「心臓が勝手にドキドキ」心不全や脳梗塞を引き起こす可能性も…不整脈の見逃せない症状と対処法

「心臓が勝手にドキドキ」心不全や脳梗塞を引き起こす可能性も…不整脈の見逃せない症状と対処法

3月12日(水) 9:55

何もしていないのに心臓がドキドキするという経験をしたことはありますか? 走ったりしたわけでもないのに急に心拍が上がるのは、もしかしたら不整脈かもしれません。不整脈は放置すると命の危険にも関わる病気です。不整脈の専門医として活躍されている新田正光先生に、不整脈の危険性についてお伺いしました。
不整脈の原因は?
不整脈は遺伝する
不整脈とは脈がゆっくり打つ、速く打つ、または不規則に打つなど脈が乱れた状態のことを指します。 拍動が1分間に50回以下の場合を徐脈 100回以上の場合を頻脈 というそうです。

「健康な成人であれば、1分間の脈拍数は60〜100回程度だといわれています。

不整脈は病気によって引き起こされるものと、生理的なものによって引き起こされるものがあります。

生理的なものというのは、運動や発熱、緊張などの精神的興奮によるものです。これは誰にでも起こりうる生理的な頻脈ですので、特に問題はありません。

脈拍は不規則になるものの中に、期外収縮(きがいしゅうしゅく)というものがあります。 期外収縮とは、正常な拍動の中に、時々不規則な拍動が現れることです。 いわゆる、心拍が飛ぶという状態です。これは、1日に100回未満であれば問題はありません。

期外収縮は30歳を超えると誰にでも見られるようになるもので、健康な人でも起こります 」(新田先生)

不整脈の原因はどのようなものがあるのでしょうか?

「まず、冠動脈疾患(心筋の酸素不足により胸痛発作が起こる病気)や心不全(心臓の異常により、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態)などの 心疾患が原因 として挙げられます。他の病気としては、高血圧や甲状腺の病気、遺伝子疾患も原因になります。

心配するほどではありませんが、血圧を下げる降圧薬や抗不整脈薬などの薬の副作用で不整脈が起こってしまうこともありますね。

あとは 加齢やストレス、睡眠不足、疲労も原因の1つ ではあります」(新田先生)
不整脈のタイプは?
心拍数によって3つのタイプに分けられる
3本指を立てているイメージ

心拍数によって不整脈をタイプ分けすると、3つのタイプに分けられます。

(1)頻脈性不整脈
1分間に100回以上心拍がある状態 の不整脈。
頻脈になると心臓が効率的に血液を送り出すことができなくなり、心拍が速くなりすぎると心臓がから打ち状態(心臓から血液を送り出せていない状態)になることもあります。
心臓がから打ちになると全身へ血液が送れなくなってしまい、心停止発作を起こすことにもなります。

(2)徐脈性不整脈
1分間に50回以下の心拍しかない状態 の不整脈。
徐脈性不整脈になると心臓の拍動が減り、拍動が減ると必要な酸素が全身に行きわたらなくなってしまいます。

(3)期外収縮不整脈
心拍が飛んでしまう 不整脈。
1日に1万回以上心拍が飛んでしまう人は治療が必要になってきます。
期外収縮不整脈では症状を感じない方が多いですが、動悸や胸が詰まるような感覚を感じる人もいます。

「患者数が多いのは、期外収縮不整脈です。男女ともに多い不整脈ではありますが、治療対象となるのはどちらかといえば、男性のほうが多い印象です」(新田先生)
放っておくとどうなる?
重大な病気につながる可能性が!
聴診器と心電図のイメージ

もし不整脈を放置するとどうなるのでしょうか?

「不整脈の中に、心房細動というものがあります。これは、心房がしっかりと収縮をせず、けいれんするように細かく震えることで脈が不規則になってしまう状態です。

この 心房細動を放置すると、血栓ができて、結果として心不全や脳梗塞につながってしまう ということがあります。

有名なところでは、野球監督の長嶋茂雄さんが心房細動からの脳梗塞になってしまったということがありました」(新田先生)

やはり不整脈を放置することは危険なのですね。

「不整脈を放置すると、とにかく生活の質が下がります。特に 強い動悸やめまい、全身の倦怠感を感じたときには病院を受診したほうが良い でしょう。

不整脈は薬やペースメーカー、外科手術によって治療することはできますが、予防する手立てはありません。ですが、検脈などで自己管理をすることで不整脈に気付くきっかけを作ることはできます。

今はスマホや腕に付けるスマートバンドなど健康管理できるものがたくさんあるので、まずはそこを試してみるのが良いのではないでしょうか」(新田先生)
まとめ
誰にでも起こる可能性があるという不整脈。しかし、放っておけば心不全や脳梗塞になったり突然死してしまうこともあるそうです。新田先生によると気負いすぎることでさらに悪化してしまうことがあるそうなので、あまり深刻にならず、でも不安であれば病院に行くなど不整脈とはうまく付き合っていくことが大切ですね。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。


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監修/新田 正光先生
1997年秋田大学医学部卒業循環器内科医、不整脈専門医、心血管インターベンション治療学会専門医としてアブレーション、PCI、両室ペーシング療法や植込型除細動器の手術をおこなっている。その他、総合内科専門医/指導医、救急科専門医、透析専門医、ICLSなどの資格を有し多岐に渡り活躍している。

監修者:医師 新田 正光先生 1997年秋田大学医学部卒業。日本循環器学会 専門医。日本内科学会 総合内科専門医・指導医。その他、日本心血管インターベンション治療学会、日本透析医学会、日本救急医学会や日本不整脈心電図学会の専門医も勤めている。


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