3月29日(土) 1:10
奨学金にはさまざまな種類がありますが、ここでは独立行政法人日本学生支援機構の奨学金制度について詳しく見ていきます。日本学生支援機構では「給付型」と「貸与型」2種類の奨学金があり、それぞれの特徴は次の通りです。
●給付奨学金:返済不要
●貸与奨学金:返済が必要(無利子または有利子)
どちらの奨学金も、奨学金を受けられるかどうかは世帯年収・成績・意欲などを総合的にみて審査を行っているようです。また、貸与奨学金には無利子で借りる第一種奨学金と、有利子で借りる第二種奨学金があり、この2つを併用して借りることもできます。
では次に、4年間で240万円の奨学金を借りた場合の毎月の返済額について見ていきます。同じく日本学生支援機構において、有利子である第二種奨学金を4年間で240万円借りた場合の毎月の返済額は表1の通りです。いずれの場合も返還回数は180回(15年)とします。
表1
利率 | 返還総額 | 返還月額 |
---|---|---|
0.50% | 249万7419円 | 1万3874円 |
1% | 259万7188円 | 1万4428円 |
2% | 280万3404円 | 1万5574円 |
3% | 301万8568円 | 1万6769円 |
出典:独立行政法人日本学生支援機構「大学・返還例」を基に筆者作成
有利子である第二種奨学金の貸与月額は、進学先により2万円~12万円の範囲内で選択できるようです。一部私立大学の医・歯学、薬・獣医学、法科大学院の法学を履修する場合は12万円からさらに増額可能なケースもあります。
利率については次の2つの方法がありますので、状況に応じて選ぶようにしましょう。
●利率固定方式:貸与終了時に決定した利率が返還完了まで適用される方式。
●利率見直し方式:貸与終了時に決定した利率をおよそ5年ごとに見直す方式。
進学に関する経済的負担を減らす方法として奨学金のほかに教育ローンもあげられます。教育ローンは借り入れ・返済ともに親が行うのに対して、奨学金の返済は子どもが行います。奨学金の返済は卒業後最長20年と長期間に及ぶこともあり、22歳で卒業した場合完済するのは40歳を過ぎる計算です。20年の間に結婚・出産や住宅購入などライフステージは大きく変わる可能性もあるため、利用の際は将来の返済負担をよく考えて利用するようにしましょう。
また、初回の奨学金の振り込みが大学進学の4月以降の場合、入学までに支払う初年度納入金の支払いには間に合わないケースもあります。奨学金とは別にまとまったお金が必要になるため事前に準備しておきましょう。
有利子である貸与型奨学金を4年で240万円借りた場合には、卒業後の毎月の返済額は約1万874円~1万6769円になることがあります。卒業後に子ども自身が返済する必要のある奨学金では、返済が20年と長期間に及ぶケースもあるため、将来の返済負担をよく考えて利用する必要があります。
実際の返済額は奨学金の利用状況により異なります。各奨学金制度の詳細を確認し、家庭内でよく話し合ってから利用するようにしましょう。
独立行政法人日本学生支援機構 大学・返還例
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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