2025年1月期に放送され、先日最終回を迎えた『BanG Dream!』(以下、「バンドリ!」)シリーズの最新作、TVアニメ『BanG Dream! Ave Mujica』。フィナーレの興奮が続くなか、新しく始まるコラボキャンペーンでファンの楽しみはまだまだ続きそうだ。
というのも、JR東海では東海道新幹線を起点とした「推し旅」企画としてTVアニメ『BanG Dream! Ave Mujica』とのコラボキャンペーンを4月1日(火)よりスタート。新幹線車内とライブ会場でしか聞けない限定のボイスストーリーやオリジナルグッズの販売など、ファン必見の企画が盛りだくさん!
今回はコラボレーションを楽しむポイントから「推し旅」キャンペーンのスタート秘話やこだわりまで、企画担当者に熱い想いを伺った。
お話をきいた人:東海旅客鉄道株式会社 営業本部 需要創出グループ 田村さん
◆きっかけは仕掛け人の「推し」
――今回のTVアニメ『BanG Dream! Ave Mujica』と「推し旅」のコラボキャンペーンについて、企画にいたるまでの経緯を教えてください。
田村さん「推し旅」で「バンドリ!」とコラボさせていただくのは今回で3回目になります。実は私個人としては、「推し旅」の担当者になる前から「バンドリ!」のファンでした。「推し旅」を企画する現在の部署に異動してすぐ「バンドリ!」とのコラボをブシロード様に提案し、2024年のコラボに至ったというのがこれまでの経緯です。また昨年のコラボを進めているなかで、ファン待望の新作アニメとして『BanG Dream! Ave Mujica』の放送が控えていたこともあり、放送と連動したコラボキャンペーンもできないかと改めて提案し、今回の企画が実現しました。
――作品ファンの想いが企画のきっかけにあるというのは面白いです。ファンの目線が多分に盛り込まれているのが容易に想像できますね。
田村さんそうですね。実際、かなり多くの企画案を考え、その中からファンの人たちがどんな企画なら楽しめるのかをブシロード様にもアドバイスをいただきながら、実施内容を詰めていきました。
――さっそく、今回のコラボキャンペーンについて教えてください。
田村さん今回のコラボキャンペーンでは<新幹線車内限定コンテンツ>と<ライブ会場限定コンテンツ>の大きく二種類の企画を実施します。
<新幹線車内コンテンツ>では、車内限定で聴くことのできるスピンオフのボイスストーリーを配信します。また、このボイスストーリーを聴くことで参加できるポストカードのプレゼントキャンペーンや、参加者全員がもらえるスマホ用壁紙も準備しているほか、同じく参加者だけが購入できるアクリルボードの販売も行う予定です。
田村さん<ライブ会場限定コンテンツ>でも、本コラボ限定のボイスストーリーを配信予定です。ライブは4月26日(土)、27日(日)にKアリーナ横浜で開催されるのですが、こちらのボイスストーリーは会場近くで公式サイトにアクセスすればどなたでも聴くことができます。ストーリーは両日で異なるので、ぜひ二日分聴いていただきたいです。
また、同じく会場付近では公式サイトからARフォトフレームが利用できるので、「Ave Mujica」メンバーとの記念写真を撮っていただき旅の思い出を作っていただければと思います。
さらに、新幹線車内コンテンツを利用したうえでライブ会場にお越しいただいた方にはコラボ限定デザインのBIG缶バッジをプレゼントします。
今回のコラボキャンペーンを通じて、「Ave Mujica」というバンドの新しい一面が垣間見えると思うので、できるだけ多くの方に参加していただきたいです。
◆ファンの感想も企画に!
――とてもたくさんの限定コンテンツが控え、今回も大きな反響があるのではと思います。過去に実施したキャンペーンではどういった反響がありましたか?
