4月4日(金) 18:10
アパート経営を始めるために、まず必要なものといえば初期投資です。土地の購入費用や建設費用、そして諸経費などが含まれます。これらの費用は、アパートの規模や立地条件によって大きく変動します。
例えば、小規模なアパート(5~10室程度)を建設する場合、一般的には土地代と建設費を合わせて5000万円以上の費用がかかるとされています。ただし、都市部になれば同規模のアパートであってもより高額になる可能性もあるでしょう。
アパート経営による年収は、規模や立地、家賃設定、空室率など多くの要因によって変動すると考えられます。以下は、国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査報告書」内で示された、借家から借家へ住み替える世帯の家賃の平均額7万4101円を基に計算した目安です。
●小規模アパート(5~10室):年間家賃収入が約445万~890万円
●中規模アパート(11~30室):年間家賃収入が約980万~2670万円
●大規模アパート(31室以上):年間家賃収入が約2750万円以上
ただし、これらはあくまで家賃収入としての目安であり、実際に手元に残る収益は、物件の条件や経費の使用状況によって大きく異なります。また、空室率や維持費用も収益に影響を与える重要な要素になるので、注意が必要です。
アパート経営を軌道に乗せるためには、家賃収入の拡大だけでなく、下記のような費用やリスクも考慮しなくてはなりません。
建物は年数がたつほど劣化していく傾向があるため、修繕やリフォームが必要になると考えられます。例えば、外壁塗装や屋根の修理、設備の交換などの費用が挙げられます。
不動産を所有している限り、固定資産税・都市計画税は毎年発生します。固定資産税額は、自身が所有している土地や家屋に各自治体が設定した課税標準額の1.4%、都市計画税額は0.3%が一般的とされています。
入居者の募集や建物の維持管理を管理会社に委託する場合、その費用が発生すると考えられます。管理費は家賃収入の5%程度が相場のようです。
アパートの購入や建築のためにローンを利用した場合、毎月の返済額も計算に入れる必要があります。
空室が続くと家賃収入が減少し、経営が難しくなる可能性があります。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会日管協総合研究所の調査によると、全国の賃貸住宅の入居率は95.8%です。
維持費や空室リスクを考慮せずに経営を進めてしまうと、想定よりも収益が得られずに維持が困難になってしまう可能性があります。
アパート経営は、その規模や立地によって長期的な収益を期待できるビジネスですが、修繕費などの経費もかかるため、リスクも伴います。成功させるためには、初期投資額や維持費を正しく把握し、リスクを管理していくことが大切だと考えられます。この記事で紹介したデータを参考にしながら、慎重にアパート経営を進めましょう。
国土交通省令和5年度住宅市場動向調査報告書
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会日管協総合研究所第28回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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