認知症予防に歌いたい「カラオケ」春の歌ベスト5“歌い方”にもポイントが!

(写真:Fast&Slow/PIXTA)

認知症予防に歌いたい「カラオケ」春の歌ベスト5“歌い方”にもポイントが!

4月3日(木) 2:00

桜のつぼみもどんどん膨らみを増し、いよいよ春到来。

すがすがしい春の空気を胸いっぱいに吸い込みたいところだが……。

「猫背だけでなく、スマホの使いすぎによるストレートネック、さらにはマスク習慣によって正しい呼吸ができていない人が増えています。じつは、呼吸と認知症には深い関わりがあるのです」

と言うのは『医師が教える元気脳の作り方』(自由国民社)の著者で脳神経内科医の米山公啓先生だ。

そもそも、正しい呼吸とはどのようなものなのだろうか?

「呼吸は、肺そのものが膨らんだりしぼんだりするのではありません。肺が収まっている胸郭を取り巻いている『肋間筋』や『横隔膜』と呼ばれる“呼吸筋”が動くことで、胸郭が拡張や収縮を繰り返して息を吸ったり吐いたりします。

深い呼吸をすることで肋間筋や横隔膜以外の呼吸筋のなかでもサポート役といえる『内肋間筋』や『腹直筋』などの筋肉が動き出します。

これら呼吸筋全体を動かして行うのが正しい呼吸です」(米山先生、以下同)

姿勢が悪いことで、空気の通り道である気道が塞がり、慢性的に浅い呼吸に。

呼吸筋も一部しか動かずに酸素が十分に取り込めないため、“酸欠状態”を招くことになる。

■脳を活性化するには呼吸筋を鍛える必要が

脳の酸素消費量は全身の約5分の1を占める。

浅い呼吸では脳に酸素が十分に行き届かなくなり、認知機能が低下する一因にもなるのだという。

「浅い呼吸やマスクをつけているとき、酸素を多く取り入れようと、鼻呼吸ではなく口呼吸をしている人が多くいます。

口呼吸が習慣になった結果、香りの刺激が少なくなり、嗅覚の働きが鈍ります。

匂いの刺激によって脳を活性化するという研究が行われ、口呼吸で嗅覚が衰え認知症のリスクが高くなるという研究論文もあります。

昔の記憶を呼び起こす作用が強い嗅覚は、ほかの感覚とは異なり、脳のなかでも記憶に関係する『海馬』にダイレクトに、かつ大きな刺激を与えます。

嗅覚と脳を活性化するには、呼吸筋を鍛えておく必要があるのです」

呼吸筋も筋肉であるため、年を重ねることで衰えていく……。呼吸筋を鍛えるためには、どうすればいいのだろうか?

「呼吸筋を鍛えるには、歌うことが有効な手段です。

口やのどにも呼吸筋のサポート役である筋肉が張り巡らされています。

また、大きな声で気持ちよく歌うときにはおなかから声を出す腹式呼吸が不可欠ですが、この呼吸法により呼吸筋全体が刺激されます。

さらに歌うことで深く大きな呼吸ができると、血流をコントロールする自律神経が整い、その結果、血行が促進。

脳内の血流も増加させます。カラオケには頭も心もすっきり整え、リラックス効果もあります。

さらに、仲間と集まり、にぎやかに盛り上がることで脳の活性化という効果も期待できます」

■歌詞を見ないで歌える懐かしい曲がオススメ

認知症の予防や治療にカラオケを活用している南越谷健身会クリニックの周東寛理事長が語る。

「脳の活性化には、適度な緊張とリラックスを繰り返すことが大切です。

患者さんがカラオケで歌う前後での脳波を調べたところ、歌う前は、緊張したりストレスを感じたときなどに発生するベータ波が多かったのですが、歌った直後には、心身がリラックスした状態であることを示すアルファ波が多く見られました。

とくに、歌っている間は、ベータ波とアルファ波が交互に変化。脳波は、脳の神経細胞が情報をやりとりする際の微弱な電気で、カラオケで歌うことで、脳の神経細胞がさかんに情報をやり取りしていることがわかりました」

さらには、こんな効果も。

「認知症予防には感情を込めて歌うことがオススメです。

歌っているうちにうっとりしたり、気分が高揚したりして深い感情がこみ上げてきます。

これは『カラオケハイ』という現象で、脳内には、ドーパミンという神経伝達物質が分泌されています。

ドーパミンは“生きる意欲をつくるホルモン”といわれ、前向きに生きるエネルギーを与えるだけでなく、脳の前頭葉と海馬を活性化することが明らかになっています」(周東先生)

米山先生が呼吸筋の筋トレにもなる歌い方のアドバイスを。

「歌詞ばかり見ながら歌っていては、姿勢が悪くなり呼吸筋を鍛えることはできません。

背筋を伸ばして歌うことがポイント。そのためには新曲でも歌詞を覚えることが必要。

それによりワーキングメモリーという脳機能の維持にもつながります。

また、歌詞を見なくても歌える昔の流行歌や自分にとって懐かしい曲もオススメ。幸せな思い出を振り返らせてくれる曲は、当時を思い出し、やる気が出てくるでしょう」

そこで、この春に歌ってほしい、正しい呼吸を取り戻しながら、認知症予防にもつながることが期待できる曲を紹介する。

「若いときに歌った曲により、ひとつの記憶が糸口になって、思い出が次々とよみがえってくることも。古い記憶を整理して、新しい記憶を作る作業は、回想法という脳を働かせる療法のひとつです」(周東先生)

マイクを握り、呼吸筋を総動員して、レッツ・カラオケ!

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