生後8カ月の娘は、お昼過ぎに嘔吐をすることがたびたびありました。その際、胃腸炎との診断を受けていましたが、離乳食日記を見ると、嘔吐する日にまさかの共通点があったのです。
娘が嘔吐する日の共通点嘔吐の原因を探るため、私の育児記録を見てみると、朝食にキウイを出しているという共通点がありました。
しかし、私の記憶でも離乳食日記でも、娘は食後すぐに嘔吐をしたことはなく、蕁麻疹やかゆそうな様子もありませんでした。
私は、もしかしたら娘はアレルギーなのかもしれないと思い、病院を受診することに。
医師の判断で血液検査をすることとなり、その結果を見るとやはりキウイが引っかかりました。
しかし、結果は「アレルゲンの可能性がある」というレベル程度で、娘の嘔吐はアレルギー反応だったのか、胃腸炎だったのか、そのときには医師の判断はつかなかったのですが、医師の指示でキウイは当分除去することに決定しました。
食物経口負荷試験でわかった衝撃の結果その後は1年に1回の定期検診で病院に通い、娘が5歳になって負荷試験に耐えられるようになったころ、血液検査の数値も変わりないので、日帰り入院でキウイを食べてみることに。
「1cm角程度の大きさのキウイを食べて、アレルギー反応が出ないか様子を見る」という工程を2回繰り返しました。2回目の摂取から3時間以上が経過し、反応が出ないので無事終了!
しかし退院しようとしたときに、まさかの嘔吐……。なんと娘は「消化管アレルギー」だったのです。
この経験を通じて、離乳食期に胃腸炎と診断された嘔吐も消化管アレルギーの反応だったとわかり、その後キウイは絶食することになりました。1年に1回の定期検診で実施される血液検査の結果は低い数値だったのに反して、実際は嘔吐を繰り返しアレルギー反応が強く出ていた娘。血液検査の結果だけがすべてではないのだと、アレルギーの怖さを夫婦で実感しました。
◇◇◇
「消化管アレルギー」は近年、患者数が増加傾向にあり、主に新生児期から乳児期にかけて発症します。
主な症状として嘔吐や下痢が挙げられ、胃腸炎の症状と似ています。症状は原因となる食物が腸まで達し、消化・吸収される過程で現れるため、一般的な即時型の食物アレルギーに比べて発症までの時間が遅くなることが多いのが特徴です。
消化管アレルギーの場合、通常のアレルギー血液検査(IgE抗体検査)では必ずしも陽性にならず、診断の参考にならないことがあります。そのため、原因と考えられる食物を除去して症状が改善するかを確認する「食物除去試験」や、その食品を再び摂取した際に症状が再現されるかを確かめる「食物負荷試験」などをおこない診断します。
今回の体験談のように、特定の食品を食べたあとに消化管アレルギーが疑われる症状が現れた場合は、まずはかかりつけ医やアレルギー専門医に相談しましょう。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:藤井 はな/30代女性。2017年生まれの女の子と2021年生まれの男の子のママ。出産を機に専業主婦になり、たまに在宅ワークをしている。元気いっぱいでやんちゃな2人に振り回されながら毎日育児に奮闘中! 趣味はピアノを弾くことと、簡単でおいしい料理を作ること。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)
監修者:医師 神奈川県立こども医療センターアレルギー科医長 高増哲也先生 1989年広島大学医学部医学科卒業。東京大学小児科、茅ヶ崎市立病院小児科、横浜市立大学寄生虫学などを経て、99年から現職。日本アレルギー学会 指導医。日本小児臨床アレルギー学会 理事。17年より神奈川県立保健福祉大学 臨床教授。19年より神奈川県立こども医療センターアレルギーセンター 副センター長。2022年より地域保健推進部長も兼任。
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