ポルシェ ジャパンは3月27日、東京都港区の増上寺において電気自動車となった新型「ポルシェマカン」の国内ローンチイベントを開催した。
【画像】増上寺で行われたポルシェ初のフル電動SUV「新型マカン」ローンチイベント(写真30点)
新型マカンのワールドプレミアはいまからちょうど1年前の2024年3月29日、シンガポールでのことだった。発表会場は空中庭園で有名なマリーナベイ・サンズの東側に隣接する総面積約101haという広大な敷地に作られたシンガポール最大の植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」。伝統と革新、経済成長、持続可能な都市デザインが融合していることからこの地が選ばれたという。
その後、マカンはポルシェのビジネスにとって柱となるモデルだけに世界各地でローンチイベントが開催されており、日本はそのトリをつとめるものという。日本らしさを打ち出すために和の趣向を凝らしたものとなっていた。
暗闇の中、定刻の18時半になると東京タワーがマカンのイメージカラーである紫色の「プロヴァンス」をまとって点灯。増上寺の本殿の前に飾られた2台のマカンがライトアップされた。
イベントは太郎&梨央の師弟ユニット「和太鼓DUO輝日」によるステージでスタート。エレクトリックになぞらえ、後半には電子和太鼓による演奏で会場を盛り上げた。
次に書家/アーティストの岡西佑奈氏が登場。プロヴァンスカラーをアレンジし、エレクトリックの文字を重ねたキャンバスに、華やかな金色で「雅(みやび)」と漢字一字を躍動的描き上げた。
ちなみに岡西氏は先代マカンのオーナーであるという。”雅”の文字を選んだ理由をこう述べている。
「今回の作品は、新型マカンの最大の魅力の一つ”electric”の文字を入れ、”雅”という日本最古の伝統的な美的理念の表現の一つである言葉を選びました。性別問わず、乗る人を雅やかに彩ってくれるのが私のマカンのインスピレーションです。マカンの持つ気高さや洗練された様子を表現するために金色で「雅」の文字を描きました」
この作品『雅 - electric - 』は、2025年4月11日(金)から13日(日)の期間に開催されるオートモビルカウンシル2025の幕張メッセ内、ポルシェジャパンブース(9ホール)で展示予定だ。
また、このイベントのためにポルシェ本社から”ミスター・マカン”こと、マカン製品ライン統括責任者のイェルク・ケルナー氏が来日し、プレゼンテーションを実施。新型マカンの魅力について以下のように話した。
「フル電動プラットフォームによって、特に走行ダイナミクスの面でこれまでにない可能性が広がりました。低重心化、最適化された重量配分、そして電動モーターによる瞬時のパワー供給により、新型マカンは極めて高いレスポンスを実現しており、純粋に走る楽しさを感じていただける1台に仕上がっています。さら最大644kmという航続距離を備えており、日常の移動はもちろんのこと、長距離ドライブも安心して利用でいただけます」
また電動プラットフォームの採用はデザイン面でも効果を発揮しており、特にエンジンを搭載する必要がなくなったことで、ボンネットを低くしながら、911にも共通するフロントフェンダーの峰を強調することによってポルシェらしいシルエットを実現しているという。
新型マカンはすでに国内でも2024年7月17日より予約受注が始まっており、当日は全国から約100名の新型マカンオーナーが集まり納車後間もない車両を会場に展示。
ポルシェジャパンでは現在、アウディジャパン、VWジャパンと共に日本国内での90-150kW級出力のCHAdeMO規格急速充電器ネットワーク「プレミアム チャージング アライアンス(Premium Charging Alliance: PCA)」を展開しているが、今後はレクサスブランドが展開する急速充電器のネットワークと協業することを発表している。PCAは2025年2月時点で、371拠点385基が配備されているが、レクサスとの協業により充電設備の相互利用が可能となり、ますます利便性が向上することになるはずだ。
ポルシェのグローバルのセールスをみると、2024年度は12.7%がフル電動車、すなわちタイカンとマカンが占めているという。ポルシェAGによると2025年度は新型マカンの導入もありその比率が20〜22%まで高まると予想しているという。おそらく日本国内においても、マカンのような人気モデルの導入、そして充電施設の拡充などにより、急速にとはいわずとも着実に電気自動車の割合は増えていくことになるはずだ。
文:藤野太一写真:ポルシェジャパン
Words: Taichi FUJINOPhotography: Porsche Japan
【関連記事】
・パガーニの妥協なき美学を反映した最新作「ウトピア ロードスター」が日本初上陸!
・55年目の節目に「ルノー5ターボ」3代目がBEVとして復活!|ターボ1からターボ3Eまでの軌跡
・洗練された静けさと、どこまでも滑らかに続く走り|2代目ボルボXC90の完成形
・ロールス・ロイス・ゴーストが2025年モデルから「シリーズII」へと進化
・VWゴルフ誕生から半世紀のマイルストーンになるか?|ついに日本上陸した最新のゴルフ8.5に試乗