4月3日(木) 19:00
まずは、BBQの煙が入ってきて迷惑をしている旨を隣人に伝えるために、直接話し合いをしてみましょう。
しかし、一般家庭の庭でのBBQは法律で禁止されていることではありません。また、話し合いがこじれると関係性が悪くなってしまったり、さらなるトラブルを生んだりするおそれもあるため、十分注意が必要です。
トラブルを避けるためには「今後はBBQをやめてほしい」という言い方ではなく、「何か対策をしてもらえないか」と相談するような言い方をしてみることをおすすめします。
例えば、外に干している洗濯物に煙のにおいがつくことを避けたいのであれば、事前にBBQの開始時間と終了時間を知らせてもらい、その時間帯は外に干さないようにする方法もあるでしょう。
また、煙が出ないグリルやコンロを使用してもらえるようお願いしてみるのもよいかもしれません。
直接話し合っても改善されない場合や、直接話し合うことが難しい場合などは、第三者に間に入ってもらう方法を検討しましょう。
政府広報オンラインによると、民事上の紛争を、公正中立な第三者が間に入ることで、裁判ではなく話し合いを通じて解決を図る手続きのことを、「裁判外紛争解決手続(ADR)」といいます。
公正な立場である第三者が関与することで、裁判によらずに問題の解決を図ることがおもな目的です。ADRは裁判所が行うほか、民間事業者が実施するものもあります。例えば、ある弁護士会が実施するADRを利用する場合、かかる費用は以下の通りです。
・申立手数料:1万1000円(税込み)
・期日手数料:申立人 5500円(税込み)、相手方 5500円(税込み)
成立手数料は解決額によって異なるため、早見表を表1にまとめました。
表1
解決額 | 成立手数料(税込み) |
---|---|
10万円 | 8800円 |
20万円 | 1万7600円 |
30万円 | 2万6400円 |
50万円 | 4万4000円 |
※筆者作成
相談内容によっては、鑑定料や出張交通費・日当などが別途必要となる場合もあります。
第三者に間に入ってもらって話し合いをしても改善されない場合は、裁判所に訴えを提起することを検討した方がよいかもしれません。裁判ではにおいの程度や基準を遵守しているか、当事者間での交渉は行われているかなどの事情を考慮して判断されるようです。
今回の事例と似た過去の弁護士への法律相談では、「苦情を述べたにもかかわらず相手方が一切対応しなかったという事情がなく、BBQの回数もたまに行われるだけなので、違法性が認められる可能性は低い」という回答が出ています。
しかし、今回の事例では、毎週末BBQが行われているということです。さらに、ADRを利用した話し合いをしているにもかかわらず改善されていないのであれば、違法性が認められる可能性があるかもしれません。
毎週末のように隣家の庭でBBQが行われ、煙で迷惑しているという場合は、隣人と直接話し合いをして対策を講じてもらうようお願いしてみるとよいでしょう。
話し合うことが難しい場合や、話し合っても改善されない場合は、裁判外紛争解決手続(ADR)を利用して第三者に間に入ってもらうか、裁判を起こすことも検討した方がよいかもしれません。
状況によっては違法性が認められ、問題が解決する可能性があるでしょう。
政府広報オンライン 法的トラブル解決には、「ADR(裁判外紛争解決手続)」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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