2025年6月6日(金)に全国公開を控える映画「国宝」から、最新映像が解禁された。同時に、日本を代表する歌舞伎役者・中村鴈治郎さんが本作の歌舞伎指導を務め、さらに自らも出演していることが明らかとなり、映画ファンのみならず歌舞伎ファンからも熱い視線が注がれている。
【映像】「結局この世界、血やんか」—吉沢亮の絶望と覚悟が滲み出る特報映像を見る
■吉沢亮、稀代の女形に挑戦!歌舞伎界の頂点を目指す壮大な物語
「フラガール」「悪人」の李相日監督が、芸術選奨文部科学大臣賞と中央公論文芸賞をダブル受賞した吉田修一さんの傑作小説「国宝」を映像化した本作。主演を務めるのは吉沢亮さん。抗争で父を失った立花喜久雄を演じ、上方歌舞伎の名門・丹波屋の当主・花井半二郎(渡辺謙)に引き取られたあと、稀代の女形として開花していく姿を熱演する。吉沢さんと対をなすのは、半二郎の実子で御曹司の大垣俊介を演じる横浜流星さん。正反対の境遇から生まれた二人のライバル関係が、本作の骨格を形成している。さらに高畑充希さん、森七菜さん、寺島しのぶさん、渡辺謙さんら豪華キャストが彩る人間模様が、作品に深みを与える。
李相日監督は「この作品への決め手は、吉沢亮の存在。美しさと虚しさを併せ持つ妖艶なその存在感。役者として着実に成長し進化を遂げた今、まさに機が熟した宿命の出会いです」と語る。この“宿命の出会い”が、どのような感動を生み出すのか——、今から期待が高まる。
■歌舞伎界の重鎮・中村鴈治郎が歌舞伎指導&出演
このたび、本作の歌舞伎指導を、中村鴈治郎さんが務めたことが明らかとなった。人間国宝・四代目坂田藤十郎を父に持ち、2019年には紫綬褒章を授与された鴈治郎さんは、日本が誇る歌舞伎界の重鎮。実は、原作者・吉田修一さんが「国宝」を執筆するにあたり血肉とした3年間の黒衣経験も、中村鴈治郎さんのもとで培われたものだったという運命的な繋がりがある。
また、鴈治郎さんは森七菜さん演じる彰子の父親で歌舞伎役者・吾妻千五郎役として自らも出演。「普段は優しい李監督ですが、撮影現場ではよりよい作品を目指す方なので、とても厳しかったです。映画は舞台と違い、同じシーンを何度も撮るのでクタクタになると思います。ラッシュ版で吉沢亮さんを始め、彼らの歌舞伎のシーンを観た時に、その時の現場の状況を思い出し、とても感動しました」と、撮影を振り返る。
さらに、「この映画を通して、歌舞伎を知らない方には、歌舞伎ってこういうものなのかと感じてほしいですし、歌舞伎を観たことのある方には違和感なく、作り事でもなく、自然に観ていただければ一番いいな、と思っています。そして、この作品をご覧になった方々が歌舞伎に興味を持っていただければ、こんなにうれしいことはないです」と、本作への想いを語った。
■“魂を震わすほどの熱狂”—最新映像が解禁
解禁された特報映像は、吉沢亮さん演じる稀代の女形・立花喜久雄が、美しい白塗り姿でセリ上がるシーンから始まる。そして親友として、ライバルとして、互いに高め合っていた俊介との衝突、「結局この世界、血やんか」という絶望のセリフ、激動の時代を駆け上がる若者たちの姿が垣間見える内容となっている。
併せて、本作の撮影を「アデル、ブルーは熱い色」で第66回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを獲得した、チュニジア系フランス人のソフィアン・エル・ファニが担当することも明らかに。李監督たっての希望でオファーしたという。日本の伝統文化を舞台とした壮大な物語を、グローバルに活躍するカメラマンが世界にも通ずる視点で捉えた映像美は必見。原作者・吉田修一さんも「100年に一本の壮大な芸道映画」と太鼓判を押す本作は、類を見ない日本映画の金字塔となりそうだ。
誰も観たことがない「歌舞伎」という禁断の世界で、運命に翻弄されながらも激動の時代を駆け上がり、ついには"国の宝"となるまでの壮大な物語—。2025年6月6日(金)、映画「国宝」の幕が上がる。
映画「国宝」概要
公開日:2025年6月6日(金)
監督:李相日
脚本:奥寺佐渡子
出演:吉沢亮
横浜流星/高畑充希、寺島しのぶ
森七菜、三浦貴大、見上愛、黒川想矢、越山敬達
永瀬正敏
嶋田久作、宮澤エマ、田中泯
渡辺謙
原作:「国宝」吉田修一著(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
配給:東宝
(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会
【関連記事】
・
吉沢亮&横浜流星、李相日監督作品で共演!歌舞伎の世界を描く「国宝」6月6日公開へ
・
ティモシー・シャラメが映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」で来日!レッドカーペットイベントの様子を詳細レポート
・
ティモシー・シャラメが若き日のボブ・ディランを熱演!映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」の見どころを紹介
・
広瀬すず主演の映画「ゆきてかへらぬ」の見どころを紹介。実在した女優×不世出の天才詩人×文芸評論家が織りなす奇妙な三角関係を描く
・
橋本愛「これって私のキャラ的に許されるかな…?」パブリックイメージとのギャップの苦悩は今も