会社に巣食う問題社員によって同僚は疲弊し、職場は大混乱。時には退職者まで出し、業績を悪化させる。そんな「危険社員」を7種類の野生生物にたとえて、生態に迫った!今回は「ピラニア型」危険社員について。
同僚を巻き込み職場を荒らす
アマゾン川に生息する殺人魚のピラニアは、血の匂いを嗅ぎつけると群れで獲物に襲い掛かり、鋭い歯と強靭な顎で数分で骨だけにしてしまう。
「有名経営者のオンラインサロンに参加する30代の男性社員は、『激怒する上司のリアル』をネタに社内ライブ配信でPVを稼ぎ、最近は情報商材の販売までしている。会社の顧客に営業をかけたり、営業部の社員に『絶対儲かる!乗らなきゃバカ』と巻き込み、エンジニアの同僚には『スキルアップになるよ』とサイト構築を手伝わせる始末……。その上、儲けの取り分を巡って社内で揉めて、本人も同僚も本業に支障を来しています」(証券・37歳・女性)
「ピラニア型危険社員」への対策は?
ピラニアの嗅覚は鋭敏で、水中の数滴の血を嗅ぎ取る。カネになりそうな同僚を嗅ぎつけ、副業に巻き込む副業リクルーター系社員は、まさにピラニア型危険社員その生態を、臨床心理士の杉山崇氏が分析する。
「就業規則を守らないのは、自分がルールと思い込むアンチソーシャル系だから。実際、稼いでいるようなので成功者の意識が強い上、オンラインサロンの主宰者と同一化して、自分も同等と考えている」
ピラニアは群れの中でも喧嘩し、時に共喰いまでする。ピラニア型危険社員も仲間を増やし、社内で諍いを起こした。労務士の石川弘子氏が対策を話す。
「副業自体を理由に解雇するのは難しい。だが、放置すれば会社の信頼を失いかねません。早期に注意すべきです」
同僚や顧客の骨が水面に浮かんでからでは遅いのだ。
「ピラニア型」の特徴
副業に巻き込めそうな人に目星をつけて仲間を増やしていく目利きは、アマゾンの濁った水中で血の匂いを嗅ぎつけるピラニアさながらだ。
普段は水中で静かなピラニアのように息を潜めているが、副業では一転して牙を剝く。このタイプの社員は仲間を増やすから危険なのだ。
ピラニアの咬合力は自重の30倍と、ティラノサウルスを凌ぐ。嚙みついて獲物を弱らせるのと同様に、本業の会社を弱体化させる。
ヤバすぎるピラニア型社員の言動集
入社式で若手社員が新人をマルチ商法に勧誘していた(食品・32歳・女性)
対策:
実害が出ていれば就業規則違反で懲戒する
【臨床心理士 杉山 崇氏】
心理学者。神奈川大学教授。同大学心理相談センター所長。著書に『心理学的に正しいモンスター社員の取扱説明書』(双葉社)など
【社会保険労務士 石川弘子氏】
フェリタス社会保険労務士法人代表。ハラスメント防止コンサルタント。著書に『あなたの隣のモンスター社員』(文春新書)など
取材・文/綾部まと取材/谷口伸仁山本和幸齊藤武宏イラスト/神林ゆう
【綾部まと】
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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