3月12日(水) 2:30
自動車の所有者は、毎年「自動車税種別割」の支払いが命じられます。もともと「自動車税」の名前で納税されていたものが、2019年に環境性能割が導入された際に名前が変更されました。
また、「グリーン化特例」とは、適用期間(令和5年4月1日〜令和8年3月31日)に対象となる種類の車(電気自動車など)の新車新規登録を行うと、翌年度分の税が軽減される特例措置です。概ね75%の軽減措置が受けられます。
※自動車に関しては、取得・保有・走行(利用)の各段階において総合的な課税が行われています。
グリーン化特例の減税制度は「軽課」と呼ばれ、環境性能基準をクリアした自動車が受けられるものです。一方で、環境負荷の大きい自動車に対しては「重課」という措置もあります。重課は、新車登録から一定期間が経過したガソリン車などの自動車に課される制度で、概ね15%重課されます。
乗用車(一般)について、自動車種別割の1年分の金額をまとめると図表1のようになります。
図表1
総排気量 | 「軽課」対象車 | 通常の税額 | 「重課」対象車 |
---|---|---|---|
1000cc以下 | 6500円 | 2万5000円 | 3万3900円 |
〜1500cc以下 | 8000円 | 3万500円 | 3万9600円 |
〜2000cc以下 | 9000円 | 3万6000円 | 4万5400円 |
〜2500cc以下 | 1万1000円 | 4万3500円 | 5万1700円 |
〜3000cc以下 | 1万2500円 | 5万円 | 5万8600円 |
〜3500cc以下 | 1万6500円 | 5万7000円 | 6万6700円 |
出典:栃木県「令和5(2023)年度自動車税(種別割)税率早見表」を基に筆者作成
1000cc超〜1500cc以下の自動車の場合、新車登録から13年経過すると自動車税種別割が重課され3万9600円となります。通常の税額よりも、9000円程度の負担増です。また、ディーゼル車については11年経過時点で重課の対象となるため注意しましょう。
なお、電気自動車・燃料電池自動車・ハイブリッド車など、環境負荷が小さいとされる車種には、グリーン化特例の重課は適用されません。
古い車の場合、グリーン化特例の重課の対象となる場合が多いですが、東京都には「ヴィンテージカー減免」という措置があり、申請することでグリーン化特例の重課に対して減免措置を受けられる可能性があります。該当する自動車は1945年までに製造された車で、古い車でも重課分の納税が発生しません。
また、東京都が指定する「DPF」が搭載された自動車は、「DPF減免」を受けられます。DPFとは粒子物質減少装置というもので、排気ガスに含まれる空気汚染物質を収集して、自動的に燃焼処理を行うものです。
なお、ヴィンテージカー減免は一度申請することで再度申請は必要ありませんが、DPF減税は毎年度の申請が必要となります。
東京都以外で、古い車の納税負担を和らげるには、税金以外の維持費をできるだけおさえることが重要と言えます。東京都では、上記の例が適用されない場合もあるでしょう。
例えば、日々のメンテナンスに注意することで、故障のリスクを軽減できる可能性があります。
また、運転中の急発進や急ブレーキなど車に負担がかかる操作を軽減することで、不具合が起きにくくなるようです。古い車は壊れやすい点を念頭に置き、安全運転を心がけることで余計な修理費を軽減できるでしょう。
新車登録から13年を経過した自動車は、新車登録時よりも自動車税の負担が9000円程度増えます。そのため、古い自動車はどうしても維持費にかかる負担が大きくなるでしょう。
東京都で登録している自動車については、車によってはヴィンテージカー減免やDPF減免を受けられる可能性もあり、納税負担を軽減できるかもしれません。
一方で、東京都以外に住んでいる方は減免措置がないようです。それでも古い車を維持したい場合は、自動車税以外にかかる維持費をできるだけおさえることが負担を和らげることにつながるでしょう。
栃木県「令和5(2023)年度自動車税(種別割)税率早見表」(1~3ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
車は「5年おき」に買い替えるのがお得? 10年乗る人とは「400万円」の差に!? メリットについても解説