワトロ主演の唐田えりか、林田麻里、広山詞葉、MAAKIIIが登壇。中村は登場するなり芝生を埋めつくした観客たちに「3万人もいる!」と驚愕。数々のライブ会場にも劣らない観客たちの熱気に感無量だった。
初めて完成した作品を観た感想を聞かれると唐田は「現場にいたときに自分はチームでいい芝居ができているなというのを常々感じていたので、そのエネルギーがちゃんと映画に映っていて、体感型の映画になったなと思いました。自分でも『これは面白いぞ!』と思えてよかったです」と自信を見せた。林田は「上原ひろみさんのピアノが鳴ったと思ったらあっという間に誘われましたね。自分たちが出ているんですけど、そんなことは忘れていて、ラストの自分のシーンでびっくりしました。でも直前に真っ青になりながら台本を覚えて震えながらやったシーンが残っていました」と実際のヒリヒリ感が映りこんでいたことを明かした。
広山は「3回観たんですけど、毎回号泣してしまうんです。こんな作品ってなかなか出会えないので、とてつもない魔力を持った作品だと思います。人生をかけて挑んでいる姿って、人の心を揺さぶるのかなと思います」と感動。MAAKIIIは「初めての堤組、初めての主演で、初めてこんなに演技というものに触れさせていただくことになって不安しかなかったんですけど、樹利亜の衣装が緑のジャージで“沖縄で高校時代のジャージを着ている”という設定を聞いたときに、かなり殻をぶち破れました」と、監督に感謝する一方で「まだ自分が演技している姿を見慣れなくて、胸焼けするんですよ(笑)。皆さん大丈夫でしたか?」と観客に呼びかけると、記念すべき初主演を見届けた観客たちからは大きな握手で答えられていた。
撮影で大変だったことを聞かれると林田が「たくさんありすぎてそれだけでトークする会を作りたいくらい」と即答。ほかの3人もすぐに同意するほど大変だったことが伝わる本作だが、いち早くセリフを覚えるという琴李役を演じた唐田は「見たことないくらい分厚い台本で、撮影スピードも速かったので、初めて母に手伝ってもらいました」とその大変さを回想した。セリフ量については主演の4人全員が苦戦していたが、MAAKIIIは「円形劇場に閉じ込められて、もう逃げなかったのが偉かったなと思いました!(笑)」とまさかの自賛。
そんな女優陣からの声に、堤監督は「この作品は今まで見たことのないものを作りたいなあという気持ちでスタートしました。日頃、役者さんたちとのやり取りをしていると、やはり皆さんタダモノではないんですよ。でもそれは俳優に限ったものではなくてどんな方でも持ち合わせているものです。この2点を強力に打ち出せる映画を作りたいと思ったんです」と語り、映画の完成度にも納得の表情を見せた。
作中では世界的ジャズピアニスト・上原ひろみによるジャズピアノが印象的に鳴り響くが、上原とともに音楽を担当した中村は「堤監督からは最初の時点で『アドリブのジャズピアノソロでいきたい』とオファーをいただきまして、吉田美和の親友の上原ひろみさんに相談したんです。そしたらすぐに『私がやるよ』と言ってくれて、すごく焦りました(笑)。堤監督と豪華な女優陣に加えて上原さんと非常に気が重くなったんですが、見事に5人目の女優になってくれました。映像を見ながら完全にアドリブで一発で録りました。素晴らしい音楽をいただきました」と感謝しつつ、しっかりと本日から発売されるサウンドトラックも宣伝していた。
昨日、オープニングセレモニーを開催したばかりの「渋谷 ドリカム シアター」でやりたいことを聞かれると、唐田は「真ん中に焼肉を置いて、焼肉上映会とかふつうはできないことをやってみたい」と提案。林田も「みんなで『Page30ごっこ』をやりたいですね。セリフを間違えたら一発アウトで」と、まさに渋谷 ドリカム シアターならではのイベントを希望すると、広山は「『Page30』で素敵な衣装をたくさん作ってもらったので衣装展をやりたいですね!」と持ちかけると、中村は早速「やりましょう!」と採用していた。一方で、MAAKIIIが「猫カフェとか手乗り豚とか、カワウソとかを集めて……」と語り始めると「せっかく芝生を敷いているのに……」と、総支配人の中村の顔がやや暗くなる場面も。
そんな中村は「もうここで『Page30』を上映したいという夢はかなったので、皆さんに自由に使ってもらいたいです!」と、新たな夢を明かし、堤監督が「映画を作っても上映する場所がないという方に開放して“自腹映画祭”をやりたいですね」と語ると中村も「決済です!」と意気投合していた。
音響にもこだわったテントシアターには、ニューヨークで買ったという中村の個人スタジオから持ち込んだ吸音材も配置されており、中村は「このシアターに置いている間はレコーディングができなくなる」と、まさかの問題を明かしつつも「まあいいでしょう」と笑顔だった。
最後に堤監督は「たくさんのチームの協力を得て、とても志の高い映画になりました。この地べたに座って映画を観るというのは崇高な体験だと思っていて、『page30』とともに全国にどんどん広がっていくといいなと思います」と独自のユーモアを交えながらも挨拶。フォトセッションでは、観客たちと一緒に実際に芝の上でくつろいだ姿も披露するなど、イベントは終始和やかに終了した。
<作品情報>
『Page30』
公開中
公式サイト:
https://page30-film.jp/
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