4月3日(木) 17:20
ごはんとパンのどちらが節約効果は高いかは、それぞれの種類や物価によるため、一概にはいえません。ここからはごはんとパンの価格推移と、1食分の費用を見てみましょう。
ごはんとパンの価格の目安として、総務省の「小売物価統計調査(動向編)」から、4品目の小売価格を確認してみましょう。図表1は、東京23区を対象にした総務省の統計データをまとめたものです。
図表1
次に、1食当たりのごはんの価格を54円として1ヶ月分を計算してみましょう。1日3食で162円、1ヶ月を30日で計算すると4860円です。
一方、1食当たりのパンを31円とした場合は、1日で93円、1ヶ月では2790円です。1ヶ月の費用をごはんとパンで比較した場合、パンのほうが2070円程度安くなります。
ごはんとパンの価格は時期によって異なります。2023年に株式会社三菱総合研究所が行ったごはんとパンの価格調査では、両者の価格はほぼ同じでした。
また、各統計調査を基にした同研究所の計算では、ごはん1食分(150グラム)は約30円、パン1食分(60グラム)は28円でした。食品価格は物価に左右されるため、普段から価格動向を気にしておくことが大切です。
ごはんとパンの価格差は変動しますが、消費量も変化しているのでしょうか。
ある企業が行った食品価格の調査では、2024年6月の米の価格は前年比110%を超えていましたが、購入数量は前年比以上に伸びていました。また、2022年に小麦の価格が高騰した際には、主食をパンからごはんに変えた消費者が増えたことが、炊飯器メーカーによって報告されています。
なお、総務省の統計では、2013年から2021年にかけて米の購入量がパンの購入量を大きく上回っていることがほとんどです。時期を問わず、全体的にごはんを好む人が多くいるようです。
ごはんとパンのどちらを選ぶべきか迷ったときは、栄養価や保存性を考慮することで判断しやすくなるでしょう。ここからは、ごはんとパンの栄養価と保存性について解説します。
ごはんよりもパンのほうが栄養価は高い傾向にあります。表2は、文部科学省の食品成分データベースを基に、白米と食パンの栄養価を比較したものです。
図表2
成分名(100グラム) | 白米(水稲/精白うるち米) | 食パン(小麦/角型) |
---|---|---|
エネルギー(キロカロリー) | 156 | 248 |
アミノ酸たんぱく質(グラム) | 2.0 | 7.4 |
たんぱく質(グラム) | 2.5 | 8.9 |
脂質(グラム) | 0.5 | 4.1 |
炭水化物(グラム) | 108.8 | 46.4 |
出典:文部科学省「食品成分データベース」を基に筆者作成
白米と食パンでは、100グラム当たりのカロリーと栄養成分が異なります。食パンはカロリーとたんぱく質が高く、エネルギーを多く必要とする人に適しているでしょう。一方の白米は炭水化物が多く脂質が少ないため、低カロリーでダイエットを目指す人に向いています。
ごはんとパンは、いずれも冷凍保存することで一定以上の風味を保てます。ごはんの冷凍保存の目安は1ヶ月程度で、パンの冷凍保存は2週間程度です。ごはんのほうが保存性に優れており、まとめて冷凍しておきたい方に適しています。
ごはんとパンの価格は時期によって変動するため、どちらが節約できるかは一概にはいえません。普段から米や食パンの価格動向をチェックしておけば、節約につながります。迷ったときには栄養価や保存性も考慮して、ライフスタイルに合う主食を選びましょう。
総務省
小売物価統計調査 小売物価統計調査(動向編)
家庭における1世帯当たりの米、パン、めん類の購入量の推移
株式会社三菱総合研究所 「ごはん」と「パン」どっちが高い? 食料安全保障と農業のキホンの「キ」(1)
文部科学省 食品成分データベース
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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