アマゾンMGMスタジオが映画史に燦然と輝く「007」シリーズの新章を担うプロデューサーとして、エイミー・パスカルとデビッド・ヘイマンを正式に起用したと発表した。
世界的大ヒットとなった「スパイダーマン」と「ハリー・ポッター」フランチャイズを成功に導いた2人のヒットメーカーが、60年以上にわたりジェームズ・ボンドの冒険を守り育ててきたブロッコリ家から歴史的なバトンを受け取る形となる。
パスカルはパスカル・ピクチャーズを通じて、ヘイマンはヘイデイ・フィルムズを通じてプロデュースを担当。アマゾンMGMスタジオの映画部門責任者コートニー・バレンティは「バーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンが見事に導いてきたジェームズ・ボンドに関するあらゆる創造的決断に対し、最大限の責任感をもって取り組んでいく」と述べ、この大胆な世代交代への敬意を表明した。
「パスカルとヘイマンは大規模フランチャイズを開発・管理し、興行的成功と批評家からの高い評価を得てきたエリートプロデューサーグループの一員」とバレンティは評価。「ジェームズ・ボンドの次の章に彼らと取り組めることを光栄に思い、この愛されるキャラクターの優れた遺産を維持するストーリーテリングを世界中の観客に届けることに期待している」と続けた。
新たに「007」シリーズの守護者となる2人は「ジェームズ・ボンドは映画史上最も象徴的なキャラクターの一人です。数々の素晴らしい作品を生み出したバーバラ・ブロッコリとマイケル・ウィルソンの足跡をたどることに畏敬の念を抱いています」と共同声明で語り、「ボンドが次の冒険に乗り出す際にその精神を確実に守り続けることに興奮しています」と決意を新たにした。
パスカルは元ソニー・ピクチャーズの責任者として「007 カジノ・ロワイヤル」や「007 スカイフォール」などのボンド作品を配給した経験を持つベテラン。彼女の手腕はトム・ホランド主演「スパイダーマン」3部作の大成功と「スパイダーバース」シリーズの革新的アニメーション表現で高く評価されており、今夏から「スパイダーマン」第4作の撮影も控えている。一方、ヘイマンは「ハリー・ポッター」全8作と「ファンタスティック・ビースト」3部作を世界的現象へと育て上げた実績を持ち、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」の続編製作準備も進行中だ。
監督人選では、ヘイマンと親交の深いアルフォンソ・キュアロン、2027年にスケジュールの空きができるクリストファー・ノーランの名前が取り沙汰されているが、アマゾンは映画製作の早期実現を優先する姿勢を示しており、近日中の発表が期待される。
2021年にMGMを85億ドルで買収したアマゾンは、マイケル・G・ウィルソンの引退表明を機に完全な創造的支配権を獲得。映画製作を最優先としつつも、将来的にはテレビシリーズなどの新展開も視野に入れているとされる。
「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」から約6年を経て始動する新シリーズは、ダニエル・クレイグ後の新時代をどう描くのか。新たなボンド俳優の発表と撮影開始への期待が高まるなか、二人の名プロデューサーが率いる007の新たな冒険に、世界中のファンの視線が注がれている。
【作品情報】
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007 ノー・タイム・トゥ・ダイ
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