◆料理人川村洋太の24時間と3万円「旬食材のキャンプ飯を自然の中で味わう」
料理のプロがキャンプに行ったらどんな1皿を作るのか?都内の人気イタリア料理店で腕を振るう、川村さんのデイキャンプに密着。24時間と3万円の制限内で作るキャンプ飯には「料理の哲学」が詰まっていました
その土地で育ったものや旬のものを中心に食材を選んでいく川村さん
不自由から生まれる創作が
キャンプ飯の醍醐味
キャンプの満足度を上げる決め手は、なんと言ってもごはん。せっかくなら大自然だけじゃなく、おいしいものも堪能したい!ということで、料理人の川村さんと千葉県いすみ市のキャンプ場へやってきました。
まずは近くのローカルスーパーで買い出し。「いすみと言えば地だこが有名ですよね」と川村さん。地元食材を新鮮なうちに食べられるのもキャンプの魅力。旬の地野菜や肉を手に取り、メニューを練っていきます。続いてカゴに入れたのは、売り場でいちばん高価なオリーブ油(2750円)。お、お金足りますか?けれど川村さん「料理の味は油と塩で決まります。迷ったらいちばんいいものを買うべし」ときっぱり。ここは思い切って奮発しましょう。
野菜くずも無駄にせず、だしに活用
キャンプ場へ着き、まずはたこの煮込み作りから。ボイルたこを40分追い茹でするという斬新なレシピは、こうすることで身が格段にやわらかくなるのだとか。
煮込んでいる間に、肉と野菜の下準備。生ゴミもできるだけ減らしたいと、野菜のくずはたこを煮込む鍋の中へ。「たこに野菜のうまみが染みます。この煮汁でごはんを炊くと絶品ですよ」。こんな即興の楽しさも、キャンプ飯ならでは。料理人の腕が鳴ります。
野菜は油をからめて焼くと、熱伝導がよくなる
あとは直火でじっくり焼けば、たった1時間で3品のできあがり。熱々を頬張ると、野菜は甘くて、豚肉はやわらか。
キャンプ飯のイメージをはるかに超えた、さすがのクオリティ。まさにレストランの味です。
大自然をバックに料理をするのは、なかなかできない非日常体験
食材と道具を活かす創作の楽しみにあります。なんでも買い足せばキリがないから、ミニマルに。今回は調味料もオリーブ油と米酢、塩のみですが、それでも十分おいしくなるのが炭火焼きの魅力です」と川村さん。
不自由を楽しむ。それは、便利な生活に慣れきった私たちにとっていちばんの気分転換かもしれません。お腹も満たされ、青空の下、新緑を揺らす心地いい風に当たる時間には、確実にお金以上の価値がありました。
今回旅で作ったレシピはこちら
豚肉のポルケッタ風串焼き
野菜のハーブマリネ
【材料】
(豚肉のポルケッタ風串焼き)
豚肩ロース肉…10枚、好みの香草(ローズマリー、フェンネルシードなど)…適量、塩…少々、にんにく…1/2片、オリーブオイル…大さじ1
(野菜のハーブマリネ)
菜の花、玉ねぎ、にんじん、なすなど好みの野菜…適量、オリーブ油・米酢・塩・好みのハーブ(オレガノなど)…適量
【レシピ】
(豚肉のポルケッタ風串焼き)まな板の上に香草とにんにくを並べ、オリーブ油をまわしかけてみじん切りにして香草ペーストを作る。広げた豚肉を2枚重ね、香草ペーストを薄く伸ばし、端からくるくる巻き、5つできたら串で両端を刺して表面に塩をふる。網を敷いた直火で火が通るまで焼く
(野菜のハーブマリネ)野菜は食べやすい大きさに切り、にんじんだけ軽くゆでる。それぞれ水にくぐらせてから油を全体にまとわせ、網を敷いた直火で焦げ目が付くまで焼く。オリーブ油と米酢を2:1の割合で混ぜたものに塩・ハーブ少々を混ぜてマリネ液を作る。焼けた野菜を熱いうちにマリネ液へ浸ける
蛸の煮込みと季節のサラダ
【材料】
ボイルたこ…2本(170g)、プチトマト・金柑…各適量、わさび菜・オリーブ油・塩・米酢…適量
【レシピ】
ボイルだこをたっぷりの水に入れて塩少々を加え、弱火で1時間煮る。その間にわさび菜、種をとって好みの大きさに切った金柑と半分に切ったプチトマトをオリーブ油、塩であえてサラダを作る。煮上がったたこは網を敷いた直火でさっと焼いて炭の香りと焦げ目を付け、仕上げに米酢を回しかけて火から上げ、塩少々をふり、サラダの上に盛り付ける
◆川村洋太の24時間と3万円レシート
料理人川村洋太さん
PROFILE
東京、神奈川でのレストランの修業を経て、三宿の人気イタリア料理店でシェフを務める。季節の野菜と新鮮な魚介や肉のおいしさを活かした、シンプルなのに記憶に残る、繰り返し食べたくなる料理を作る
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