4月7日(月) 14:30
道路運送車両の保安基準第22条の4には、「自動車の座席のうち運転者席及びこれと並列の座席には、頭部後傾抑止装置を備えなければならない」と記載されています。ヘッドレストは頭部後傾抑止装置で、運転席と助手席への装着が義務付けられていることが分かります。
ヘッドレストを外して走行した場合の違反点数や反則金は定められていません。警察に捕まった場合は、道路運送車両の保安基準第22条の4に違反したとして、何らかの行政処分や罰則が科されると考えられます。
ヘッドレストを外した車は不正改造車とみなされて車検に通らなかったり、事故の際に保険が下りなかったりするリスクもあるでしょう。
例えば万一のアクシデントに備えて任意保険に加入していても、整備不良車とみなされて治療費などがすべて自己負担になってしまう可能性があります。保険会社の約款を確認しておくとよいでしょう。
ヘッドレストの英語表記は「Head Rest(休息)」ではなく「Head Restraint(拘束)」です。頭を休める枕のようなものではなく、事故の際に頭を保護する装置であると理解できます。
道路運送車両の保安基準第22条の4第2項によると、ヘッドレストは「他の自動車の追突等による衝撃を受けた場合において、乗車人員の頭部の過度の後傾を有効に抑止」できるものでなければなりません。
ヘッドレストは、追突事故にあった際に頭部への衝撃を軽減し、むち打ち症になることを防止する役目があります。そのため走行時に必ず装着していること、および使用目的が十分に達成されるような使い方をしなければなりません。
追突事故では、後部座席に座っている人が前方へ投げ出されることも考えられます。シートベルトを付けていなくて前席の人に直撃するなど、二次災害につながる可能性もあるでしょう。ヘッドレストがあればストッパーとなり、前席にのめり込む事態を避けられます。
国土交通省によると、ヘッドレストの安全基準は年々強化されているようです。「令和5年度 第3回車両安全対策検討会」では、国連の「シート及びシートアンカーに係る協定規則(UN-R17)」の改正案が、令和5年11月の国連自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)において合意されたことで、国内基準の改正を行うとのことです。
また後部座席などヘッドレストの装備が任意の座席でも、前向き座席に備える場合には、前向き座席に装着するヘッドレストと同等の要件に適合したものであることなどを新たに規定するようです。今後改正および適用が行われ、ヘッドレストに関する要件が強化されることが考えられます。
現状でも、ヘッドレストに関する要件を満たさないことで、車検に通らない場合もあるようです。安易に取り外したり、ヘッドレストモニターをカスタムで取り付けたりすると、違反になる可能性があります。
ヘッドレストは「頭部後傾抑止装置」で、道路運送車両の保安基準第22条の4によると、運転席と助手席への装着が義務付けられています。
違反した際の違反点数や反則金は定められていませんが、警察に見つかると、保安基準に適合していない車として罰せられる可能性があるでしょう。また不正改造車とみなされて車検に通らなかったり、事故の際に保険が下りなかったりするリスクも考えられます。
ヘッドレストを外して走行すると、追突された際にむち打ち症になったり、後部座席の人が前方へ投げ出されて二次災害につながったりする可能性があります。
ヘッドレストは頭を休めたり、乗り心地をよくしたりするものではなく、頭部の安全装置です。「髪型が崩れるのが嫌だから」「邪魔だから」などの理由で、安易に取り外さないようにしましょう。
e-Govポータル法令検索 道路運送車両の保安基準(昭和二十六年運輸省令第六十七号) 第二章 自動車の保安基準 第二十二条の四(頭部後傾抑止装置等)
国土交通省 令和5年度 第3回車両安全対策検討会 ヘッドレストの要件強化について(UN-R17関係)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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