3月16日(日) 19:50
生命保険契約の満期や解約して保険金を受け取った際は、保険料負担者と保険金受取人が誰かによって、贈与税もしくは所得税のいずれかの課税対象になります。
満期保険金の税金は、契約者と受取人が同一人の場合は所得税、異なる場合が贈与税です。所得税の種類は年金で受け取る場合は雑所得、一時金で受け取る場合は一時所得です。
一時所得の金額は、その満期保険金等以外に他の一時所得がないとした場合、受け取った保険金の総額より、すでに払い込んだ保険料または掛け金の額を差し引き、加えて一時所得の特別控除額50万円を引いた金額となります。課税対象となるのは、この金額をさらに2分の1にした金額です。
一時所得の課税対象額=(満期保険金-払込保険料総額-特別控除50万円)×1/2
雑所得の金額は、その年の間に受け取った年金額から、その金額に対応する払込保険料の額を差し引いた金額です。
雑所得の金額=年金年額−年金年額×(払込保険料総額/年金の受取総額)
なお、年金を受け取る際には、原則、所得税が源泉徴収されることになります。
保険会社によりますが、一般に、保険金を受け取る方法には、(1)一時金で受け取る方法、(2)年金で受け取る方法、(3)一部を一時金で、残りを年金で受け取る方法があり、事前に年金支払特約を付加することで、保険金の支払い事由が発生したときに、保険金の受け取り方法を選択できる場合があります。
また、年金支払特約の中途付加も可能です。満期保険金を年金で受け取る場合の課税関係は、年金支払特約の設定時期によって異なります。年金支払特約を「満期日前」に設定していた場合、満期保険金等を年金で受領したときに、公的年金等以外の雑所得となり、所得税・住民税の課税対象です。
年金支払特約を「満期日後」に設定していた場合、満期日に満期保険金を受け取ったと考え、満期保険金を実際に受け取っていなくとも満期日に一時所得として認識し、その後の年金額は雑所得として申告します。
据え置きとは、満期保険金などを実際に受け取らずに、生命保険会社に預けておくことをいいます(最長10年)。据え置き金はいつでも必要なときに引き出せます。据え置き金には所定の利息がつきます。
生命保険契約と据え置き契約は別個の契約であるので、満期保険金を実際に受け取っていなくても受け取る権利が確定したとき(満期日)に課税関係が生じますので注意してください(所得税基本通達36-13)。
つまり、いったん満期日に満期保険金を受け取り、それを保険会社に預けて運用してもらっていると税法は考えています。満期保険金を実際に受け取っていなくても、満期日に(本来の受取時期)に所得税・住民税の課税対象ですので、翌年の確定申告を忘れずに行ってください。
国税庁No.1755生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき
公益財団法人生命保険文化センターQ. 個人年金保険の年金を受け取って所得税がかかるときの計算方法は?
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。
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