【ご当地食材レシピ】銀座熊本館で出合った「南関あげ」と「赤酒」が優秀すぎる! 毎日の献立に使いやすいその特徴とは?

熊本県に伝わる揚げ豆腐「南関あげ」

【ご当地食材レシピ】銀座熊本館で出合った「南関あげ」と「赤酒」が優秀すぎる! 毎日の献立に使いやすいその特徴とは?

3月17日(月) 8:00

熊本県に伝わる揚げ豆腐「南関あげ」
【画像で確認】みりんと酒がこれ1本でOK! プロの料理人も愛用する熊本の「赤酒」ってどんな色?

東京・銀座に、全国各地のアンテナショップが集結しているのをご存知ですか?

北は北海道から、南は沖縄まで、その数なんと20店舗以上!

地元でしか手に入らない珍しい特産品が店内にぎっしりと並んでいて、旅行先でお土産を選んでいるようなわくわくした気持ちにさせてくれますよね。

アンテナショップというと銘菓や地酒に目が行きがちですが、今度店を訪れたらぜひ注目してほしいのが、その土地ならではの貴重な食材。

注意していないと素通りしてしまうような一見地味な商品の中に、毎日の献立に活用できるキラリと光る「新たな出合い」が隠れているんです!

先日立ち寄った銀座5丁目にある「銀座熊本館」でも、おもしろい食材を見つけましたよ!

■九州の家庭ではおなじみ! ふっくらジューシー「南関あげ」
1つ目は、「南関あげ」という油揚げ。なんだ油揚げか、なんて思わないでください。これ、熊本館でもトップ3に入る人気商品なんですよ!
袋の中には、大判の板状の油揚げが3枚

まず、常温で販売されていることに驚きました。生ものである油揚げは、一般的には冷蔵で販売されていますよね。どれくらい保存できるんだろうと、賞味期限を確認すると…なんと約3ヶ月!!え、すごい日持ちする!!

わが家ではいつも油揚げを使い切れずに賞味期限を迎えてしまい、あわてて冷凍しているので、これだけ長期保存がきくと、かなり使い勝手がいいですよね。
日持ちするので、ちょっと使いたいときにも便利

なぜ、こんなに長期保存ができるかというと、水分を極力減らして揚げているからなんです。

1枚持ってみると、軽い!! 水分はほぼ含まれておらず、「カラカラ」という表現が合っている気がします。
水分をほとんど含んでいないので軽い

厚みはこれぐらい。小さな衝撃でサクッと割れてしまいそうなので、大切に持ちます。
厚みもそこそこある

この南関あげ、通常の油揚げと同様にいろいろな料理に使えますが、おすすめは断然「煮込み料理」!水分が含まれていない分、煮汁がしみやすく、ふっくらジューシーに仕上がるんです。

というわけで、南関あげを製造・販売している「塩山食品」の公式HPに掲載されていた「南関あげジャガ」を作ってみました!

南関あげジャガ

【作り方】
1.じゃがいも・にんじんは乱切り、玉ねぎはくし切り、南関あげはザクザクに切ります。
(例えるなら薄くのばしたスナック菓子を、包丁でザクッと切っているような感じ…!)
ザクザクと切る!

2.鍋に油を大さじ2を入れ、じゃがいも、にんじん、玉ねぎを入れて炒めます。
食材に油がまわるまで炒める

3.南関あげ・調味料(だし汁・しょうゆ・酒・砂糖・みりん)を加えます。
かき混ぜたくなりますが、ここで混ぜるとおそらく粉々に割れるので、しばらくこのまま放置!
調味料を入れたら、具材がやわらかくなるまで煮込んで

アクを取ってコトコトに煮込みます。いい感じに煮えてきました。
南関あげが煮汁をすってやわらかくなれば、混ぜてもOK

4.火を止める前にいんげんを入れて、煮えたらできあがり。
いんげんはできあがりの少し前に加えて、さっと煮て

南関あげもふっくらとして、おだしをたっぷり吸っています。
煮汁をたっぷりすった南関揚げがおいしそう!

