3月28日(金) 0:30
土地活用を検討するなら
田舎の土地は都市部に比べて地価が安いため、広い敷地を確保しやすく、太陽光発電の設置に適しています。太陽光発電の収益性は、主に「売電収入」と「自家消費による電気代削減」の2つの要素によって決まります。
固定価格買取制度(FIT)が導入されて以来、日本国内では太陽光発電による売電が広まりました。2024年時点では、FITによる買取価格は以前より下がっているものの、適切な設備を導入すれば安定した収益を見込むことが可能です。
経済産業省資源エネルギー庁によると10kW以上の太陽光発電設備を設置した場合の売電価格は、1kWhあたり10~12円(2024年時点)とされています。年間1万kWhを発電できれば、年間10万円~12万円の売電収入が期待できます。
また、自家消費をすることで、電気代を削減できる点も大きなメリットです。特に、農業や工場を営んでいる場合、日中に大量の電力を消費するため、発電した電気をそのまま使用すれば電気料金の削減につながります。
太陽光発電を始める際の初期投資として、パネルやパワーコンディショナー、設置工事費用などが必要になります。太陽光発電設備を設置する場合、設備費用と工事費用を含めて数百万円~数千万円を目安にしましょう。
また、田舎の土地を活用する場合、地盤の整備や接続のための送電線工事が追加で必要になることもあります。特に、山間部や傾斜地に設置する場合は地盤改良工事が必要になり、さらに費用がかさむことがあります。
さらに、売電を行うには電力会社との接続契約を結ぶ必要があり、送電線の引き込み工事で追加のコストが発生するため注意が必要です。
土地活用を検討するなら
太陽光発電システムは一度設置すれば長期間にわたって稼働しますが、適切なメンテナンスを行わないと発電効率が低下し、収益が減少する可能性があります。維持費として考慮すべき主な項目は、「定期メンテナンス」「パワーコンディショナーの交換」「パネルの清掃」などです。
定期メンテナンスでは、発電量のチェックや配線の異常がないかを確認する作業が必要です。専門業者に依頼すると、年間15万円程度のコストがかかります。
また、田舎の土地に設置する場合、周囲の環境によってはパネルに汚れや落ち葉が積もりやすくなり、発電効率が下がる点に注意しましょう。定期的な清掃は自分でもできますが、安全のために業者に依頼するのもおすすめです。
田舎での太陽光発電には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのリスクも存在します。
まず、大きなリスクとして「天候の影響による発電量の変動」が挙げられます。日照時間が少ない地域では想定していた発電量を確保できず、収益が減少する点に注意が必要です。特に、冬場に積雪の多い地域ではパネルに雪が積もり、発電がほぼゼロになることもあります。
また、台風や地震などによってパネルが破損した場合、修理費用が発生するだけでなく、発電ができなくなる期間が生じるため、収益に大きな影響を与えます。火災や落雷のリスクもあるため、保険に加入しておくことが重要です。
田舎の土地を活用した太陽光発電は、適切な場所と設備を選べば安定した収益を得られる魅力的な選択肢ですが、初期投資や維持費、自然災害などのリスクも十分に考慮する必要があります。発電量を最大化するためには、設置場所の選定やメンテナンスの計画が重要です。
売電収入だけでなく、自家消費による電気代の削減効果を考慮することで、より効率的に太陽光発電を活用できるでしょう。
資源エネルギー庁買取価格・期間等(2024年度以降)FIT・FIP制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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