3月20日(木) 20:20
貸金庫とは、銀行内にある金庫を貸し出すサービスのことです。銀行内の金庫は厳重なセキュリティ体制によって管理されているため、自宅や会社に保管しておくことに不安がある大切な資産を、盗難や火災から守るために利用されます。
また、貸金庫を開けられるのは基本的に契約者だけで、銀行員は何が入れられているかを知ることができません。プライバシーが守られているため、第三者の目に触れさせたくないものを保管できます。
セキュリティが厳重な貸金庫ですが、契約者は営業時間内であればいつでも出し入れできます。もちろん、開けられるのは自分の金庫だけです。必要なときにすぐ中身を取り出せる手軽さもメリットの1つと言えるでしょう。
貸金庫にはどのようなものを保管するべきでしょうか? 貸金庫のメリットを最大限生かせるのは、例えば次のようなものです。
●貴金属や宝石
●株券や債券
●重要な契約書類
●重要データの入ったUSBメモリ
●暗号資産の秘密鍵
●記念品など思い出の品
●遺言書
代表的なものは貴金属や宝石、株券など資産価値の高いものです。自宅や会社で保管すると盗難や紛失の恐れがあるため、貸金庫に預けておくと安心です。
契約書類やUSBメモリ、暗号資産の秘密鍵といったものは、流出してしまうと損害を被る恐れがあります。こういった他人に見られたくない重要な情報も、貸金庫なら安全に保管できます。
プライベートなものを貸金庫に預けることも可能です。個人的な思い出の品や記念品、あるいは家族へあてた遺言書や相続関係の書類なども、貸金庫に預けるのに適しています。
三菱UFJ銀行やみずほ銀行の事件では、貸金庫から現金が窃取されたと報道されています。貸金庫に現金を預けるメリットはあるのでしょうか?
実は、貸金庫に現金を預けてもメリットはほとんどありません。貸金庫には利息もつきませんし、銀行口座と違って利用料もかかります。現金を預けるなら銀行口座を利用したほうがメリットは大きいでしょう。
貸金庫に現金が預けられていた理由は分かっていません。ただ、2024年12月17日に加藤勝信財務相が行った記者会見では、三菱UFJ銀行の事件と関連して記者から貸金庫がマネーロンダリング(資金洗浄)や脱税に使われる可能性があるという指摘がされました。加藤財務相はこの問題に対する回答は控えています。
もちろん、今回の事件で窃取された現金が不正な目的で預けられていたものとは限りません。しかし、いずれにしても、貸金庫に現金を入れておくメリットがほとんどないことは確かです。
貸金庫は、銀行の厳重なセキュリティの下で大切な資産を保管できるという大きなメリットがあります。ただし、現金については貸金庫で保管するよりも銀行口座へ預けたほうが、利息がつくなどメリットは大きいでしょう。
三菱UFJ銀行やみずほ銀行の事件は、大切な資産を守るという貸金庫のメリットを揺るがす事件であったため、大々的に報道されました。今回の事件を踏まえて貸金庫サービスはどのように変わっていくのか、今後の動きに注目したいところです。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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