田村さん「バンドリ!」とは2024年の2~4月にライブ連動コラボ、7~9月に名古屋大須商店街での大型コラボと計2回のキャンペーンをこれまでに実施しました。どちらも当初の想定を超える多くのファンの方にご参加いただき、あわせて実施したアンケートには1万件以上の声が集まりました。熱い想いのこもった感想も多く、企画者として嬉しい限りです。
今回のコラボでは、これまでの取り組みを発展させた要素を多く含んでいますが、そのなかにはファンの皆様の感想に着想を得て取り入れた要素もあります。新幹線車内でのオリジナルグッズ販売などがまさにそうです。
――ファンの企画も反映されている、というのは参加者にとってもうれしいと思います。今回の感想も次回(?)に活きるかもしれないですね。
◆鉄道会社流コンテンツ活用
――少し話を広げて、貴社の「推し旅」についても教えてください。「推し旅」では今回の「バンドリ!」以外にも、実写・アニメ問わず多岐にわたるジャンルとコラボをしていると思います。IP(知的財産)を抱える企業以外でここまで積極的にIP活用に取り組むのは珍しい気がするのですが、この取り組みはどのように始まったのですか?
田村さんそもそもは、コロナ禍とそれに派生する移動の制限によって東海道新幹線のビジネス需要が激減したことがきっかけです。当時は会社として新たな新幹線利用のニーズを生み出すべくいろいろと模索をしていました。混雑を避ける「ずらし旅」や沿線自治体とのタイアップなども、その延長線上で企画されました。
そうした施策の一つとして生まれたのがエンタメコンテンツとの連携でした。ウィズコロナの状況で外出やイベントが徐々に再開されつつあったことと、「推し活」がメディアで盛んに取り上げられたタイミングだったことを鑑み、企画を「推し旅」と題することになりました。
――ある意味で必要に迫られての取り組みだったということですね。それが今では多くの人が知るコンテンツとなったのは、コラボする作品やアーティストにとっても、非常にありがたい活動だったからだと思います。
田村さんこちらも当初想像していたよりもはるかに大きな取り組みとなり驚いています。「推し旅」がスタートした当初は年に数件だったのですが、2024年度では約100件の企画を実施させていただきました。
――さまざまなコンテンツとコラボする「推し旅」ですが、それぞれの企画内容を見ると、ファンを喜ばせようとする、ある意味で非常にコアなこだわりがあるのではないかという印象を受けましたが、そういった意図はあるのでしょうか?
田村さんはい。「推し旅」を提案するうえで最優先に考えるのが、ファンが楽しめる体験を提供できるか、という点です。その点を追求した結果、ファンだからこそ楽しめるこだわりの企画が生まれるのかもしれません。「推し旅」では協業するIPの魅力が最も発揮されるよう企画を作りこむので、全く同じ内容のキャンペーンがほとんどないというのも特徴です。
――コンテンツへの愛と理解があって成せることですね。このクオリティで年100本はかなり忙しそうですね。
田村さんどの担当もこのこだわりの部分には余念がないと思います。私の場合は作品をチェックするのはもちろん、展開されているグッズのリサーチやイベントへの参加などを通じて理解度を高めるようにしています。
ただ、そうやってコンテンツにのめりこんだ結果、自然とファンになってしまうので、推しコンテンツがどんどん増えていってしまうのがいまの悩みです(笑)。
◆推しで旅する社会を創る
――最後に「推し旅」の今後について聞かせてください。「推し旅」が大きな影響力を持つ推し活コンテンツの一つになっているなかで、今後展開するにあたって目指していることはありますか?
田村さんJR東海として「推し旅」を始めて約3年半が経ち、少しずつですがこの取り組み自体を応援してくれる「推し旅」ファンの方も増えてきています。また、これまで様々なジャンルのIPと協業させていただいたことで、企画のバリエーションが飛躍的に増えていることも追い風になっていると思います。
最近は推し活を支える手段や機会がますます増えてきています。そのなかで今後も「推し旅」で新幹線での旅のきっかけを作っていくためにも、ファンの皆様の期待に応えるこだわりの企画を関係各所と協力して生み出し、ここでしか体験できないコラボを提供していくことを目指しています。
――日本のコンテンツ産業はこれからもますます大きくなっていくと思います。それに比例して「推し活」の市場規模も広がるこれからをぜひリードしてほしいです!本日はどうもありがとうございました!
今回の取材で分かったのは「推し旅」が発信するコンテンツの魅力と、それを支える企画のこだわり。これからもますます大きくなる「推し旅」の活動、いつかあなたの推しとコラボしてくれることを願って、これからも応援してほしい!
(C)BanG Dream! Project
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