『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は、グレンが愛車の1999年ポルシェ・ボクスターとの冬の過ごし方をレポートする。
ポルシェのトランクには、古くて大きな黒いレザージャケットが入れっぱなしになっている。予備のクーラントやウィンドウウォッシャーの香り、トランクの内張りや古いクリーニングクロスの匂いが漂っているが、寒く爽やかな冬の青空のもと、ルーフを下ろしてドライブに繰り出すときにこの革ジャンは真価を発揮する。ボクスターの優れたヒーターで足元を暖める。曲がりくねった道を長く走るときつま先がしびれるほど辛いことはない。
この冬は、そんなことはほぼなかった。寒くはあったが、どちらかというと雨や曇りで暗い日が多かった。でも、そんなときこそボクスターのルーフが威力を発揮する。ケイマンにずっと憧れていたが、私はオープンカーも大好きだ(オープンエアを楽しむためにBMWも所有している)。だから、ボクスターの存在は私にとってはまさに贈り物だ。屋根を閉めて気合も入れてドライブすれば、空ではなく道に集中することもできる。それに、素晴らしいフラットシックスの唸り声が後方からよりはっきり聞こえる、というメリットもある。
1年のうち、この時期はBMWでのドライブを控えることが多いので、必然的にボクスターが登場する機会が増える。路面に塩カルが撒かれている期間にBMWはちょっとした整備をすることにしている。クリスマス前に間違えて新しいバッテリーを買ってしまったので、作業の予約をいつ入れようか検討しているところだ。春に間に合うように早めに車検を受け、フル点検を受けようと考えている。どこかでベアリングが摩耗しているような、スピードと連動する異音についても調べたいところ。専門家とも話したが、デフが傷んでいることは稀だそうだが、以前にも同様のことがあったらしい。壊滅的でないことを祈るばかりだ。
ボクスターにも少し注意が必要だ。私は雨の中、
EVに改造されたマツダMX-5
の試乗のためにオックスフォードシャー州のエレクトロジェニック社へ行ってきた。そう、両車ともいい感じだった。マツダの試乗は楽しかったし、ボクスターのルーフの防水性はもちろん、ワイパーの効きもテストすることができた。ボクスターが冬でも秀逸なオープンカーであることを報告しておく。…でも、フロントガラスにヒビが入ってしまった。人里離れた場所で、他に車は見えなかったので、何が原因だったかはわからない。たぶん鳥が落とした石か何かが、ガラスにぶつかったのだろう。次のステップは、保険会社に連絡することだ。
文:Glen Waddington
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