多くの俳優にとって、自身が主演を飾る映画は特別な1本としてフィルモグラフィに刻まれる。ACEesのメンバーであり、俳優としても着実にキャリアを重ねている作間龍斗。元乃木坂46のメンバーであり、現在は「CanCam」の専属モデル、ドラマや映画など俳優としての活躍も目覚ましい山下美月。そんな前進し続ける2人の初主演作となるのが、ましろによる同名漫画の映画化『山田くんとLv999の恋をする』(3月28日公開)だ。
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作間が演じるのは、超塩対応の高校生プロゲーマー、山田。山下が演じるのは、彼氏に振られたばかりの女子大生、茜。本作は、ネトゲ(オンラインゲーム)で出会った2人がリアルな世界でも出会い、そして惹かれていく日常を丁寧に描いていくラブコメディ。今回、作間と山下に本作の魅力を聞いた。
■「まさか自分に山田役が舞い降りてくるとは思っていなかった」(作間)
――お2人とも幅広く活躍されていますが、俳優として映画に出演することについて、どのように捉えているのでしょうか。
作間「今回の映画で言うと、連載開始当時から漫画もアニメも見ていたので、もう単純にうれしかったですね。いつか実写化するだろうなと思っていたけれど、まさか自分に山田役が舞い降りてくるとは思っていなかった。でも原作を好きなぶん、やっぱりプレッシャーはありました」
山下「私も原作を知っていましたので、同じようにプレッシャーはありました。茜というキャラクターは、私自身も憧れる女の子なので、しっかり演じきれるのかという不安はありつつ、頑張りたいなと思い臨みました」
作間「今回、文化祭のシーンがあるのですが、文化祭を経験したことがなかったので、役を通じて楽しませてもらいました。自分が経験できないことを役として経験できる、それは俳優としてのおもしろさでもありますよね」
山下「しかも今回は映画で主演。やっぱり特別です。映画を観ることも好きなので、その世界に自分が入れることもありがたくて。今回の映画化にあたって、たくさんの人が何年も前から企画に携わっていて。そのなかで茜ちゃんをやってほしいと思っていただけたことは、私の財産です」
■「すごく人見知りなので遊園地に行ったりしてテンションを上げてました(笑)」(山下)
――お2人とも本当にハマリ役で、幸せな実写化だと思います。人気の原作ということで、周りからの反響はありましたか。
作間「すごく驚かれました(笑)。というのも僕自身、周りに『この作品マジでおもしろいから』って勧めていたので、地元の友だちからは『(勧めていた)お前が山田を演じるの?』って。でも、総じて楽しみにしてもらってます」
山下「私も周りに原作ファンの友達が多くいるので連絡が来ました。驚きというよりも(笑)、周りはみんなワクワクしてくれています」
――お2人がスクリーンに映しだされた時、「山田だ!」「茜だ!」って思いました。キャラクターと演者のイメージがぴたりと重なるということは、役と自分自身は近い?それとも遠い?
作間「見た目は近いかもって思いますが、中身は全然違いますね。そもそも僕はゲームをやらないし、山田ほど寡黙でもない。でも、似ているようで違うという意外性はありがたいなと思って演じていました」
山下「私はいま25歳なので、最近は実年齢より上の役や落ち着いた役が多くて。学園ものでも生徒ではなく先生側だったり。なので、この作品のキラキラ感や、茜ちゃんの明るい性格に近づくために、毎週のように遊園地に行ったりしてテンションを上げていました(笑)。普段はインドア派だし、茜ちゃんとは真逆ですごく人見知りなので…どうにかして自分の壁をこじ開けるという役づくりをしていました」
作間「僕は、いわゆる“役づくり”はしてなくて。台本も、本読みの時に安川(有果)監督が言っていたことをメモした程度で、めっちゃ綺麗です。すごく好きな作品だからこそ力を入れすぎると、なんかこう崩れちゃいそうな気がして。漫画やアニメを見て自分の中にすでに山田は染み込んでいる、それを三次元に落とし込む作業だったというか。臨機応変に動きたいなって思って現場にいました」
■「ラブコメ特有の非現実的なシチュエーションは、笑いをこらえることもありました」(作間)
――山田は茜の言動に反応することが多いので、作間さんの言う臨機応変というのは理にかなっていますね。一方、山下さんはアクションを起こす側でもあり、コメディとしてのお芝居が光っていました。
山下「演じている時は魔法にかかっているので、いろんな表情をしていますが、完成した映画を改めて観ると恥ずかしさもあります。例えば、文化祭で山田くんが女子高生に囲まれるシーンはエキストラの方が現役女子高生だったので、高校生のテンションとキラキラ感に負けないようにしないとって(笑)。ほかにも走ったり転んだり、ゾンビみたいな人に追いかけられたり、体力を使う撮影でもありました」
