4月9日(水) 0:10
一般社団法人日本自動車工業会の資料によると、近距離の運転は燃費が悪くなる可能性があるようです。これは「エンジンが冷たい状態で始動すると、エンジンの回転数が高くなり、より燃料を消費しやすくなる」といったことが理由だとされています。
ただし、エンジンをあたためた方がよいからといってアイドリングで温まるまで待つと、かえって燃料消費が大きくなってしまい、燃費が悪くなる可能性があります。
また、自動車メーカーのメンテナンスノートに書かれている「シビアコンディション」にも「近距離の繰り返し走行が多い」が含まれているようです。
シビアコンディションとは、車にとって厳しい使用状況のこと指すといわれています。それによると、部品やエンジンオイルなどの劣化が早まるおそれがあり、通常よりも早めの点検や部品交換を推奨しているようです。
なお、近距離の目安は8キロメートル以内の走行とされており、燃費だけではなく車や部品の消耗にも影響が出る可能性があります。
燃費が悪くなると、どれくらい燃料代に影響が出るのでしょうか。
燃料はレギュラーガソリンで、1リットルあたりの価格は184.1円(2025年3月5日現在)とします。また、燃費が1リットルあたり10キロメートルと8キロメートルのケースで、100キロメートル走行した場合の燃料代で比較します。
表1
燃費 | 燃料使用量 | 燃料代 |
---|---|---|
10キロメートル | 10リットル | 1841円 |
8キロメートル | 12.5リットル | 2301.25円 |
※筆者作成
1リットルあたりの燃費が2キロメートル悪くなると、100キロメートル走行した場合のガソリン使用量が2.5リットル余分に必要となる可能性があります。そのため、燃料代が460円ほど高くなる場合があります。
総走行距離が増えるほど燃料代の金額差が大きくなるため、燃費の悪さが大きな出費につながる可能性もあるでしょう。
普段から近距離運転が多い場合、自家用車ではなく公共交通機関を利用するとよいかもしれません。しかし、簡単に移動手段を変更するわけにはいかないケースもあります。
そのようなケースでは、空いた道(高速道路など)を10キロメートル走行する方法を試すとよいでしょう。
10キロメートル以上を連続で運転することで、エンジンが温まり燃費悪化の原因を解消できる可能性があります。定期的に10キロメートル以上走行することで、燃費に好影響を及ぼすこともあるでしょう。
車の走行距離は燃費性能に大きく関係しており、近距離走行を繰り返すと燃費が悪くなる可能性があります。さらに、自動車メーカーが推奨するシビアコンディションにも含まれており、車や部品にも影響が出るかもしれません。
普段から近距離運転が多い場合は、高速道路などを利用して10キロメートル連続で運転する方法がよいでしょう。エンジンが温まり、燃費の悪化やシビアコンディションの解消につながる可能性があります。
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経済産業省 資源エネルギー庁石油製品価格調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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