『ザ・ヒューマンズ─人間たち』が新国立劇場で日本初演翻訳・広田敦郎、演出・桑原裕子のメッセージ到着

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『ザ・ヒューマンズ─人間たち』が新国立劇場で日本初演翻訳・広田敦郎、演出・桑原裕子のメッセージ到着

3月28日(金) 8:40

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6月12日(木) より新国立劇場 小劇場で上演される新国立劇場2024/2025シーズン『ザ・ヒューマンズ─人間たち』より、翻訳の広田敦郎と演出・桑原裕子のコメントが到着した。

家族が織り成す様々な風景から、今日の社会の姿を照らし出し、未来を見つめるシリーズ「光景─ここから先へと─」の第2弾は、劇作家・脚本家として活躍するスティーヴン・キャラムのヒット作『ザ・ヒューマンズ─人間たち』。マンハッタンの老朽化したアパートを舞台に、感謝祭を祝うために集まったある家族の会話から、貧困、老い、病気、愛の喪失への不安、宗教をめぐる対立などが浮かびあがる一夜の物語だ。演出は、2022年に上演した『ロビー・ヒーロー』の記憶も新しい、劇団KAKUTA主宰の桑原裕子が務める。

キャスティングには、観客が自分自身を重ねることができる当事者性を重要視したという桑原。ブレイク家の長女で、ガールフレンドと別れたばかりの弁護士エイミーには山崎静代、作曲家を目指す次女のブリジットには、オーディションを経て出演が決定した青山美郷、その恋人・リチャードには細川岳、認知症により車椅子生活をおくる祖母モモには稲川実代子、母ディアドラには増子倭文江、そして悪夢にうなされ不眠が続く父エリックを平田満という多彩なキャストが揃った。

■翻訳 広田敦郎からのメッセージ
とても定義しがたい作品です。一見サイエンス・フィクションかと思わせるタイトルでもあるようですが、どんなお芝居かは想像しにくいでしょう。
一家が集まる感謝祭のディナー、夜更けとともに浮かび上がる不都合な真実、と、いかにも〈アメリカの家族劇〉らしくまとめることもできますが、それではあまりにも新しくないし……何も特別なところのない、ごく普通の家族の営みにほっこりしながら、そこはかとない不安にさいなまれ、「いま何を見せられたの?」と若干もやっとしながら劇場を後にする感じの、怪談じみたお芝居、でしょうか。
『ハミルトン』がトニー賞ベスト・ミュージカルとピュリッツァー賞に選ばれた2016年、トニー賞ベスト・プレイに選ばれ、ピュリッツァー賞ファイナリストまで残ったお芝居です。バラク・オバマ政権が終わりに近づくころ、そしてまもなくドナルド・トランプが大統領に選ばれることを大勢が予想していなかった(あるいは予想していたでしょうか?)ころ、初演されたお芝居です。
19世紀から20世紀の変わり目、チェーホフの新作劇を観た人々と同じような気持ちを味わえるお芝居、かもしれません。
ニューヨーク、マンハッタンの片隅で感謝祭のディナーに集まった家族の抱える不安は、ポストコロナ時代の日本で生活するわたしたちにとっても他人事ではありません。劇場でひとよの不安を分かち合い、他者との緩やかな繋がりを感じることが、この酷い時代、酷い世界を生き抜くための支えになればと思っています。

■演出 桑原裕子からのメッセージ
人が、不安を抱くのはどんなときだろう、と考えていました。
幼い頃は、そこにないはずの物がある、見えない者が見える、聞こえてはいけない音が……という、いわばゴーストのような未知なる存在に恐れ、何もない暗闇の奥に目をこらしていたものです。
けれどいつからか、不安はその逆にある、と感じるようになりました。
あるはずのものがない。見えていたことを見失う。信じていたものが失われてゆく。それは、信頼であるとか関係だとか絆だとか記憶だとか愛だとか、自分自身であるとか。あるいは文化だとか、社会だとか。私たちの暮らしている世界は、永遠に進化していくものだと思い込んでいたけれど、そうではなかったのだなと、ここ10年ほどの間で急速に感じるようにもなりました。以来ずっと、足下に不安が漂っています。
失われていく予感こそが、不安の正体なのかもしれません。
『ザ・ヒューマンズ―人間たち』は、ひとつの家族の、ほんの僅かな時間を切り取った作品です。あなたも私もよく知るような……けれど、我々が平気な顔をして日々を営みながらひた隠しにしてきた恐ろしい何か、が、不気味な軋みをあげて満ちてゆく恐怖劇でもあります。家族という小さな社会で蠢く人間たちを、私も足をすくませながら見届けます。

■ 『ザ・ヒューマンズ ─人間たち』特集掲載中
https://lp.p.pia.jp/article/news/414846/index.html

<公演情報>
シリーズ「光景─ここから先へ─」Vol.2
『ザ・ヒューマンズ ─人間たち』

作:スティーヴン・キャラム
翻訳:広田敦郎
演出:桑原裕子

【キャスト】
山崎静代、青山美郷、細川岳、稲川実代子、増子倭文江、平田満

【東京公演】
2025年6月12日(木)~29日(日)
会場:新国立劇場 小劇場

※開場は開演の30分前です。

【チケット】
A席:7,700円
B席:3,300円
Z席(当日):1,650円
一般発売:2025年4月12日(土) 10:00~

■新国立シアタートーク
6月17日(火) 終演後
出演:桑原裕子、全キャスト
司会:中井美穂
入場方法:本公演チケット(いずれの日程でも可)をご提示ください

【全国公演】
■愛知公演
2025年7月5日(土) 13:00 開演、6日(日) 13:00 開演
会場:穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

■大阪公演
2025年7月19日(土) 14:00 開演
会場:茨木市文化・子育て複合施設 おにクル ゴウダホール(大ホール)

公式サイト:
https://www.nntt.jac.go.jp/play/the-humans/

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