3月9日(日) 20:40
レーシックとは、近視・遠視・乱視の原因となる屈折異常を矯正し、視力を回復するための屈折矯正手術のひとつです。
そもそも近視・遠視や乱視などの目の症状は、目の内部に入ってきた光がうまく屈折できずに、カメラのピントが合わないような状況になっています。
そのため、屈折異常を起こしている角膜のカーブをレーザー照射によって角度を整えることで光の屈折率を調整し、視力の回復を助けるという仕組みになっています。
手術を検討している人にとって、特に気になるポイントは手術費用ではないでしょうか。
残念ながら、視力の回復手術は健康保険や高額療養費制度の対象外となるため、すべて自費診療での支払いが求められます。医療機関や手術内容などによって手術価格は異なりますが、20万円から40万円程度が相場のようです。
また、乱視を矯正する場合にはより高度なレーザー照射の技術が求められるため、通常のレーシック手術よりも費用が高額になるケースもあります。
そこで、コンタクトレンズの出費を抑えるためにレーシック手術を受けた場合、年間でコンタクトレンズを購入する出費と比較すると何年で元が取れるのかを見てみましょう。
コンタクトレンズにもハードレンズ、ソフトレンズのほか、1ヶ月使い捨てや2週間使い捨て、1日使い捨てタイプなどさまざまな種類があります。
コンタクトレンズショップが掲載している情報を基に、目安となる年間コストを表1にまとめました。
表1
1箱のコスト | 年間使用箱数の目安 | 年間コストの目安 | |
---|---|---|---|
1日使い捨てレンズ | 2500円 | 24箱(1箱30枚入り) | 約6万円 |
2週間使い捨てレンズ | 2500円 | 8箱(1箱6枚入り) |
約2万8000円
(ケア用品代含む) |
1ヶ月使い捨てレンズ | 2500円 | 8箱(1箱3枚入り) |
約2万8000円
(ケア用品代含む) |
※筆者作成
コストは、1日使い捨てレンズがもっとも高額で年間で約6万円となり、2週間使い捨て・1ヶ月使い捨てレンズと続きます。ケア用品代は8000円から1万円程度と考えると、コンタクトレンズの年間出費はおおよそ3万円から6万円という結果になりました。
つまり、表1の中でもっともコストのかかる1日使い捨てレンズを使用していて、20万円のレーシック手術を受けたケースでは、およそ4年程度で年間コストの費用を回収できることになります。
いくら元が取れると言っても、数十万円のレーシックの手術費用は決して安くはありません。少しでも経済的な負担を軽減したいと考えるなら、医療費控除を活用することをおすすめします。
国税庁によれば、レーシック手術は「眼の機能それ自体を医学的な方法で正常な状態に回復させるものであり、それに係る費用は、医師の診療または治療の対価と認められますので、医療費控除の対象となります」と示されています。
医療費控除とは所得控除の種類のひとつで、1年間で一定額以上の医療費を支払った場合、確定申告の手続きを行うことによって税金の一部が還付される仕組みになっています。年末調整に医療費控除は含まれないため、制度を利用したい場合は別途確定申告の手続きを行う必要がある点には注意しましょう。
コンタクトレンズの年間コストと比較すると、レーシック手術を行うと早くて4年程度で元が取れる可能性があることが分かりました。レーシック手術を検討する際には、費用やリスクなども考慮しながら慎重に進めていきましょう。
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.1122 医療費控除の対象となる医療費 眼科医に支払う治療費等
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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