国家公務員の年収はどのくらい?月の給料とボーナス、年代に分けて解説

国家公務員の年収はどのくらい?月の給料とボーナス、年代に分けて解説

3月8日(土) 1:50

安定した職業として知られる国家公務員ですが、その年収や給与の仕組みはどのようになっているのでしょうか。本記事では、月々の給与の内訳やボーナスの仕組み、年代による収入の変化などについて解説します。

国家公務員の給与制度

国家公務員の給与は、基本給に相当する「俸給」と住宅手当・通勤手当などの諸手当で構成されています。俸給の決定には17種類の俸給表が用いられ、職種ごとに使用する表が異なります。
 
また、ボーナスにあたる「期末手当」「勤勉手当」は6月と12月に支給されるのが一般的です。給与の水準については、人事院が民間の給与との均衡を図りながら定期的に見直しを行っています。
 

国家公務員の平均年収

人事院の「令和6年 国家公務員給与等実態調査」によると、国家公務員の平均給与月額は41万4801円です。また、内閣官房内閣人事局のデータによると、令和6年6月期の期末・勤勉手当の平均支給額は65万9400円、12月期は65万2800円でした。
 
この金額をもとに計算すると、国家公務員の平均年収は約629万円です。
 
また、人事院の「令和6年人事院勧告」のとおり、民間との格差を解消するために俸給表の引き上げが閣議決定、令和6年4月から実施されています。ボーナスの支給割合も民間水準に合わせ、4.5か月分から4.6か月分へと引き上げられているため、さらなる年収の上昇が見込まれるでしょう。
 

年代別の平均年収

国家公務員の年収は、職種や地域で手当が異なります。そこで、人事院の「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」に基づく、国家公務員モデル給与例を表1にまとめました。
 
表1

組織 職務段階 年齢 月額 年間給与
地方機関 係員 18歳
(一般職試験(高卒)初任給)
18万8000円 310万6000円
22歳
(一般職試験(大卒)初任給)
22万円 363万4000円
30歳 25万5400円 421万9000円
係長 35歳 29万1100円 487万5000円
40歳 31万400円 519万8000円
課長 50歳 41万8600円 687万4000円
本府省 係員 22歳
(総合職試験(大卒)初任給)
28万4800円 466万5000円
課長補佐 35歳 45万1880円 756万8000円
課長 50歳 75万7920円 1292万4000円
局長 108万9600円 1818万5000円
事務次官 142万9200円 2385万3000円

出典:人事院「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み(国家公務員モデル給与例)」より筆者作成
 
この表からは、年齢や役職に応じて昇給すれば、着実に年収が上がっていく仕組みになっていることが分かります。
 

国家公務員の給与の特徴

国家公務員の給与の最大の特徴は、民間企業と比べて景気変動の影響を受けにくく、安定した収入を得られることです。
 
民間企業では、業績によって昇給やボーナスが変動します。一方で国家公務員の給与は、民間企業の平均給与と法律に基づいて決定されるため、安定性が高いといえます。
 
また、給与体系は年齢や勤続年数に応じて昇給する年功序列型の仕組みが基本です。給与水準も法律や規則によって明確に定められているため、透明性が高いのも特徴です。
 
さらに、住宅手当や扶養手当など福利厚生制度が充実しており、公務員としての生活基盤がしっかりと支えられています。
 

令和7年4月にも給与制度のアップデートを実施予定

人材確保の難しさなどから、国家公務員の給与制度も見直しが進められており、新卒初任給の引き上げや扶養手当の改定が実施されています。
 
まず、新卒初任給は、民間企業の初任給水準の上昇に対応するため、10%以上の引き上げが行われました。扶養手当に関しても、子ども向け扶養手当が月額1万円から1万3000円に増額されています。一方で、受給する職員が減少傾向にあった配偶者向け扶養手当は廃止されました。
 
さらに、勤勉手当の評価制度も変更され、最上位の成績区分に属する職員に対しては、従来の2倍から3倍の支給額へと引き上げられる予定です。これにより、成果を出した職員がより高く評価される仕組みへと変化しています。
 
これらのアップデートによって、従来の年功序列型の給与制度から、時代に合わせた職責や業績に応じた給与体系への変化が始まっていることが分かります。
 

国家公務員の平均年収は約629万円

国家公務員の年収は、職種や階級、年齢、勤続年数などによって異なりますが、平均年収は約629万円と比較的高水準です。安定した収入と充実した福利厚生は、多くの人にとって魅力的でしょう。
 
もっとも、近年は給与制度の見直しが進み、成果主義の要素も強まってきています。ぜひ、自身の価値観などを踏まえた上で、国家公務員という選択肢についても考えてみてはいかがでしょうか。
 

出典

人事院 国家公務員の給与制度の概要
人事院 令和6年 国家公務員給与等実態調査
内閣官房内閣人事局 令和6年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
内閣官房内閣人事局 令和6年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
人事院 本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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