3月29日(土) 17:20
JR西日本が管轄する京阪神エリアの電車運賃は、長らく見直されておらず、運賃の水準がサービスと不一致になっている状態が続いていました。そもそも、京阪神エリアの運賃体系は複雑で、次の3つの区分によって運賃体系が異なります。
●大阪環状線内:1キロメートルあたり13.25円
●電車特定区間:同15.30円
●幹線(拡大区間):同16.20円
今回の見直しでは、京阪神エリアにおける大阪環状線内と幹線の区分を廃止し、電車特定区間に一本化されます。見直し前後の路線区分は下の図表1の通りです。
図表1
JRおでかけネット 【2025年4月1日購入分より】京阪神エリアにおける運賃体系の見直しについて
今回の運賃改定率は、電車特定区間で比較すると1.3%の改定率です。もともと料金が低めに設定されていた大阪環状線内は上昇率が1.3%よりも高く、反対に幹線から電車特定区間に変更されるエリアでは、改定前よりも運賃が下がります。具体的な金額は図表2の通りです。
図表2
西日本旅客鉄道株式会社 京阪神都市圏における運賃体系の見直しについて より筆者作成
図表2の運賃にかかわらず、移動距離が10キロメートル以内の区間については、図表3の金額が適用されます。
図表3
西日本旅客鉄道株式会社 京阪神都市圏における運賃体系の見直しについて より筆者作成
今回の運賃改定により定期券の価格も変わります。定期券は乗車する期間ではなく、購入するタイミングによって、改定前後のどちらの価格が適用されるかが変わります。具体的な購入時期と適用価格の関係は次の通りです。
●3月31日までに購入した場合:改定前の価格で購入
●4月1日以降に購入した場合:改定後の価格で購入
例えば、3月31日に4月1日から使用する定期券を購入した場合、改定前の価格が適用され、4月1日以降も差額の精算はありません。定期券の発売は、使用開始日の14日前からです。少しでもお得に定期券を購入したい場合は、購入タイミングに気をつけましょう。
JR西日本は、京阪神エリアにおいて2025年4月1日から運賃を改定します。今回の運賃改定率は、電車特定区間で改定前後の運賃を比較すると1.3%の改定率であり、大阪環状線内では上昇率が1.3%よりも高くなります。
ただし、今回の運賃改定は運賃が上昇するだけではなく、幹線から電車特定区間に変更されるエリアでは、改定前よりも運賃が下がります。定期券は3月31日までに購入すれば、改定前の価格で購入できます。
改定後に利用区間の運賃が上がるのか下がるのかによって、お得に買えるタイミングが異なります。4月以降の定期券を購入するときは意識しておきましょう。
西日本旅客鉄道株式会社 JRお出かけネット 【2025年4月1日購入分より】京阪神エリアにおける運賃体系の見直しについて
西日本旅客鉄道株式会社 京阪神都市圏における運賃体系の見直しについて
国土交通省 西日本旅客鉄道株式会社の旅客運賃の上限変更認可について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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