3月11日(火) 3:00
『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』が3月28日(金)から公開になる。本作は何度も“死んでは生き返らされる”過酷な任務についてしまった主人公の逆襲を描くエンターテイメント作品で、その設定がとにかく面白い。
人生失敗だらけのダメダメ男、ミッキーはある事情から追い詰められ、“何度も生まれ変わることができる夢の仕事”につく。しかし、それは過酷な環境に放り込まれて死んではまた生き返らされる仕事だった。
彼が投入されるのは、未開の地での危険きわまりない作業や、人類が生息できるかわからない場所に実験台として放り込まれる仕事など“ブラック度数マックス”の任務ばかり。しかし、仮に命を落としてしまったとしても新しい自分がプリントアウトされ、即座に記憶をコピー。新しい自分の完成だ!
ミッキーは過去に自分が何度も死んでいることをちゃんと覚えており、この物語は同じ時間・空間を繰り返す“ループもの”ではない。ミッキーがいるのは危険で過酷なことが続く“ブラックすぎる”の職場で、死んでは生き返らされ続ける“死にゲー”をひたすら繰り返している。
私たちはゲームなどを通じて何度も敵に負けたり穴に落ちたりして死んでしまう経験を擬似的にしている。ゲームオーバーになってもすぐにコンティニューしてゲーム再開。でも、そのゲームのキャラクターが人間だとしたら?さらにいうなら自分だとしたら?
本作はこれまでゲームやアニメーションなどで繰り返し描かれ、体験してきた“死んでは生き返る”をさらに推し進めた斬新すぎる設定になっている。この“知っているはずなのに、圧倒的に新しく感じる”映画体験こそ、ポン・ジュノ監督の最新作であり、集大成との呼び声も高い本作の見どころのひとつだ。
『ミッキー17』
3月28日(金) 公開
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