――茜は感情表現が豊かですが、山田は感情の出し方が難しい役でしたね。
作間「そうですね。ただ、感情を出さないのではなく出ないというのは、自分と共通していて。普段から『なに考えているのかわからない』って言われるので(笑)、そのままお芝居に活かせばいいかなと。自分の中で、山田としての感情は100パーセントにしながら表情を変えていくという感じですね」
――そういう山田が、ふとした時に見せる無自覚な優しさに茜は惹かれていくわけで、もちろん観客もときめきます。この映画には、人をときめかせる瞬間がいくつもありますよね。
作間「ありますね。ただ、さっき山下さんが話していた高校生に追いかけられるシーンのような非現実的なシチュエーションはラブコメ特有で、笑いをこらえることもありました。演じている側としては、ラブコメだからきゅんきゅんさせるためにこうしよう!みたいのは考えなかったかも」
山下「この作品における“ときめき”って、やっぱり山田の格好良さだと思うんですよね。タイトルにも『山田くん』ってあるくらいなので。行動を起こすのは茜のほうだけれど、意識としては、いかに山田が格好よく見えるかも考えていました。」
作間「そっか、山田くんって格好よくなきゃいけないのか」
――たしかに、山田の登場シーンはキラッキラでしたね。
作間「あのキラキラは人工的な力、スタッフの皆さんの力でエンタテインメント感を出してもらいました。ああいった撮影は初めての経験でしたね」
山下「逆光を入れたり、ブロワーで風を吹かせたり、スタッフさんの総力を集結して撮影したシーンですよね。撮影前に本読みをする機会があって、その時に監督から、もっと勢いを出してほしい、もっと感情を出してほしいといったアドバイスをいただけて茜としてどう演じるのか基盤はできていたので、現場では少しアドリブを入れるというか、楽しく演じることができました」
■「すばらしい『バレたか』でした」(山下)
――山田と茜のやりとりに自然と見入ってしまう、それは作間さんと山下さんの息の合った芝居が生みだしていると思います。共演してみて、お互いに凄いなと思ったこと、刺激を受けたことはありますか。
山下「撮影期間中にポスター撮りをした時に感じたことですが、山田くんの格好良さって、目がすごく輝いているというよりも、スッとした格好良さ。そういう山田としての作間さんしか拝見していなかったので、ポスター撮影のソロカットを見た時、とてもアイドルでキラキラしていて驚いたんです。その時まで、普段の作間さんは山田に近いのだろうなと思っていたけれど、違う!役なんだ!演じているんだ!って。現場ではずっと山田でいてくれていたのだと、感激でした」
作間「あの撮影の時にそんなことを考えていたとは…ぜんぜん意識してませんでした。ほんとカメラマンさんや照明さん、皆さんの手を借りてキラキラにしてもらってるので。山下さんは、3日ぐらい遅れてのクランクインだったので、それまで僕は茜のいない状態で山田を演じなくてはならない日があって。山下さんが茜をどう作ってくるかで、山田のリアクションも変わるなって思っていたんですが、もう想像以上の茜でしたね。山下さんが演じる茜だったので、なんの不安もなく最後まで駆け抜けることができました」
――“世代を超えてみんなで一緒に山田にときめく”映画ということで、山下さんがときめいたシーン、もしくは好きなシーンを聞かせてください。
山下「後半のシーンになりますが、茜がすごく酔っぱらって、靴が脱げて、ベンチに座らせられて、山田がスッと手を差しだして手をつなぐシーンがあるのですが、作間さんの手がとても大きくて、私の手がすっごく小さくて。単に互いの手が大きい小さいというだけのことではあるけれど、そのシーンはラストシーン直前の大事な場面。それまで異性として見ていなかったのに、手によって偶然それが表現されたことが奇跡だなって思えたのでお気に入りのシーンです」
作間「手でかいんですよ、20センチあります(笑)」
――すてきなエピソードですね。また、原作ファンは「バレたか」のシーンがどんなふうに描かれるのかも気になっていると思います。
作間「ですよね、気になりますよね。そのシーンの段取り(リハーサル)の時に、プロデューサーさんがうるっときて泣き始めたんです。多分、原作がすごく好きで、映画化の企画を立てるなかいろんなことがあって、いよいよ『バレたか』のシーンだったからだと思うんですけど…。そんななか何回かテイクを重ねて、安川監督と一緒に、いまの『バレたか』はどうだった?こっちの『バレたか』のほうがよかった?って、微調整しながら撮っていきました」
山下「ただでさえ難しい山田役、そのなかでも『バレたか』は相当プレッシャーだろうなって思っていましたが、すばらしい『バレたか』でした」
作間「ありがとうございます(笑)」
取材・文/新谷里映
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