3月31日(月) 1:50
資格確認書とは、健康保険の資格を証明する書類で、マイナ保険証を利用しない人のために発行されます。
以下に当てはまる人には、自動的に資格確認書が交付されます。
●マイナンバーカードを取得していない人
●マイナンバーカードを所持しているが、マイナ保険証の利用登録を行っていない人
●マイナ保険証の利用登録を解除した人
●電子証明書の有効期限が切れた人
●新たに後期高齢者医療制度に加入し、有効な被保険者証を持っていない人(2025年7月末までの暫定措置)
一方で、以下に当てはまる人は申請を行わなければ資格確認書が交付されません。
●高齢者や障害者など、マイナ保険証の利用が困難な人
●マイナンバーカードを紛失・更新中の人
資格確認書の有効期限は最長5年で、各保険者(健康保険組合や市町村国保など)の判断によって期間が設定されます。そのため、詳細については加入している保険組合に確認してください。
資格確認書とマイナ保険証は、どちらも健康保険の資格を証明するものですが、仕組みや利便性には、表1のような違いがあります。
表1
マイナ保険証 | 資格確認書 | |
---|---|---|
対象者 |
マイナンバーカードを取得し、
健康保険証として登録した人 |
マイナンバーカードを未取得
または利用登録をしていない人 |
利用方法 | カードリーダーにかざす | 窓口で提示 |
資格の確認方法 | オンラインで確認可能 | 医療機関が手作業で確認 |
利便性 | 手続きが簡単でスムーズ | 窓口での確認作業が発生 |
更新手続き | マイナンバーカードの有効期限内は不要 | 最長5年ごとに更新が必要 |
厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」を基に筆者作成
資格確認証には、基本的に従来タイプの健康保険証と同様の機能があります。
マイナ保険証は、医療機関がオンラインで確認できるため、保険資格の確認も瞬時に行えます。
一方、資格確認書は従来の健康保険証と同じく、医療機関が手作業で資格をチェックしなければなりません。そのため、窓口での手続きに時間がかかる可能性があります。
マイナ保険証は本人確認と健康保険証の機能が一体化しているため、医療機関での受付がスムーズです。資格確認書は紙の書類のため、利用の際には窓口での確認作業が必要となり、事務手続きが増える可能性があります。
1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が一定額を超えると、医療費控除を受けられます。これまでは、医療を受けた際の領収書から医療費控除の明細を作成し、確定申告書に添付しなければなりませんでした。
しかし、マイナ保険証を使ってマイナポータルからe-Taxに連携すると、医療費控除の申請が簡単にできるようになりました。マイナポータルで医療費通知情報が管理できるため、領収証の管理や保管の手間が省けるというメリットもあります。
どちらを利用したらよいのかは、それぞれの状況により異なります。
すでにマイナンバーカードを持っており、健康保険証として登録できる人は、マイナ保険証の利用が便利です。医療機関での手続きがスムーズになり、オンライン資格確認により事務作業の負担も軽減されます。
厚生労働省も利用を促進しており、マイナ保険証が今後の主流になることが予想されるため、特別な事情がなければマイナ保険証に移行するのがおすすめです。
マイナンバーカードを持っていない人や、マイナ保険証として登録していない人は、資格確認書が必要です。高齢者や障害がある人など、マイナ保険証の利用が難しい場合にも、資格確認書のほうが適しているでしょう。
資格確認書は従来型の健康保険証の代替として使えますが、将来的にはマイナ保険証への移行に進む可能性が高いため、今後の制度変更に注意が必要です。
医療保険各法の改正により、マイナ保険証と資格確認書のどちらかを利用する必要があります。マイナ保険証は利便性が高く、医療機関での手続きがスムーズになるため、今後の主流となるでしょう。
一方、まだマイナンバーカードを作成していない人や利用が難しい人にとっては、資格確認書が必要です。資格確認書がすぐに廃止されることはありませんが、制度自体は変更される可能性があるため、最新の情報をチェックしながら対応していきましょう。
厚生労働省 資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット
厚生労働省 マイナ保険証の利用促進等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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12月以降も「マイナ保険証」を作らず「資格確認書」を利用する予定です。友人から「マイナ保険証で医療費が安くなる」と聞いたのですが、作ったほうがお得なのでしょうか?