3月28日(金) 19:40
令和6年4月の待機児童調査によると、日本全国合わせた待機児童の数は2567人です。約87.5%の市区町村が待機児童ゼロとなっています。
この結果を見ると、ほとんどの子どもが保育園に入園できていると感じる人もいるのではないでしょうか。実際、筆者も子どもを産むまでは、待機児童ゼロ=全ての子どもが希望する認可保育園に入れる、のだと考えていました。
しかし、待機児童ゼロは本当のゼロではありません。なぜなら、特定の保育園しか希望を出していない状況で落ちた場合や、認可の保育園に落ちたことで認可外を探した場合、仕事を辞めた場合は待機児童にカウントされないからです。
厚生労働省による保育所等利用待機児童の定義は、調査日時点において保育の必要性が認定されており、特定教育・保育施設事業の利用の申し込みがされているが、利用していない児童、となっています。
つまり、認可の保育園に落ちたことで子どもを認可外保育園に入園させた場合や、仕事を辞めた場合は待機児童としてカウントされていないのです。
定義には、特定の保育園を希望しており落ちた場合も待機児童に含めないと記されています。きょうだいで別々の園に入園することになり保護者が転園届を出している場合でも、待機児童とは見なされません。
希望の保育園に入れていないにもかかわらず、さまざまな理由で待機児童としてカウントされない児童のことを「隠れ待機児童」や「保留児童」などと呼んでいます。
待機児童ゼロとうたっている自治体であっても、隠れ待機児童がたくさんおり希望の保育園に入園できない場合があります。実際、筆者は待機児童の数は2人と発表している自治体に居住していますが、自宅近くの保育園に子どもを預けることはできませんでした。
そのため、子どもを保育園に預けたいと考えている人は、待機児童ゼロの自治体でも安心せずに情報を集めたり、複数の保育園を希望して保育園に入れる確率を上げたりすることが大切です。
待機児童ゼロの自治体でも、希望の認可保育園に入れないことがあります。これは、待機児童ゼロがうそなのではなく、認可保育園に落ちたことで認可外保育園を探したり、仕事を辞めたりした人の子どもが、待機児童の定義から外れてしまうことが原因です。
本当は認可保育園に入りたいのに入れず、待機児童と見なされない児童のことを保留児童や隠れ待機児童と呼んでいます。
待機児童ゼロの自治体なのに保育園に落ちたという人もいます。待機児童ゼロ=誰でも希望の認可保育園に入園できる、というわけではないのです。
こども家庭庁 令和6年4月の待機児童数調査のポイント
厚生労働省 保育所等利用待機児童の定義
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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