三鷹天命反転住宅模型(株)安井建築設計事務所蔵
3月10日(月) 2:30
荒川修作(1936-2010)とそのパートナー、マドリン・ギンズ(1941-2014)が企画・デザインした代表作のひとつ《三鷹天命反転住宅》をテーマとした展覧会『三鷹天命反転中!!──荒川修作+マドリン・ギンズの死なないためのエクササイズ』が、3月22日(土)〜5月18日(日)、三鷹市美術ギャラリーで開かれる。
名古屋生まれの荒川は、1957年『第9回読売アンデパンダン』展に初出品し、アーティストとしての活動をスタートさせた。前衛芸術集団「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」へ参加したのち、1961年に渡米。ニューヨークを拠点とし、マルセル・デュシャンとの出会いを経て、図式絵画(ダイアグラム)を制作。さらにマドリン・ギンズと出会い、1963年から「意味のメカニズム」という知覚に関する思考実験を行っていく。荒川修作《意味のメカニズムから (A+B=C)》1972年兵庫県立美術館蔵© 2020 Reversible Destiny Foundation. Reproduced with permission of the Reversible Destiny Foundation..
幼少期から「生と死」に関心を抱いてきた荒川は、天命(宿命)に従う生き方から脱し、自由になることを目指して、絵画、インスタレーション、建築へと活動を展開。後年は「コーデノロジスト(Coordinologist)」と称し、芸術・科学・哲学の総合と実践を目指し、「天命反転都市」という社会実験の実現に向けて活動した。
三鷹市を東西に走る通称、東八道路沿いに建つ《三鷹天命反転住宅》も、天命を反転させるために設計された集合住宅だ。14色の円柱形や立方体で構成された、カラフルな、目を引く建物。2005年に完成し、20年目を迎える現在もオフィスや住宅に使用されている。 三鷹天命反転住宅(室内)© 2005 Reversible Destiny Foundations. Reproduced with permission of the Reversible Destiny Foundation.
空間や環境が一人ひとりの身体が中心になるよう設計・構築され、3歳の子供が大人より使いこなせる場所もあれば、70歳以上の大人にしかできない動きを生じさせる場所もある。一人ひとり、あるいは日々異なる身体の変化や可能性を認識させるような挑戦的な建築物だ。この展覧会では、資料や作品群から、なぜ、どのようにしてこの“住める芸術”が生まれたのかを紐解いていく。
<開催概要>
『三鷹天命反転中!!―荒川修作+マドリン・ギンズの死なないためのエクササイズ』
会期:2025年3月22日(土)~5月18日(日)
会場:三鷹市美術ギャラリー
休館日:月曜(5月5日は開館)、4月10日(木)、5月7日(水)
時間:10:00~20:00(入場は19:30まで)
料金:一般1,000円、大高・65歳以上500円
公式サイト:
https://mitaka-sportsandculture.or.jp/gallery/event/20250322/