ガラス越しに交わされた言葉とは…鳥同士の不思議な会話劇に「一瞬何をやらかした!と思いましたよ」の声【漫画】

よしかわ まいさんの『鳥さん。』が話題/画像提供/よしかわ まい

ガラス越しに交わされた言葉とは…鳥同士の不思議な会話劇に「一瞬何をやらかした!と思いましたよ」の声【漫画】

3月30日(日) 23:30

よしかわ まいさんの『鳥さん。』が話題
【漫画】「肩はあるんだぜ?」鳥たちの豆知識トークにクスッ「びっくり〜」の声

コミックの映像化やドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、人間みたいに悩み、笑い、ぶつかり合いながら生きる鳥たちの日常を描いた四コマ漫画『鳥さん。』をピックアップ。

作者のよしかわまいさんが2月27日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、1,300以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、よしかわまいさんにインタビューを行い、『鳥さん。』の創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

■ちょっぴりズレた鳥たちの日常の会話劇
『鳥さん。』(1/31)


小さな窓ごしに向かい合う、ニワトリの鳥一郎とカナリアのカナ太。
「まさかガラス越しに、お前と話す日が来るなんてな」――宝くじ売り場の臨時バイト中の鳥一郎が問いかけると、カナ太は真顔で「バレンタインジャンボ、バラで10枚ください」と注文。あまりに現実的すぎるその一言に、鳥一郎の肩の力が抜けていく。

別の日。冷え込むオフィスで「こう寒いと、肩が凝るんだよな」とつぶやく鳥一郎。
「肩?」ときょとんとする後輩たちに、「いや、厳密には肩があるんだぜ? 羽毛で見えねぇけどよ」と、さりげなく鳥の豆知識を披露。無駄に知的な会話が妙におかしい。

そして、寒さが染みる早朝。目覚ましに起こされ、布団から這い出す鳥一郎の姿は、どこにでもいそうな“冬に弱い大人”そのもの。
「早く春、来ないかな」――そんな何気ないひとコマに、読む側もふと、共感してしまう。

ズレてるようでリアル。かわいく見えて、どこか哀愁。今日も鳥たちは、ゆるくて愛おしい日常を生きている。
「これは思わず「上手いっ!」ってなりました笑」「上手い座布団一枚」「びっくり〜!!!」「サスペンスきたーってワクワクー♡どんでん返し…」「一瞬何をやらかした!と思いましたよ本職以外にも色々なバイトこなせて行けるのすごいです。」など、反響の声が寄せられている。

■鳥のしぐさに人間味を重ねた、キャラクター誕生秘話
『鳥さん。』(2/31)


――『鳥さん。』を創作したきっかけや理由があれば教えてください。

小さな頃から、私は絵を描くのが大好きでした。小学校に上がってからは、暇さえあればノートに四コマ漫画を描いて遊んでいたのを覚えています。

前職は大手のゲーム会社でクリエイターをしていたのですが、スクリプトライターとしてキャラクターのセリフを書いていたので、仕事で絵を描くことは一度もありませんでした。ゲームは基本的にチームで分業して作るので、作品の一部分にしか関われません。

いつかセリフだけでなく、物語の時間軸や登場するキャラクターのデザインなど、作品の世界観を丸ごと全部一人で作ってみたいというのが、私の密かな夢でした。そして、その夢を実現するにあたって一番手っ取り早い手段が、私にとっては四コマ漫画を描くことでした。

『鳥さん。』の漫画を描き始める少し前、偶然にも「キャラクターIPは3年で作れるらしい」との噂を耳にしました。その話を聞いた時、「本当に3年間ずっと毎日漫画を描き続けたら、『鳥さん。』はどれくらいの人にキャラクターIPとして認知されるのだろう?」という疑問が頭に浮かんだんです。

実験も兼ねて漫画を毎日Xへ投稿することに決め、結果的にそれが『鳥さん。』を創作するきっかけになりました。ゲーム制作のように専門的な機材もいらず、四コマ漫画は紙とペンさえあればどこでだって描けるので、創作活動における圧倒的なコスパの良さも魅力に感じました。

――キャラクターはどのように生み出されたのか教えてください。

この漫画を描き始める数年前から、私は家でマメルリハという青い小鳥を飼っています。飼ってみて初めて気が付いたのですが、鳥は思っていた以上に喜怒哀楽が豊かなのです。

歌ったり、怒ったり、拗ねてみたりと、コロコロ表情を変える小鳥を日々観察しているうちに、人間社会のアレコレを全て鳥に置き換えて、漫画で表現したら面白いかもと思うようになりました。

人間って、いろんな面を無数に持っている、もの凄く多面体な生き物だと思うんです。常にカッコよくって、完璧な人なんてどこにもいない。素敵なところもあれば、ダメなところもある。でも、残念なところが、逆にその人の魅力になったりもしますよね。『鳥さん。』に登場する鳥のキャラクターたちは、コロンとした可愛い見た目ではありますが、全員どこか人間臭い性格をしています。

