中学校2年生から高校1年生までのはっきりした記憶がないと語ったのは、書評ライターや連句人として俳句や文芸情報をX(旧Twitter)で発信している高松霞さん(@kasumi_tkmt)。
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家族の不幸に無意識に追い詰められていた日々と、それにより発覚した躁うつ病との日々を綴り、その心情にぴったりな俳句とともにコミカライズ。
作画は、自らのことを「霊感のようなものがある人間」と紹介する漫画家・桜田洋さん@sakurada_youが担当。その柔らかで心に染み入る絵のタッチと、鮮やかな色づかいが魅力。
今回は、躁うつ病の「混合状態」と呼ばれる症状をボクシングにたとえて描く。何度もリングに立って戦おうとするが、手を繰り出せど繰り出せど、敵に届かない…。そんな心情に寄り添う俳句とともにお送りする。
双極症患者の脳が、体が、どれだけめんどくさいかが書きたかったと話す高松さん。
双極症患者の状態は、平常時を除いて主に3つに分けられて、「躁状態」「うつ状態」だけではなく「混合状態」まである。高松さんによると、「混合状態」が一番しんどい負け試合であり、「やってられないよ!」と大声で叫びたくなるのだそうだ。
今回はその「混合状態」をボクシングにたとえてマンガに仕上げてもらった。
マンガでは「病」と書かれた頭を持つ敵とのボクシングが描かれる。「病」と戦う選手、セコンド、ラウンドガール、ゴングを鳴らす人、すべてが高松さんを模した人になっているのに、それでも敵にパンチが当たらないという無力感が絶望的だ。
例になっているボクシングのイメージについて聞いてみると「私はボクシングではなく合気道をやっているんです」と話してくれた。
師匠に稽古を付けてもらっている時に「パンチが当たらない」「畳に打ち付けられて身体中が痛い」「動けないけど動く」体験は何度もしており、その経験が躁うつ病の症状に近いと感じていたそう。
「でも合気道だと伝わらないだろうなあ、と思って、ボクシングにしました」と教えてくれた。
高松さんは、1つ目の俳句「超巨大落椿にて圧死せむ」を選んだ理由について「候補の中から一番パンチが強いものを選んだ」と話してくれた。
「うつの時って、まさに『圧死』なんですよ。本当に動けないし、呼吸ができない。それが超巨大落椿によるものなのだとしたら、悪くなさそうだなって思いますね、一瞬だけ」
第6話では、躁うつ病の症状の中でも最も危険だとされる「混合状態」をボクシングにたとえて描いてもらった。「椿」という綺麗な花が、超巨大で、しかも落ちてきてそれで圧死する、という幻想的な俳句が印象的だった。
人とは異なる視点で眺めた世界と、じわっと心に染み入る俳句が織りなす情景を、じっくり味わってみてほしい。
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