ドジャースvsカブス「MLB東京シリーズ」(Part.3)山本由伸&佐々木朗希は "カブス打線の要"鈴木誠也を抑え込めるか?

鈴木は山本に対して、NPB時代は4打数1安打(3三振)、MLBでも昨季4打数0安打1四球(3三振)…

ドジャースvsカブス「MLB東京シリーズ」(Part.3)山本由伸&佐々木朗希は "カブス打線の要"鈴木誠也を抑え込めるか?

3月17日(月) 21:00

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鈴木は山本に対して、NPB時代は4打数1安打(3三振)、MLBでも昨季4打数0安打1四球(3三振)の通算8打数1安打6三振。スプリットに悩まされているようだ

鈴木は山本に対して、NPB時代は4打数1安打(3三振)、MLBでも昨季4打数0安打1四球(3三振)の通算8打数1安打6三振。スプリットに悩まされているようだ

大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希を擁するドジャースと今永昇太、鈴木誠也を擁するカブスが東京ドームで激突!阪神、巨人とのプレシーズンゲームも含め、大盛り上がり必至の「MLB東京シリーズ」で特に見逃せない"勝負"とは!?

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■山本と佐々木はベストな状態でない 東京ドームでの開幕2連戦。ドジャースの開幕投手は山本由伸が内定。さらに、3月5日時点ではまだマイナー契約ながら、第2戦の先発は佐々木朗希が有力だ。対するカブス打線にはDHでの出場が有力の鈴木誠也がいるだけに、こちらでも日本人対決が実現することになる。

鈴木と佐々木はNPB時代に対戦経験はないが、山本とはNPB公式戦で4打数1安打(3三振)、MLBでも昨季4打数0安打1四球(3三振)で通算8打数1安打6三振。鈴木の完敗と言っていいだろう。お股ニキ氏はその要因として、落ち球への対応を指摘する。

「鈴木はフォークやスプリット系の落ち球に弱い印象があります。以前、『山本のスプリットを警戒している』とも語っていました。佐々木もフォークを武器としているので、ドジャースからすればどれだけ落ち球を徹底できるか、という勝負になりそうです」

ただ、佐々木に関しては、日本で完全試合を達成したときのような〝全盛期のフォーク〟ではないことが懸念点だ。

「2022年4月の完全試合の際、最後に杉本裕太郎(オリックス)から三振を奪った球は146キロのフォークでした。振っても空振り、見逃してもストライクという、打者からすれば対処のしようがないベストボールでした。

しかし、昨季のフォークは129キロ程度のときもあるなど球速ダウン。変化量も大きく、全盛期より見極めやすいのは明らかです」

球速ダウンはフォークだけではない。昨季のストレートの最速はベストより3キロ遅い162キロで、平均球速も前年の159キロから3キロ以上遅くなった。

そのためか、MLB移籍に際して、「なぜ球速が低下したのかを分析し、今後起きないためのプランを提示すること」という宿題を各球団に出していたことが話題となった。

「私からすれば理由は明白で、フォームが変わったからです。スライダーを改善したいという意識が強すぎるためなのか、体が開きすぎ。完全試合を達成した22年頃と比べると、昨季は体がホームに向かって真っすぐ投げられていませんでした。結果として、ストレートは引っかけ気味になり、球速と球質が低下してしまったのです」

では、今季のフォームと球質はどうなのか?

「昨季よりは改善されているし、キャンプ初日のブルペンよりも、その後のライブBP(実戦形式の打撃練習)のほうが良くなっています。ドジャースの指導も入ったのでしょう。それでもまだ95マイル(約153キロ)程度。練習とはいえ97マイル(約155キロ)は出してほしい。23歳の投手としては及第点ですが、期待の高さからすれば、強度もまだまだ物足りないです」

山本由伸(ドジャース)

山本由伸(ドジャース)

物足りなさでは、山本にも気になる点があるという。

「昨季序盤よりも球の強度は上がっていると思いますが、相手が慣れてきたこともあって、打たれるときは3、4失点してしまう。試合によって良い、悪いがはっきりしてきています。

日本で無双していた22、23年頃と比べると若干、〝間〟もなく、投球も少し単調と言えます。サイ・ヤング賞を本気で狙うなら、7回1失点を継続できる投球を目指してほしいです」



■〝日本人最強右打者〟鈴木の現在地 鈴木といえば、今季は基本的に守備に就かず、DHを主戦場に戦うことも注目点のひとつだ。

「MLBで通用するために体を大きくしたせいか、近年は動きが少し重い。昨季から体重をやや落としたものの、一昨年にプレーオフ進出を逃す致命的なエラーをしてからは守備でややメンタル面の影響があるように感じます。そのような背景があり、今季はDH専任になったのだと思います」

鈴木誠也(カブス)

鈴木誠也(カブス)

逆に考えれば、パワーやフィジカル面で鈴木がチーム屈指の存在だからこそ、DHを任された、ということ。時代は大きく変わったと言える。

「大谷同様、日本人野手がMLBのDHに入る時代になったことは感慨深いです。MLB1年目は打率2割6分台で14本塁打。そこから2、3年目はいずれも打率2割8分台で、日本人の右打者として初めて2年連続20本塁打以上を達成しました。

OPS(出塁率+長打率)でも、昨季夏以降はMLB全体でトップ10入りしていました。大谷がいるため目立たないものの、間違いなく歴代日本人最強の右打者です」

2年目以降の飛躍の要因はどこにあるのか?

「上半身と下半身が同時に動き出す1年目の打ち方ではMLBのスピードに対応できず、差し込まれる場面が目立ちました。ところが、現在は打ち方を変え、下半身は粘って上半身だけ先に始動することでひねりをうまく使えています。師匠と仰ぐ内川聖一さん(元ソフトバンクほか)の打ち方に似てきましたね」



■佐々木は東京ドームが鬼門? 大谷vs今永に注目が集まりがちだが、山本・佐々木vs鈴木の対決もやはり見逃せない。ちなみに、勝負を決する要素に東京ドームの影響はあるのか?

「日本人選手にとっては全員経験がある球場ですし、マウンドもMLB仕様になるため、関係はないでしょう。ただ、アメリカの球場よりも狭く、一発が出やすい球場なのは間違いありません。普段、風の影響で打者に不利なリグレー・フィールドでもしっかりと結果を出している鈴木からすれば戦いやすいでしょう」

佐々木朗希(ドジャース)

佐々木朗希(ドジャース)

風の影響といえば、ZOZOマリンスタジアムを本拠地としているロッテ出身の佐々木にとってはこの無風のドームが〝逆風〟となる可能性もある。実際、佐々木はNPB時代に東京ドームを鬼門としていた。

「屋外に比べてフォークの威力が落ちるためか、最高の投球が続いた22年シーズンでも、オープン戦と交流戦で岡本和真(巨人)相手に手痛い本塁打を浴びたのは東京ドームでした。ほかにも京セラドームやベルーナドームでは防御率の数字も落としています。佐々木にとってはいきなり正念場かもしれません」

文/オグマナオト写真/時事通信社

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