坂口健太郎と渡辺謙が初共演を果たす「盤上の向日葵」の主題歌が、サザンオールスターズの「暮れゆく街のふたり」に決定した。また、この楽曲をフィーチャーした特報映像が併せて公開された。
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【動画】「盤上の向日葵」超特報今回の主題歌決定の経緯について、本作の矢島孝プロデューサーは「切なさや哀しさ、愚かさも含め、必死に生きていく人間たちへの応援歌がほしい」と考え、主題歌をサザンオールスターズに依頼。これを受け、3月19日にリリースされる最新アルバム「THANK YOU SO MUCH」に収録される楽曲の中で最も陰影が濃く、切なさに満ちた「暮れゆく街のふたり」が主題歌に決定した。
「暮れゆく街のふたり」は、桑田佳祐がかつて読んだ小説にインスパイアされたというドラマ性のある楽曲。これを聴いた主演の坂口は「将棋、家族との別れ、因縁、様々な物に翻弄され歩くしかなかった桂介の道を、切なく代弁してくれているような楽曲だと感じました」と感激のコメントを寄せた。
なお、サザンの楽曲が映画の主題歌となるのは、バンド47年の歴史の中で7作目。「空飛ぶタイヤ」(18)の主題歌「闘う戦士たちへ愛を込めて」、「ビブリア古書堂の事件手帖」(18)の主題歌「北鎌倉の思い出」以来7年ぶりとなる。
新たに公開された「暮れゆく街のふたり」をフィーチャーした特報は、主人公の上条桂介(坂口)と、彼に大きな影響を与える人物、東明重慶(渡辺)との出会いから始まる。町の将棋道場で出会った伝説の勝負師、東明は挑発するように「ぞくぞくするような真剣勝負だ」と囁く。か細く、頼りなさげな様子の桂介に、この後何が起きたのか。続いて雪の中を走る桂介の少年時代がインサートされ、やがてふたりは激高し、鬼気迫る表情でぶつかり合う。静かに語りかけるような桑田のボーカルが彼らの“出会ってしまった運命”の抗い難さ、切なさを謳いあげるなか、対峙するふたりの姿。射るような眼で静かに見つめる東明と「その真剣、乗ってやる」という熱く、まっすぐな眼差しで見つめ返す桂介。
「暮れゆく街のふたり」は離れがたい男と女の関係を歌っているが、師弟として、あるいは最大の敵になる「運命的に出会ってしまったふたり」にも通じる普遍的な思いにあふれている。そして桑田のバラードが、将棋の世界に生きる男たちの運命に寄り添っていく。
本作は、「孤狼の血」の柚月裕子による同名小説が原作のヒューマンミステリー。将棋の世界を背景にしながらも、将棋を知らない読者も多く惹きつけ、2018年本屋大賞第2位となった。柚月氏は執筆にあたり、「光と影」「人間の業」「人生を生き切る」という3つのテーマを根底に据えたという。「人生の光と影を描いた重厚な人間ドラマ」にほれ込んだ熊澤尚人監督(「君に届け」「ユリゴコロ」「隣人X 疑惑の彼女」)が、自ら自ら書き上げた脚本でメガホンをとった。
坂口と矢島プロデューサーのコメント全文は以下のとおり。
■坂口健太郎
将棋、家族との別れ、因縁、様々な物に翻弄され歩くしかなかった桂介の道を、切なく代弁してくれているような楽曲だと感じました。夏の暑い時期の撮影、夕暮れ時、向日葵畑の中で夕陽を見ている瞬間を思い出しました。
■矢島孝プロデューサーコメント全文
切なさや哀しさ、愚かさも含め、必死に生きていく人間たちへの応援歌がほしい、とサザンオールスターズに依頼しました。この映画の風や空、季節など空気感も含めて、サザンがふさわしいと思いました。人間の情念を支える桑田さんの力強い声は、人間の生き様を描く映画の最後を締めくくり、違った形で映画を支えている楽曲だと思います。
【作品情報】
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