完璧じゃないからこそ、自分と似ているキャラクターに共感することができたり、「こういう人、身近にいるよね」と笑ってもらえるのではないかと思います。

――作画の際にこだわっている点や「ここを見てほしい」というポイントがあれば教えてください。

キャラクターは全て、実在する鳥を種類ごとにデフォルメしています。オスのニワトリである主人公の鳥一郎は白色レグホーンという品種ですし、後輩のカナ太はローラーカナリア、ツルヤはタンチョウヅル。その他にも烏骨鶏のコケ美や、鳥一郎に思いを寄せるサセックスのトリ子など、様々な種類の鳥が作中には登場します。

また、文鳥はおとなしい、シマエナガは妖精のように可愛い、ドバトはどこにでも現れる、アオメキバタンは頭が良いなど、実際の鳥種ごとに大まかな性格や性質も考慮して、全体のキャラクターをデザインしているので、読んでいるといつの間にか鳥に詳しくなるのではないかと思います。

また、『鳥さん。』は、コピー用紙に鉛筆で下書きを行い、それを上からペンでなぞり、消しゴムをかけて、色を塗るという、昔ながらの方法で制作しているアナログ漫画です。

デジタルが主流の昨今ですので、あえて時代の逆を行くスタイルは珍しいかと思います。私の仕事場には現時点で800枚近い『鳥さん。』の原稿が紙の束として積みあがっており、日々生活空間を圧迫しているわけですが、アナログイラストならではの線の暖かみが、逆に『鳥さん。』らしい絵作りに繋がっているのかも知れません。

――本作の中で特に思い入れのある(気に入っている)シーンやセリフを教えてください。
『鳥さん。』より「変わらないこと」


私自身が『鳥さん。』の中で特に思い入れがある作品は、2024年10月3日に載せた「変わらないこと」です。

自分とかつて一緒に暮らしていたスッポンが、しばらく見ない間に結婚して家庭を持っていたことが判明し、鳥一郎は何とも言えない焦りを感じます。人知れず悩みを抱えていた鳥一郎ですが、元キャバ嬢で現在はカフェを経営している烏骨鶏のコケ美にだけは、元気のなさを見透かされてしまうのです。

「周りは前に進んでいるのに、俺は何も変わってない」と、心の内を打ち明けた鳥一郎に対して、コケ美は「アンタ、変わりたいの?」と疑問を投げかけます。そして、鳥一郎の答えを聞くことなく、コケ美は「変わらない毎日を過ごせるのって素敵なことよ?」と言い放ち、その場を去ります。

人間も進学や就職、結婚や出産などのライフイベントで、友達と疎遠になったりすることがあるじゃないですか。そうした時、鳥一郎のように周りから取り残されたような気がして焦る人は意外と多くいるはずです。けれど、その裏では自分が置かれている環境や状況から、否応なしに変わらざるを得なかった人も、実は一定数存在するんですよね。

この漫画のキャラクターたちは、作中でお互いが関わり合うことで、日々少しずつ成長しています。鳥たちは時に悩んだり、考えたりしながらも、一生懸命に生きており、その姿は人間社会の縮図と言えるかも知れません。漫画「変わらないこと」は、変わっていく日々の中で、変わらない毎日があることの幸せに言及した内容になっています。

――よしかわまいさんにとって、一から世界観を創り上げ物語を展開していくうえでこだわっている点や特に意識している点がありましたら教えてください。

『鳥さん。』の登場キャラクターは、みんな可愛らしい見た目をしているので、一見子ども向けの漫画かと思われそうですが、内容はかなり大人向けです。

作中の鳥たちは、人間と同じように日々の社会生活を送っているので、私自身も気負わずに自然体で描かせてもらっています。投稿を始めてから最初の3か月は、自分自身で試行錯誤しながらキャラクターを動かしていた自覚があるのですが、ある時を境にキャラクターたちが勝手に動き始めるようになり、その頃から同時にこの漫画の世界観も、より色濃く確立されていったような気がしています。

『鳥さん。』は毎朝7時30分にXにて配信している四コマ漫画なので、読んでいる人がクスっと笑えて、今日も一日頑張ろうと思えるような内容を目指して描いています。あと、ジャンルはやっぱりギャグ漫画なので、読んでいる人をむやみに傷付けない笑いも意識していますね。

幅広い世代の方に楽しんでもらえるよう、作中のキャラクターたちもそれぞれの設定年齢によって、雑談内容に変化を付けています。作者の年齢は非公開ですが、読んだ人がそれぞれ、自分と同じ年頃の人が描いている漫画なのではないかと思ってもらえれば嬉しいですね。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。

いつも四コマ漫画『鳥さん。』を応援してくださって、ありがとうございます。今日まで『鳥さん。』を毎日更新して来られたのは、読んでくださっている皆様のおかげだと思っています。

『鳥さん。』は過去に一度もバズったことがないのですが、毎日投稿を続けることで少しずつ読んでくださる方が増え、開始から2年と数か月で、とても沢山の方に見てもらえるようになりました。この記事で初めて『鳥さん。』を知り、少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひこの機会にXアカウントをフォローいただけると幸いです。

今後もライフワークとして、私は一生この漫画を描き続けたいと思っています。最終的には『鳥さん。』を映像化するのが私の目標なので、読者の皆様には、いつか来るその日まで毎日『鳥さん。』を読みながら、笑って待っていてもらえたら嬉しいです。

これからも、鳥一郎とその仲間たちをどうぞよろしくお願いいたします。



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