器に盛りつけて、さっそくいただきます! 彩りも鮮やかでおいしそう!
「南関あげジャガ」。お揚げたっぷり、彩りもきれい!

南関あげから食べてみると、口いっぱいに甘辛い煮汁がじゅわ~。いつも食べている油揚げよりももっちりとした食感で、噛むほどにお揚げの濃いうまみが広がります。このうまみはにんじんやじゃがいもにもしみていて、煮もの全体が南関あげの懐に抱かれている感じ。南関あげの存在感、すごいです!

保存をしても風味が落ちず、作りたての味わいや香りが長持ちするのも、南関あげの特徴。

地元の人にとっては定番の食材で、みそ汁や鍋、巻き寿司(海苔ではなく南関あげで巻く)、炊き込みご飯…と日々のごはん作りに大活躍なんだそうです。

■酒もみりんもこれ1本で! プロも愛用する「赤酒」
2つ目は、熊本に古くから受け継がれてきた伝統的な「赤酒」。

灰を使って酸敗を防ぎ、保存性を保つ「灰持(あくもち)」という製法で造られており、名前の通り赤みを帯びた色をしているのが特徴です。
 熊本の地酒「赤酒」は赤褐色。肉や魚をふっくらやわらかく仕上げてくれる

お酒ですが、みりんと同様に甘みがあり、熊本ではみりんや料理酒に代わる調味料として愛用されてきました。

というわけで、みりんと比較してみると、色味が全然違う!味と香りも、すっきりとしたみりんに比べて赤酒はどちらも芳醇。甘みも濃厚です。
発酵の過程を経て造られる赤酒は、赤褐色。味も香りも濃厚

この赤酒が料理に使われている一番の理由は、肉や魚をふっくらと仕上げてくれること!

みりんや料理酒が「酸性」であるのに対し、赤酒は「微アルカリ性」のため、加熱しても肉や魚の身を締めずに調理できるんです。

幅広い用途で使うことができ、煮ものの味つけに使えば、カドのとれた上品なできばえに。照り焼きや煮魚のてり・つやをつけるのにも、いい仕事をしてくれます。

この赤酒の可能性にほれ込むプロの料理人は多く、熊本県内だけでなく全国で使用されているんですよ。

肉や魚を赤酒に漬け込んで焼くだけでもその効果が実感できるということで、今回は固くなりがちな冷凍の塩さばで試してみました!

塩さば赤酒焼き

【作り方】
塩さばを赤酒につけてしばらくおきます。
 魚や肉を赤酒に漬けると、仕上がりがやわらかくふっくら!

あとは、魚焼きグリルで焼くだけ!
 赤酒は焦げやすいので、焼く前に表面をキッチンペーパーなどでよく拭くのを忘れずに

※表面が焦げやすいので、赤酒を軽く拭き取り、最初はアルミホイルをかけて焼き始めるのが焦がさないポイント!
 アルミホイルをかけて焼き、仕上げにアルミホイルを外して焦げ目をつけると◎

おいしそうに焼き上がりました! 表面がつやつや!
 「塩さばの赤酒焼き」。てりてりでおいしそう!

冷凍ものなのに、身もふっくらと仕上がっています。この手法、「塩鮭」や「塩さんま」といったほかの魚にも使えるのでぜひ試してみてください。
冷凍の塩さばがふっくら焼き上がった!

ほかにも、とりの1枚肉や手羽先を赤酒に漬けてから調理したり、みりんの代わりに牛丼や角煮などの煮ものに使ったり、豚汁に加えてコクを出したり、酒の代わりにあさりを蒸したり、とその使い方は本当に多彩!

創業150余年を誇る熊本の酒造「瑞鷹株式会社」の公式HPには、赤酒のよさを活かしたレシピがたくさん掲載されているので、ぜひ1度のぞいてみてください。

***

その土地に根づいたご当地食材は、その特徴や用途を深く知ると、ぐっと興味がそそられてきますよね!

今回ご紹介した「南関あげ」や「赤酒」はオンラインショップでも購入できるので、気になった方はぜひご自宅で試してみてください。

文=齋藤久美子


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