3月6日(木) 14:00
現在、日本の米価格は数年前と比べて大幅に上昇しています。主な要因として考えられているのは、米の取引における中間業者の買い取り競争の激化です。その影響でJAなどの卸売業者が十分な量を確保できず、市場での供給不足が価格高騰を招いたと考えられています。
さらに、コロナ禍からの需要回復も価格上昇を後押ししています。2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類へ移行した後、外食需要が急回復し、訪日外国人観光客の増加もあいまって米の需要が拡大しました。
こうした要因が重なり、ここ数年の米価格は毎年上昇しており、この値上がりは家庭の食費にも大きな影響を与えています。
ここでは、最近のお米の価格変動を見てみましょう。総務省統計局が公表している「小売物価統計調査」の統計結果を基に算出している「小売物価統計調査による価格推移」によると、3年前の2023年1月の米価は5kgあたり約2030円でした。翌年の2024年1月は約2170円、そして同年12月には約3680円に上昇しています。
約3年前と比べると、5kgあたり約1600円の値上がりです。つまり、わずか3年ほどで価格が約1.8倍に跳ね上がったことになります。この急激な価格上昇は、特に食費の負担が大きい低所得世帯や、食べ盛りの子どもがいる家庭にとって深刻な影響を及ぼしています。
では、米価格の値上がりが家計に与える影響を具体的に考えてみましょう。例えば、食べ盛りの子どもがいる家庭で、5kgの米を5日で消費する場合、1ヶ月(30日)あたりの消費量は30kgとなります。
30日÷5日×5kg=30kg
・2023年1月の米価格で計算すると、1ヶ月あたりの出費は:
2030円÷5kg×30kg=1万2180円/月
・2024年12月の米価格で計算した場合は:
3630円÷5kg×30kg=2万1780円/月
この計算によると、1ヶ月あたりの米代は、約3年間で約9600円上昇したことになります。年間では約11万5200円の負担増です。今後さらに米価格が上がる可能性もあるため、家計の見直しが必要かもしれません。
お米の価格高騰は家計に大きく影響を及ぼしますが、工夫次第で負担を軽減できます。例えば、農家から直接お米を購入すれば、スーパーより10~20%安く買えることがあります。また、この機会に他の支出を見直し、食費に余裕を持たせることで、家計の安定につなげることも可能です。
家族で話し合いながら、無理なく実践できる節約術を取り入れ、賢く物価高騰に対応しましょう。
総務省統計局小売物価統計調査/小売物価統計調査による価格推移
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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