最近会社が「iDeCoプラス」を始めたのですが、加入するとどのようなメリットがありますか?

最近会社が「iDeCoプラス」を始めたのですが、加入するとどのようなメリットがありますか?

3月19日(水) 2:00

中小企業に勤めるAさん。勤務先がiDeCoプラスを始めたとのことです。現在、iDeCoは加入していますが、将来のことを考えてiDeCoプラスにも加入しようかと思案中です。今回はiDeCoプラスの制度の仕組み、メリット・デメリットが何なのかを見ていきましょう。

iDeCoプラスとは

iDeCoプラスは「中小事業主掛金納付制度」の通称です。企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金の企業年金を実施していない従業員300人以下の中小企業の事業主が、従業員の老後の所得確保を支援できるよう、iDeCoに加入している公的年金の厚生年金被保険者である従業員が事業主掛金を拠出ことに同意した場合に、その従業員のiDeCoの掛金に上乗せして、事業主が掛金を拠出するものです。
 
また、事業主掛金を拠出する場合に労使合意が必要で、その掛金額を変更する場合にも同意が必要です。掛金の拠出は定額で、事業主掛金と従業員の掛金の合計額は月額5000円以上2万3000円以下の範囲で1000円単位の設定が可能で、一定の資格ごと(例:一定の職種や一定の勤続年数)に掛金を設定することも可能です。
 
また、事業主のみが掛金を拠出することはできませんので、iDeCo加入者は最低1000円以上の掛金を1000円単位で拠出する必要がありますが、加入者掛金が事業主掛金を下回っていても構いません。ただし、iDeCoに加入していない従業員に掛金を拠出したり、iDeCoに加入したくない従業員に加入を強制したりすることはできません。
加入者掛金は天引きとなり、それを事業主が事業主掛金と取りまとめて納付します。
 
事業主は従業員の老後の所得確保を支援できることに加えて、事業主掛金は全額が損金に算入されるという税制上のメリットもあります(従業員は全額所得控除[小規模企業共済等掛金控除]となります)。
 

iDeCoプラスのメリット、注意点は、

iDeCoプラスのメリット・注意点は、事業者、従業員それぞれあります。
 

<事業者側のメリット>

金銭面では、企業型確定拠出年金に比べ導入しやすい、制度利用に運営管理コスト(事業主の支払うコスト)がない、そして掛金の全額が損金算入できますし、同額の賃上げに比べて会社負担の社会保険料の増額の抑制というメリットがあります。
また、福利厚生の充実にもなりますので、人材確保や定着につながるメリットもあります。
 

<事業者側の注意点>

対象にできる従業員がiDeCo加入者に限られますので、従業員全員が満足できる制度にはならない、社内規程の再整備、給与天引き等の事務負担が発生する点が挙げられます。
 

<従業員側のメリット>

金銭面では事業主が拠出した掛金も本人が管理・運用できるので、好調な成績を収めれば、年金資産の増加が見込まれ老後の資産形成に好影響を及ぼします。さらに、税制でも掛金は全額小規模企業共済等掛金控除として所得控除され、運用益は非課税ですのでこちらも好影響を及ぼします。
同様に、60歳以降に給付を受けるときは、年金で受け取る場合は公的年金等控除、一時金で受け取る場合は退職所得控除の対象となりこちらも節税効果が見込まれます。また、仮に転職・離職した場合には年金資産の移換ができるメリットもあります。
 

<従業員側の注意点>

一般のiDeCoのデメリットである60歳まで引き出せない、元本割れリスク、運用手数料等加入から受け取りまでの手数料負担の3つがあります。運用成績しだいでは資産が減少します。もちろん、これを機に加入する場合はiDeCoの仕組みを理解しなければなりません。
 

最終的には自身の判断

この制度も利用するか否かは従業員ご自身の判断となります。せっかく会社が導入してくれた福利厚生制度ですので、iDeCoについてご自身で勉強した上で加入を前向きに検討してはいかがでしょうか。
 

出典

国民年金基金連合会iDeCo+(イデコプラス)
厚生労働省iDeCo+のご案内(事業者向け)
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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