旅行中にパーキングエリアに立ち寄り→うっかり隣の車に「ドアパンチ」!「自家用車」と「社用車」では修理費用の負担は変わるでしょうか?謝罪と弁償をしたいですが、相場がわかりません……。

旅行中にパーキングエリアに立ち寄り→うっかり隣の車に「ドアパンチ」!「自家用車」と「社用車」では修理費用の負担は変わるでしょうか?謝罪と弁償をしたいですが、相場がわかりません……。

4月7日(月) 0:20

パーキングエリアで、隣の車にうっかりドアをぶつけてしまう「ドアパンチ」事故を、実際に経験したことがあるという方もいるかもしれません。駐車車両へのドアパンチ事故の場合、加害者が修理費用の全額を負担するケースが多いようです。 そこで本記事では、ドアパンチ事故における修理費用の相場と、相手が社用車だった場合の影響について解説します。

ドアパンチ事故とは?

「ドアパンチ」とは、駐車場で車のドアを開ける際に、隣の車にぶつけてしまう事故を指すとされています。ちょっとした不注意で誰にでも起こり得るもので、特に駐車スペースの狭い場所では注意が必要です。
 
ドアパンチ事故では、基本的にドアを開けた側の過失が100%とされ、修理費用の全額負担が一般的とされているようです。
 

ドアパンチの修理費用相場

ドアパンチによる損傷の程度によって、修理費用は異なります。費用相場は表1の通りです。
 
表1

損傷程度 修理対応 費用相場
小さなへこみ・傷 板金塗装 数千円~10万円程度
大きなへこみ・塗装はがれ ドア交換 15万円~30万円程度

※筆者作成
 
修理の手順自体は自家用車でも社用車でも変わらず、社用車を理由とした金額の差はないと考えられます。
 

社用車事故の責任の所在

社用車で事故を起こした場合、従業員は事故に対する刑事・行政・民事における責任が生じるといわれています。刑事上であれば罰金の支払いや懲役、行政上では、違反点数の加算、点数に応じて免許停止や免許取り消しとなります。
 
民事上では、民法709条に「不法行為による損害賠償」が定められており、故意や過失で他人に損害を与えた場合、賠償責任を負うことになると考えられます。
 
会社は従業員が事業の執行にあたる状況で事故を起こした場合、「使用者責任」と「運行供用者責任」を問われる可能性があります。
 
このように、社用車を運転していたものが事故を起こした場合は、事故を起こした従業員と会社の両方に責任が生じるとされているのです。
 
事故の加害者ではなく、ドアパンチ事故のような物損事故に巻き込まれ被害者となった場合でも、会社への報告は必須だと考えられます。
 

相手が社用車の場合、修理費用の負担は変わるのか?

社用車は業務で使用するため、修理に時間がかかると営業に支障が出る場合があります。その結果、修理費用に加えて「営業損害」や「休業補償」が次のような判例から、請求される可能性が考えられます。
 
とある事例では、タクシー車両が事故で損傷し、修理期間中の休車損害を請求する内容で争われました。結果としては、タクシー会社が遊休車(事故車両の代わりに使用できる予備の車)を保有しておらず、代替車両での営業ができなかったため、休車損害が認められた判決でした。
 
ドアパンチでも、この交通事故の裁判例のように、遊休車があるかどうかで損害賠償の可否が変わるため、相手が社用車だった場合は慎重に対応する必要があると考えられます。
 

社用車との事故でも修理費用は変わらないが営業損害の請求リスクはある

ドアパンチ事故における修理費用の負担は、相手が自家用車でも社用車でも、基本的に変わらないと考えられます。ただし、社用車の場合は営業損害が発生する可能性があり、追加の費用を請求されるリスクがあります。
 
狭いスペースの駐車場での駐車時には、ドアを開けるときの勢いや強い風が吹いていないかに気を付けましょう。ドアパンチはドアを開けるときに隣の車との距離や風の強さに気を配ることで防げる可能性のある事故です。慎重な行動で、不要なトラブルを避けることが大切だといえるでしょう。
 

出典

e-Gov 法令検索民法(明治二十九年法律第八十九号) 第七百九条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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