『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。2007年マツダRX-8を所有するベンのもとに、アンダーシール作業を終えたメカニックのピート・テイラーからメールが届いた。
【画像】「カリカリ」になったRX-8のボロボロの下回りと、作業後の様子(写真3点)
一般的にマツダRX-8は、英国の冬をうまく乗り切れないのが通例だ。ちょっと検索するだけで、工場出荷時のアンダーシールが貧弱なせいで、ボディの下回りがボロボロになっているといった投稿がいろいろ出てくる。
私のRX-8は走行距離5万マイルを超え、たしかにかなりひどい状態になっていた。私が購入してからはまだ3年だが、イギリスの道路は塩まみれだ。走行距離が2000マイル以下にもかかわらず、下回りはヤバい状態になっていた。昨年の夏、RX-8のスペシャリストのピートが、整備を終えてキーを返すときに「カリカリになってきているよ」と教えてくれた。数カ月後、車検の整備員までもが、一言一句同じ警告をしてきたとき、すぐに手を打たなければならないと悟った。
そこで、私はRX-8をしばらく路上には出さず、しっかり乾かすためガレージに置いておいた。下回りは予想通りの状態だった。フジツボがいるんじゃないかと、半信半疑で下の方をつっついてみたほどだ。たぶん、穴もいくつか空いているのだろう…
次のステップは、RX-8をメルトン・モーブレー郊外のピートの家まで、晴れた日に持って行って預けることだった。このRX-8の価値はほとんどなく、この先何年も大幅に値上がりすることはないだろう。なので私の目的は単純に、費用を最小限に抑えつつうまく維持することだった。
私は、どのような天候であれ、この車をドライブして楽しみたいと思っている。特に、軽いトルクのロータリーエンジンなので、ウェットコンディションでしか実力を発揮できないこともある。ピートの簡素な敷地にある作業場と、それに合ったリーズナブルな工賃のおかげで、まさにそれを楽しむことが可能になるのだ!
ピートはRX-8を乾燥させ、作業台に上げ、表面の錆のそばのトリムやカバーを外した。そして、ドリルにワイヤーホイール、ワイヤーブラシ、砥石を組み合わせ、フレーク状になった錆を取り除いてくれた。さらにエアーを吹きつけ、全体的に綺麗にした。その時になって初めて、彼はこれ以上の問題が潜んでいないことを確認できた。そして親切にも、穴の数がゼロだったことをメールで知らせてくれたのだった。
その後ピートは、分厚く黒いアンダーシールの1層目を塗り、一晩乾かしてから2層目を塗った。そしてトリムを再装着し数日後、RX-8が私のもとに戻ってきた。もう、雨が降っても、融雪剤が撒かれていても、罪悪感を覚えずにこの車を年間通して使えるようになったと思うと、かなり嬉しい。
文:Ben Barry
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